にゃこがやってきた

雪姫がやってきた

くるしゅうにゃい

前回のおさらいなのだ。
にゃこはケージに詰め込まれて、安いアパートに連れてこられたのだ。

新しい召使がにゃこのための新しいトイレとにらめっこしている間に、新しいおうちを探検なのだ。

抜き足、差し足、忍び足。

にゃ。
階段がないのだ。

２部屋と台所しかないのだ！　２階がないのだ！
５ＬＤＫだったにゃこの家が、なんと狭く！？

にゃ？

安いアパートで２部屋あれば広い方とか、なんの話なのだ。
にゃこは知らないのだ。

台所のとなりの部屋に、ベッドを見つけたのだ。
ベッドの下に、いい感じのスキマを見つけたのだ。
潜り込んだのだ。

召使の他には、ここには何もいないことを、慎重に確認せねばならないのだ。
スキマでじーっとしてたら、召使がにゃこをのぞきこんだのだ。

どこかに連れて行こうとしたって、取り出せないのだ！
手を出してきたらひっかいてやるのだ！

召使はじーっとにゃこを見て、首を傾げただけで、ベッドに座ったのだ。
にゃ。
ぎしぎし。

どこにも連れて行かにゃいのかナァ？
ぎしぎし。

何してるのだ？
お腹がすいたのだ。お水が飲みたいのだ。

にゃこはうっかり、割とあっさり、『にゃこを構わない』という、召使の巧妙なワナにハマってベッドの下から出てしまったのだ。
連れて来られてから、ベッドの上で毛づくろいを始めるまで、実は１時間かからなかったのだ。

召使はエサの用意をしていたのだ。
兄ちゃんが買ってきた、ちゃおちゅーるなのだ。
こんなもの、ぺろりなのだ。


んむ、くるしゅうにゃい。