囮になった見習い騎士には、愛され生活が待っていた。

朝顔

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最終章

32、癒したい

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 お疲れのセイブリアンを癒したいと思ったリカルドは、気合いを入れて目の前にある下着を下ろした。
 ポロンと出てきたのは、自分のモノとは形も大きさも違う、セイブリアンの立派すぎるモノだった。
 すごいなと思いながら、間近でじっと見ていると、どんどん大きくなって、勃ち上がってしまった。
 ごくりと唾を飲み込んだリカルドは、指でツンツンと突いてみた。

「……うぅ……」

 セイブリアンは恥ずかしいのか、顔を隠していたが、わずかに声が漏れてきた。
 やってみる前はできるか心配だったが、見れば見るほど、可愛く見えてきた。
 むしろ、愛おしいと思ったリカルドは、根元から指を滑らせて、全体を撫でてみた。

「すごい……硬い……、溜まっていたんですね」

「…………くっ……」

 先っぽからトロンと溢れたものが、蜜のように見えてしまう。
 好きな人のものなら、なんでも愛おしいと思っていたが、こんな卑猥な形なのに、すっかり魅了されてしまった。

「……舐めても、いいですか?」

「っっ! リカルド、そんなことを……どこで!?」

「それはっ……、もちろん、経験はないですけど、男同士集まればそういう話も……」

 皇子だったセイブリアンは、きっと上品な教育があったと想像するが、平民のリカルドにとって、男同士集まってワイワイやれば、だいたいそんな話が耳に入ってきた。
 リカルドの説明に、セイブリアンは複雑な顔をしていたが、納得したように確かにそうだなと言った。

 リカルドは舌の上に唾液をたっぷりと乗せて、まずは先っぽをペロンと舐めてみた。

「……うぅ……」
 
 リカルドの舌に苦味のある、なんとも言えない味が口に広がった。

「ちょっと苦い」

「無理はするな、すぐに治るから……」

「ダメです。任せてください」

 鼻から息を吸い込んだリカルドは、パカっと口を開けて、セイブリアンのモノを口いっぱいに頬張った。

「はぁ……はぁ……リカルド……」

 実は桃色会議でリリーローズの侍女から、色々と教えてもらい、自分にできるだろうかと思っていたが、やってみたら大丈夫だと分かった。
 しかし、セイブリアンのソコは、彼の剣と同じく、太くて大きくて立派で、とても全部口に入りきらなかった。
 もっと、気持ちよくなってもらいたいと、咥えたまま、舌を使って裏筋を刺激した。

「くっ……ぁ…………っっ……」

 ベッドサイドの灯りに照らされたセイブリアンは、歯を食いしばって頭を振っていた。
 痛いわけではさなそうだなと思ったリカルドは、唾液をたっぷりと乗せて、ジュっと吸い付くように舐めてみた。
 すると、セイブリアンは、荒い息をして枕に頭を埋ませて、顎を持ち上げた。
 悶えるように腰を揺らしたセイブリアンを見て、これは良い反応だと自信がついた。

「セイ……ブリアンさ……ま、きもち……い……ですか?」

「くっ……あ……っ…………はぁ……ハァ……」

 大きすぎるモノに、どうしようかと思っていたが、だんだん慣れていたリカルドは、咥えたまま、上下に頭を動かしてみた。
 すると、口の中にまた苦い味が広がって、そこがビクビクと反応するので、嬉しくてたまらなくなった。

「リ……ド、だ……だめだ……はな……はなせ」

 舌先で亀頭を刺激していたら、ぶるっと震えたセイブリアンは慌てた様子になった。
 せっかく慣れてきたので、もっと愛撫したいと思ったリカルドは、ぎゅっと強く吸い付いた。

