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挿絵編

第一節 長編小説の挿絵を一人の絵師様に描いてもらうのは難しい

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挿絵師様が章ごとにかわる『雪月花の物語』。
なにも、いろんな絵師様に描いてほしくて、いろんな絵師様に頼んだわけではありません。
長編小説の多枚数の挿絵のお仕事なんて、アマチュアの絵師様ではなかなか続かないのです。
2~3枚でぱたりと音信不通あるあるです。

続かない理由は大きく二つ。
まず、月に2枚描けない絵師様だとまず無理。
「月に2枚描けないペースで挿絵に応募する人がいるの? 5千円の有償依頼に1ヶ月? は?」と、びっくりする方も多いと思いますが、1枚の本気絵に1ヶ月かけるアマチュア、珍しくありません。
私自身がそのペースだから、有償依頼をかけているのです。
半年がかり、1年がかりのプロジェクトになると、生活環境が変わってしまってお絵描きしていられなくなる事態が発生するリスクがそれだけ高まります。気持ちだって変わります。まぁ、無理ですよ。半年以上かかる少額の有償依頼なんて、受けるもんじゃありません。

次に、挿絵の仕事をただの1枚絵のつもりで引き受けると大怪我をするとわかっていない絵師様が多いということ。
ちょっと、こちらをご覧ください。

☆ なかいのぶ様に5000円で依頼した挿絵



☆ remo様に1000円で依頼したファンアート



本編未読の方が、仕上がりだけ見たら、なんでそんなに値段が違うのかわからないと思います。
仕上がりを見て値段をつけたのではなく、あらかじめ、この報酬でとお願いしたもので、remo様のファンアートは、1000円の依頼の納品としてはクオリティが高すぎるのですが。(高すぎるクオリティは、『悪役令嬢と十三霊の神々』を気に入って下さったremo様からの愛あるサービス、大感謝です✨ 心ばかりのチップはつけさせて頂きました)

ファンアートですから、大喜びで納品を承諾して、御礼を伝えて取引を終えました。
ところが、これが挿絵だった場合、山ほど修正依頼が入ります。

ファンアートは絵師様のイメージで描いて頂けます。
だけど、挿絵は作者のイメージで描いて頂かなければなりません。

イラストとしてのクオリティが高いだけではOKが出ない、それが、どれほど大変なことか。その大変さを、未経験の絵師様の多くが知りません。
同じ絵で、ファンアートなら一発OK、たくさんの誉め言葉をかけてもらえるのに、なぜ? となる。
ファンアートと同じのつもりで応募してしまった絵師様は、地獄を見ることになるのです。
依頼料が違うだけはある、ファンアートとはあまりにも違う世界で、やっぱり無理でした、になる絵師様が多いのです。


絵師様にも覚悟が必要ですが、依頼人も、考えておかないといけません。

つ【イメージ違いの挿絵が納品された時、どうしますか?】

絵師様のご機嫌を損ねないため、イメージ違いのキャラデザを公式として採用するのか。採用したが最後、その後のファンアートはすべて、公式のキャラデザを参考に描かれてきます。それでいいのか。

よくないから、容赦なく却下?
一生懸命、最善を尽くしてくれた絵師様に対し、全然違う、で済ませて依頼をキャンセルするとしたら、それってすごく、絵師様を傷つけます。
おそらく、残念ながら、そういう依頼人も各分野に多いから、納品したのに支払いがない、というトラブルがよくあるのでしょう。


だから私の場合は、最初から(ファンアートに比べたら)高い依頼料を設定して、
納得行くまで、修正依頼をかけることにしています。
それでも、個人が趣味のために支払える依頼料なんて少額です。

支払う側だと、1枚5000円はとても高い。
だけど、引き受ける側だと、1枚5000円はとても安い。

表紙ならともかく、挿絵のついているアマチュア作品がとても少ないのは、この辺りに理由があると考えます。


というわけで、この章では、ファンアートとはまったく次元の異なるイラスト『挿絵』が仕上がるまでのあれこれを、実例とともに紹介させて頂きます。

こんな時、あなたならどうする!

アマチュアがWeb小説に挿絵をつける。
それはもう、そのプロジェクトそのものが、愛と笑いと涙の壮大な物語、まるで、流行りの異世界転生を実体験できるような世界なのです。
依頼した絵師様の『天才』というギフトを駆使して、大魔王『イメージ違い』を倒すまでのスペクタクル・ロマン!( ゚Д゚)9
ライフは『絵師様のご機嫌』です。ライフがゼロになると絵師様は現世に帰還してしまい、大魔王を倒せないまま、冒険は失敗してしまいます。
あなたの武器は『リアルマネー』と『誉め言葉』です。絵師様のライフがゼロにならないように、これらを駆使して頑張りましょう!


めちゃくちゃ楽しいです。
テーブルトークなんてメじゃない。
これぞ、本物の大冒険ですよ✨
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