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第一章 ライゼール領
1-2. ライゼール領
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ライゼールに移り、兄皇子と過ごす時間が増えると、ゼルダはいくつか、思いがけないことに気付いた。
まず、皇都での半月ほどを兄皇子が遊んでいなかったということだ。ゼルダが神殿やサンジェニ侯爵家に根回ししていた間に、ヴァン・ガーディナはライゼールの街並みから気候、祭事、人々の暮らしまで下調べを済ませ、既に必要な資料を揃えさせていた。
すなわち、ゼルダは執政官として、兄皇子に遅れを取ってしまったのだ。何か意見しても、軽く切り返されてしまう。ヴァン・ガーディナの洞察や方針策定はいちいち適切で、ゼルダは次第に、口を挟めなくなってきていた。
「最近、口答えしないな? どうした?」
「……したって、あなたの判断の方が確かじゃないですか」
ヴァン・ガーディナがくすくす笑う。ゼルダはすねたように口を尖らせた。
「おまえが黙るとつまらないよ、おまえが私に敵わなくて、ガッカリするのを見るのが楽しみなんだから、黙るな」
「えー!」
ヴァン・ガーディナはいつも、ゼルシアの庇護下で安穏と過ごしてきたはずの皇子らしからぬ迅速で誠実な判断をしたし、ゼルダに対する指導も、丁寧で充実した内容だった。ゼルダが遠からず敵に回ることを、想定していないかのようで、ゼルダはかえって困惑してしまうのだ。
「兄上、私に何も強いないのですか? 何のために支配印を?」
「ああ、どんなものかと思って。支配印なんて、おいそれと施術するものでもないしな。ゼルダ、毎週、闇曜はあけておけよ。冥影円環の他にも、尊敬する兄上が死霊術の奥義を伝授してやるよ」
――何たる傲慢、誰が『尊敬する兄上』か!
ゼルダなんて、片手でさばけそうに優秀なヴァン・ガーディナだとしてもだ。
「私は戦場の経験に乏しいし、いろいろ、誰かに試したい術があったから丁度いい」
「ちょっと! 兄上それ、私にかけて試す気ですか!?」
「おまえ、後宮に方術師を囲っていたよな? 致命傷は与えないように気をつけるが、私の余興に付き合わされて、痛い目や辛い目を見たくなければ、一生懸命、抵抗してごらん」
「えーっ!?」
「ああ、出来ないんだっけ、おまえ」
冥魔の瞳でゼルダの動きを止めて、ヴァン・ガーディナが麗しく微笑む。これなんて、狙い撃ち。
「次の闇曜は月桂式の一揃いに、髪はジゼルの七番」
「~! またですか、月桂式は揃えていません、おあいにく様!」
「じゃあ、私が贈ろう」
――ぶっ。
「兄上、一夜、私を着飾らせて何がしたいんですか!」
「いいじゃないか、私のささやかな贅沢だよ」
「お妃様を飾って下さい!」
「なんでだ? おまえが綺麗だ」
――そこ! 世迷言はたいがいにーっ!!
兄皇子と話していると疲れる。やたら疲れる。
ゼルダが日頃、ヴァン・ガーディナの態度に引っ掛かりを覚えることがあるとすれば、何をしたいのか、はっきりしないことだった。兄皇子はライゼールの現状なら、ゼルダより遥かに、よく把握している。それにも関わらず、誰が困っていようと、非道や不正の横行に気付いていようと、ゼルダが望まなければ、傍観の姿勢でいるのだ。ゼルダが望めば、真意のさっぱり読めない笑顔で承認する。
ゼルダを指導するつもりで、ゼルダがそれに気付くのを待っているのか、他人の惨状など見ても、何とも思わないのか――
後者と考えるには、ゼルダが望みさえすれば、誠実に力を尽くす態度を説明できなかった。ヴァン・ガーディナは承認するだけではなくて、ゼルダが考えていたより適切な方法を示して、実行に移すことさえ厭わない。不祥事や失敗の責任も、別にいいよと言って、兄皇子の方で取ってくれることが珍しくなかった。
ヴァン・ガーディナのやり様は「あれが欲しいのー♪」とゼルダにねだられては叶えてしまう、ほとんど猫可愛がりで、この異常な甘やかしを受け、ゼルダとて、兄皇子に情が移ってしまわないと言えば嘘だった。間違っているとは、すごく思うけれど。
「私は? 反撃してもいいんですか」
「しようとするのは構わないが、させないよ? やだな、ゼルダ。敵いっこないのに手向かって、お仕置きされたがるのは、ちょっと変態めいてる」
「誰が!? されたくないです、そんなの!」
ゼルダが懸命に真剣に抗議するほど、兄皇子は魅惑的な笑顔になって、ご機嫌が麗し過ぎることになるのだった。
もぉ泣きたい。
「ゼルダ、前領主のイクナートに挨拶しておけ。書簡でも、訪問でも構わない」
「はい」
ヴァン・ガーディナの話の切り替えの早さには、好感を持つ。そもそも執務中だ、こんな話していたくないし。