「く、うぅ…………あっっ……!!」

 今までで一番腰が揺れてかと思うと、リカルドの口の中に一気に熱が放たれた。
 あまりの勢いと濃さに、口を離したリカルドは、ゲホゲホと咽せてしまった。

「がっ、……ごっ、……す、すみませんっ」

 セイブリアンが達したのだと分かったが、途中で口を離してしまったので謝ったが、セイブリアンは無反応で、返事がなかった。

「セイブリアン様?」

 怒っているのかと心配になったリカルドは、体を起こしてセイブリアンの顔を見た。
 セイブリアンは目を閉じていて、スゥスゥと寝息の音が聞こえてきた。

「寝ちゃったのか……」

 よほど疲れていたらしい。
 達した勢いでそのまま寝入ってしまったようだ。
 リカルドは手洗い用の布を手繰り寄せて、体の周りを綺麗にした後、セイブリアンの横に寝転んだ。

 口を半開きにして、深く寝入っているセイブリアンを見て、ふふっと笑ったリカルドは、頬に口を寄せた。

「お疲れ様でした」

 そう言って、セイブリアンにくっ付いたリカルドは、幸せだなと思いながら目を閉じた。
 

 

 

「帰って来たぁぁぁ――――!!」

 アルジェンが両手を上げて飛び跳ねていると、出迎えにきた騎士仲間達が、相変わらずウルセェなと言ってアルジェンの肩を叩いた。
 帝都よりは、ピリッとした冷たい空気と澄んだ空。
 何より、派手さはないが、穏やかで平和な街並みを見て、賑やかだった帝都も良かったが、リカルドはやっぱりここが好きだなと思った。

 即位式の後、表明式も終わり、ユリウスの回復を見届けて、通常業務が動き出したところで、セイブリアンはベイリー領に戻ることになった。
 皇宮を出る時は、花びらが舞う演出まで用意してもらい、一行は帝都を後にした。
 笑顔で送ってくれたユリウスとリリーローズの顔を見たら、少し寂しくなってしまったが、約半年にわたってベイリーから離れていたので、早く帰りたいと思ってしまった。
 ベイリーにいる仲間にも会いたいし、動物達が元気にしているのか、ずっと心配だった。

 長旅を終えて、ベイリーの地を踏み、城に戻ってくると、大勢の仲間達が出迎えてくれた。
 
「聞いてくれよ。リカルドは騎士になったんだ。ベイリーだけじゃない、陛下に認められて、俺達と同じ、帝国騎士になったんだよ」

「知っている、こっちにも連絡が来たって。あ、おめでとう、リカルド。大活躍だったらしいな」

 アルジェンが得意げに説明しようとしたら、すでにもうみんな知っていたらしい。
 リカルドの周りに、ベイリーに残っていた仲間達が集まって来て、おめでとうと祝福してくれた。

「それだけじゃないぞ! リカルドはなんと、セイブリアン様の……うむっっ!」

 興奮したアルジェンが、余計なことを口走りそうになったので、リカルドは慌ててアルジェンの口を押さえた。

「ごめん! 話は後でゆっくり、アルジェンと俺は副団長に呼ばれてるんだ」

 手を振って仲間達の輪から離れると、アルジェンは頭をかいて、ごめんと言ってきた。

「悪い悪い、みんなにはセイブリアン様から伝えるんだったな。調子に乗っていて、すっかり忘れていた」

「うん。その方が、みんなも理解しやすいと思うからって」

 リカルドの言葉に、アルジェンは確かにそうだなと言って、二人で腕を組んで歩き出した。
 勘の鋭いアルジェンは、リカルドとセイブリアンが付き合い始めたことをなんとなく気づいていたらしい。
 それとなく伝えると、良かったなと言って喜んでくれた。
 報告した時に、口を開けて驚いたまま、動けなくなったルーセントとは大違いの反応で、ルーセントの時は、おかしくて笑ってしまった。

「俺には大きすぎる人で、まだ信じられないけど、ちゃんと上司として敬って、公私は分けるつもりだ。護衛騎士としての仕事もそうだし、お世話係とか兼任だけど、今まで通り、ちゃんとやるつもりだから、よろしくな」

「リカルドが誰と付き合っても、俺達の仲は変わらないよ。リカルドは親友だし、良いライバルだ。一緒に上級騎士を目指して頑張ろうな」

「アルジェン……もちろんだよ!」

 あの砦での出会いから、アルジェンと仲良くなって、本当に色々と世話になってしまった。
 ここでの生活に慣れたのもそうだし、困った時や落ち込んだ時、励ましてくれたアルジェンの支えがあってここまで来られた。
 ニコッと笑ったリカルドが手を差し出すと、アルジェンも笑って手を握ってくれた。

「それにしてもカタイなぁ」

「え?」

「公私は、なんて言わずに、少しはイチャイチャしてもいいんだせ」

「そ、そんなっ……恥ずかしいよ」

「で? 実際のところ、お二人はどこまで進んでいらっしゃる?」

 アルジェンが耳打ちして話しかけたので、その意味が分かったリカルドは、一気に火がついたように赤くなった。

「だっ、そ、ない、ないよ!」

「ない? まだってことか……。セイブリアン様の恋愛の話は聞かなかったし、二人とも奥手そうだからなぁ」

 慌てるリカルドを見て、アルジェンは楽しそうな顔をしていた。

「まぁ、こっちに戻ってきたし。お節介は必要ないだろう。そろそろ、関係が進むのも時間の問題ってやつかな」

「えっ……」

「頑張れよ。ほどほどにな」

 そう言ったアルジェンは、ニヤッと笑ってリカルドの背中を叩いた後、当番があるから先に行くぞと言って走って行ってしまった。

 リカルドは、ベイリーに戻る前に、セイブリアンに触れた夜を思い出した。
 あれはセイブリアンを癒したい一心で、持っていた知識を総動員して頑張ってみたものだ。
 結果、セイブリアンは翌朝、起きて、ベッドから落ちるくらい慌てていたが、その後二人でキスをして、少しだけ甘い朝を過ごすことができた。
 しかし、そこから怒涛の忙しさで、ベイリーに帰還するまで、一緒に夜を過ごすことはできなかった。
 今日も、城に戻ってから、すぐに報告会議の連続で、大変そうなセイブリアンだが、夜は部屋に来てくれと言われていた。

「き、きっと……そういうこと……だよな?」

 もっと触れたいと思っていたリカルドは嬉しかったが、同時に、緊張してきてしまい、ドクドクと揺れる胸を押さえながら、長い廊下でひとり、しばらく落ち着くのを待った。

 
 

 ※※※



 やっとまともな高さになった報告書の山を見て、セイブリアンは息を吐いた。

「急ぎの案件はこれで終わりです。後は、通常業務の中で、少しずつ手をつけていけばよろしいかと。私が優先順位をつけて、まとめておきます」

 ルーセントの頼りになる言葉を聞いて、セイブリアンは眉間を指で押さえた後、頼むと言って肩を動かした。
 皇都にいる時から、書類仕事ばかりで、ほとんど剣を触っていない。
 体が重くなり、鈍っているのを感じる。
 ベイリーに戻ったので、そろそろ朝の訓練を再開するかと考えていた。

「戻って早々、お前も疲れただろう。まとめるのはいいから、早く休め」

「ありがとうございます。セイブリアン様は、これからリカルドのところへ行かれるのですか?」

「ああ……まぁ、そうだな」

 長い付き合いのルーセントから、何か言いたげな視線を感じた。
 執務室の革張りの椅子に深く腰掛けたセイブリアンは、気まずい空気に軽く咳払いをした。

「……節度は守るつもりだ」

 規則や規律に厳しいルーセントは、部下と私的な関係になることに対して、リカルドとの付き合いをあまりよく思っていないだろうと思っていた。
 案の定、ルーセントは腕を組んでため息をついたので、また何か言われるなと、セイブリアンは心の中で身構えた。

「私もセイブリアン様と同感です」

「え?」

「リカルドのことですよ。シアによく似ているなと思っていました。特に、食事をしている時、もぐもぐと左右に頬を膨らますところとか」

「そ……そうだろう! やはり! ルーセントもそう思っていたんだな」

 ユリウスやリリーローズは理解できないという顔をしていたが、幼馴染のルーセントは同じことを思っていたようだ。
 ルーセントも一時期、シアの面倒を見ていたので、同じ気持ちに至ったのかもしれない。

「そういう意味では、私もリカルドに少し甘くしているところがありますし、あまりうるさくいうつもりはありません」

「ルーセント……」

「以前はまるで、人生の終わりを見つめているような時がありましたが、リカルドに出会ってからは、活き活きとして、輝いているように見えます。生きる希望を与えてくれた人を、大切にしてあげてください」