前領主への挨拶は、よろしくお願いしますの挨拶ではない。
ライゼールは税が一律であるため、不毛な土地の荒廃が進み、生産性の高い土地と、利潤の良い産業が奪い合われてきた。それを勝ち取った者が富を独占している状態なのだ。ゼルダがこれを変革したいと望んでみたところ、ヴァン・ガーディナの承認を得られたので、敵情視察というか、腹を探り合う挨拶だ。
「訪問にします。こちらの出方に対する、イクナートの顔色を見たいので」
「そうか、なら手練の者を数名連れた上で、ある程度は強引にでも上がり込め。優雅にカフェで茶を飲んでいる暇はないからな」
「手練って?」
「私がいつも連れている、ゼンナとキールサキスが確かだ」
「はい」
了解した後、ゼルダはその意味に気付いた。
「あ。――じゃあ、早めに戻ります」
「ん。……? じゃあ?」
「その、兄上の護衛が手薄になるでしょう?」
嬉しいのか、ヴァン・ガーディナが優しい笑みを零した。甘い表情をすると、兄皇子はとても綺麗で、目のやり場に困る。ゼルダはつい見惚れて、魅せられそうになって目を逸らした。
どうしても、ヴァン・ガーディナが優しくて、調子が狂う。兄皇子を心配する日が来るなんて、皇都にいた頃には、思いもよらなかった。ゼルダを手元で死なせれば、ヴァン・ガーディナの成績に傷がつく。クローヴィンスに大きく遅れを取るから、庇ってくれるのだ。そのはずだ。
ヴァン・ガーディナの笑顔は仮面、優しさは偽りだと、思い知らされてきたはずなのに、心が迷って、兄皇子を信じたくて、苦しかった。
かりそめだ。アーシャもアルディナンもザルマークも、見殺しに出来るのが、してきたのが、ヴァン・ガーディナなのだから。
**――*――**
誰かに庇護されて、その顔を見れば安心するようなことは、優しかった第一皇子アルディナンを亡くしてから、ずっと、なかった。ゼルダはその死を境に、庇護する側に立ったのだ。
アルディナンを亡くした時、まだ、十三歳だった。
いつかは庇護する側に回るとしても、本当はまだ、庇護されていたかったのだと、思い知る。ヴァン・ガーディナの手元はほっとして、雪の城にでも匿われているように、冷たく、優しく、清らかな光に満たされて、居心地が好かった。
まず、皇都での半月ほどを兄皇子が遊んでいなかったということだ。ゼルダが神殿やサンジェニ侯爵家に根回ししていた間に、ヴァン・ガーディナはライゼールの街並みから気候、祭事、人々の暮らしまで下調べを済ませ、既に必要な資料を揃えさせていた。
すなわち、ゼルダは執政官として、兄皇子に遅れを取ってしまったのだ。何か意見しても、軽く切り返されてしまう。ヴァン・ガーディナの洞察や方針策定はいちいち適切で、ゼルダは次第に、口を挟めなくなってきていた。
「最近、口答えしないな? どうした?」
「……したって、あなたの判断の方が確かじゃないですか」
ヴァン・ガーディナがくすくす笑う。ゼルダはすねたように口を尖らせた。
「おまえが黙るとつまらないよ、おまえが私に敵わなくて、ガッカリするのを見るのが楽しみなんだから、黙るな」
「えー!」
ヴァン・ガーディナはいつも、ゼルシアの庇護下で安穏と過ごしてきたはずの皇子らしからぬ迅速で誠実な判断をしたし、ゼルダに対する指導も、丁寧で充実した内容だった。ゼルダが遠からず敵に回ることを、想定していないかのようで、ゼルダはかえって困惑してしまうのだ。
「兄上、私に何も強いないのですか? 何のために支配印を?」
「ああ、どんなものかと思って。支配印なんて、おいそれと施術するものでもないしな。ゼルダ、毎週、闇曜はあけておけよ。冥影円環の他にも、尊敬する兄上が死霊術の奥義を伝授してやるよ」
――何たる傲慢、誰が『尊敬する兄上』か!
ゼルダなんて、片手でさばけそうに優秀なヴァン・ガーディナだとしてもだ。
「私は戦場の経験に乏しいし、いろいろ、誰かに試したい術があったから丁度いい」
「ちょっと! 兄上それ、私にかけて試す気ですか!?」
「おまえ、後宮に方術師を囲っていたよな? 致命傷は与えないように気をつけるが、私の余興に付き合わされて、痛い目や辛い目を見たくなければ、一生懸命、抵抗してごらん」
「えーっ!?」
「ああ、出来ないんだっけ、おまえ」
冥魔の瞳でゼルダの動きを止めて、ヴァン・ガーディナが麗しく微笑む。これなんて、狙い撃ち。
「次の闇曜は月桂式の一揃いに、髪はジゼルの七番」
「~! またですか、月桂式は揃えていません、おあいにく様!」
「じゃあ、私が贈ろう」
――ぶっ。
「兄上、一夜、私を着飾らせて何がしたいんですか!」
「いいじゃないか、私のささやかな贅沢だよ」
「お妃様を飾って下さい!」
「なんでだ? おまえが綺麗だ」
――そこ! 世迷言はたいがいにーっ!!
兄皇子と話していると疲れる。やたら疲れる。
ゼルダが日頃、ヴァン・ガーディナの態度に引っ掛かりを覚えることがあるとすれば、何をしたいのか、はっきりしないことだった。兄皇子はライゼールの現状なら、ゼルダより遥かに、よく把握している。それにも関わらず、誰が困っていようと、非道や不正の横行に気付いていようと、ゼルダが望まなければ、傍観の姿勢でいるのだ。ゼルダが望めば、真意のさっぱり読めない笑顔で承認する。
ゼルダを指導するつもりで、ゼルダがそれに気付くのを待っているのか、他人の惨状など見ても、何とも思わないのか――
後者と考えるには、ゼルダが望みさえすれば、誠実に力を尽くす態度を説明できなかった。ヴァン・ガーディナは承認するだけではなくて、ゼルダが考えていたより適切な方法を示して、実行に移すことさえ厭わない。不祥事や失敗の責任も、別にいいよと言って、兄皇子の方で取ってくれることが珍しくなかった。
ヴァン・ガーディナのやり様は「あれが欲しいのー♪」とゼルダにねだられては叶えてしまう、ほとんど猫可愛がりで、この異常な甘やかしを受け、ゼルダとて、兄皇子に情が移ってしまわないと言えば嘘だった。間違っているとは、すごく思うけれど。
「私は? 反撃してもいいんですか」
「しようとするのは構わないが、させないよ? やだな、ゼルダ。敵いっこないのに手向かって、お仕置きされたがるのは、ちょっと変態めいてる」
「誰が!? されたくないです、そんなの!」
ゼルダが懸命に真剣に抗議するほど、兄皇子は魅惑的な笑顔になって、ご機嫌が麗し過ぎることになるのだった。
もぉ泣きたい。
「ゼルダ、前領主のイクナートに挨拶しておけ。書簡でも、訪問でも構わない」
「はい」
ヴァン・ガーディナの話の切り替えの早さには、好感を持つ。そもそも執務中だ、こんな話していたくないし。
前領主への挨拶は、よろしくお願いしますの挨拶ではない。
ライゼールは税が一律であるため、不毛な土地の荒廃が進み、生産性の高い土地と、利潤の良い産業が奪い合われてきた。それを勝ち取った者が富を独占している状態なのだ。ゼルダがこれを変革したいと望んでみたところ、ヴァン・ガーディナの承認を得られたので、敵情視察というか、腹を探り合う挨拶だ。
「訪問にします。こちらの出方に対する、イクナートの顔色を見たいので」
「そうか、なら手練の者を数名連れた上で、ある程度は強引にでも上がり込め。優雅にカフェで茶を飲んでいる暇はないからな」
「手練って?」
「私がいつも連れている、ゼンナとキールサキスが確かだ」
「はい」
了解した後、ゼルダはその意味に気付いた。
「あ。――じゃあ、早めに戻ります」
「ん。……? じゃあ?」
「その、兄上の護衛が手薄になるでしょう?」
嬉しいのか、ヴァン・ガーディナが優しい笑みを零した。甘い表情をすると、兄皇子はとても綺麗で、目のやり場に困る。ゼルダはつい見惚れて、魅せられそうになって目を逸らした。
どうしても、ヴァン・ガーディナが優しくて、調子が狂う。兄皇子を心配する日が来るなんて、皇都にいた頃には、思いもよらなかった。ゼルダを手元で死なせれば、ヴァン・ガーディナの成績に傷がつく。クローヴィンスに大きく遅れを取るから、庇ってくれるのだ。そのはずだ。
ヴァン・ガーディナの笑顔は仮面、優しさは偽りだと、思い知らされてきたはずなのに、心が迷って、兄皇子を信じたくて、苦しかった。
かりそめだ。アーシャもアルディナンもザルマークも、見殺しに出来るのが、してきたのが、ヴァン・ガーディナなのだから。
**――*――**
誰かに庇護されて、その顔を見れば安心するようなことは、優しかった第一皇子アルディナンを亡くしてから、ずっと、なかった。ゼルダはその死を境に、庇護する側に立ったのだ。
アルディナンを亡くした時、まだ、十三歳だった。
いつかは庇護する側に回るとしても、本当はまだ、庇護されていたかったのだと、思い知る。ヴァン・ガーディナの手元はほっとして、雪の城にでも匿われているように、冷たく、優しく、清らかな光に満たされて、居心地が好かった。
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