 みんなの前ではほどほどにしてくださいねと付け加えて、ルーセントは穏やかに笑った。
 学友として皇子達の前に連れてこられたルーセントは、あまり目立ってはいなかった。
 積極的に絡んでくるようなことはなく、付かず離れずという存在だった。
 他人に対して恐怖を感じていた、子供の頃のセイブリアンにとって、彼の存在は助けになった。
 それは今も、そしてこれからも……

「リカルドは動物区域にいると思いますよ。久々に世話ができると言って喜んでいましたから」

「ああ、すまない。先に上がる」

「ええ、後はお任せを」

 残ってまだ仕事をするというルーセントに、疲れたら休めと言い残して、セイブリアンは執務室を後にした。
 予定していた時間より、早く終わったので、今から会いに行ったらリカルドはどんな顔をするだろう。
 想像すると顔が綻んでしまい、ポカポカする胸に手を当てて、セイブリアンは飼育区域に向かった。
 


 
※※※


 

「うぅ、わぁぁ、くすぐった……はははっ、くすぐったいってばー」

 会えなくなって半年。
 何年も担当していたわけじゃない。
 時間の流れが違う彼らには、もしかしたら忘れられているかもしれない。
 そう思っていたが、そんな心配は杞憂だったとばかりに、飼育区域に入ったリカルドは、木の上から顔に飛び乗ってきたウメとシマに、熱烈な歓迎を受けた。
 
 体を擦り付けて、撫でろと催促してくる猫達のフワフワな毛並みに、ひとしきり癒されていたら、ウメとシマはピョンと木の上に戻ってしまった。
 匂いを勘付いたらしい、ケル、ベル、ロスがドカドカ地面を揺らしながら走ってきて、三匹に身体中ベロベロと舐められて頭を擦り付けられて、ゴロゴロと地面を転がされた。
 こちらもなかなかの熱烈歓迎に、気を失いそうになっていたら、次は鳥達が頭の上に乗って、再会の歌を一斉に歌い出した。
 これで耳もやられたなと思ったリカルドは、どうにでもしてくれーと地面で大の字になった。
 動物達が入れ替わり立ち替わり来てくれるのは嬉しいが、揉みくちゃにされて、くすぐったいと笑いすぎてお腹が痛くなっていたところに、近づいて来る足音がした。
 いつの間にか移動したらしい、ウメとシマを抱っこしながら、歩いてきたのはセイブリアンだった。

「あれ? お仕事は!?」

「予定より早めに切り上げた。急ぎは終わらせたから問題はない。早くリカルドに会いたかった」

「セイブリアン様」

 真っ直ぐ近づいてきたセイブリアンの熱い視線を受けて、リカルドは頬に熱を感じた。
 
「さて、みんな。リカルドを可愛がりたいのだが、譲ってもらえるか?」

 セイブリアンが動物達に声をかけると、みんな意味が分かったように、またねという顔でそれぞれの家に戻って行った。

「……いつも思うんですけど、セイブリアン様の言葉は、動物達に通じているんじゃないですか?」

「まさか、いくらソードマスターでも、そんなスキルはない。俺の声は響くから、うるさいと思って帰って行ったんだろう」

 嫌そうな感じではなかったけどなと考えていると、セイブリアンに手を掴まれて、やっと起こしてもらえた。

「あの……、俺、ベタベタでひどい状態で……」

「分かっている。俺も汗をかいたし、体を洗おう」

「はい」

 葉っぱや羽や土がついているリカルドは、城内の廊下を汚してしまうので、近くの洗い場に行って体を清めることにした。
 セイブリアンは自室の洗い場を使うので、後で部屋で来てくれと言われて、いったん別れることになった。
 自分の体を洗いながら、リカルドは胸の高鳴りが止まらなくなって、緊張してしまった。
 この展開はもう、アレじゃなくてもアレだろう。
 男同士の行為については、簡単な知識しかない。
 痛くても、セイブリアンのためなら我慢できると思うので、ここは一つ覚悟を決めるしかないと思いながら、体を綺麗にしたリカルドは、セイブリアンの部屋に向かった。

 
 
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