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第三章

20、キスの後は

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 快晴の空の下、町の人々の拍手に見送られて、領主と特別部隊一行は首都に向けて出発した。
 長い隊列の後には、ベイリーの貴族達の馬車、その後ろには荷馬車が続いた。
 急いで馬を走らせれば三日の距離だが、馬車を使った大移動なので、到着までは一週間を予定していた。
 リカルドは荷物の管理を任されていたので、後方の荷馬車の荷台に乗っていた。
 セイブリアンやルーファス、アルジェンは馬に乗って先頭を進んでいるはずだ。
 一人離れたところにいるので、残念に思う気持ちもあるが、今はこれでよかったとも思っている。
 なぜなら、セイブリアンの側にいると、動悸が止まらなくて顔が赤くなり、動きがおかしくなってしまう。
 出発前に、お茶を運ぶだけで落としてしまいそうになった。
 ダメだと思っても、意識し過ぎてしまう。
 それは出発前夜、セイブリアンとキスをしてしまったからだ。
 今思い出しても、不意のキスから、どうしてあんな空気になってしまったのか分からない。
 リカルドとしては夢のような時間だった。
 あの後、夢に浸って長い時間、口付けていたような気がする。
 朝日が差してきたら、魔法が解けたみたいに、離れないといけないと気がついた。
 セイブリアンの膝から降りたリカルドは、準備があるのでと言って慌てて部屋に戻った。
 セイブリアンがどんな顔をしていたのか、まともに見ることができなかった。
 気まぐれや戯れであんなことをされる人ではない。
 おそらく、多少いいと思ってくれているとは思うが、それが特別な感情、恋愛としての気持ちまで、寄せてくれているのか分からない。
 セイブリアンから何か言おうとする空気を感じたが、ハッキリとした答えを聞かないまま、リカルドは走ってその場を離れてしまった。
 それからセイブリアンの近くにいても、顔を下に向けたまま、目を合わさず、ひたすら体を動かして気を散らしていた。
 セイブリアンも忙しい身の上なので、お互い動き回っていて、ちゃんと話せないまま、ここまで来てしまった。
 時々物言いたげな視線を感じたが、気付かないフリをしていた。

「……だってさ。悪かったって……謝られたらどうしたらいいんだよ。なかったことにしようって言われたら……」

 もちろんそう言われたら、分かりましたと言って頭を下げるつもりだ。
 だけど顔を上げた時、上手く笑えるか分からない。
 変な冗談はもう、やめてくださいと言って平気な顔をするのも……。
 今までリカルドは、自分に嘘をついてごまかして、ヘラヘラ笑ってやり過ごすことが多かった。
 そんな生き方はもうしたくないと思うのに、また一つ、偽りの気持ちを上から塗り込もうとしている。
 本当にそれでいいのだろうか……

「もし、好きだって言ったら……」

 セイブリアンの顔が曇ってしまうところを想像して、リカルドは床に頭をぶつけそうなくらい項垂れた。
 どうしたらいいのか途方に暮れていたら、ガヤガヤと周囲が騒がしくなって、遠くに大きな壁に囲まれた町が見えた。
 軍隊だけではなく、貴族を連れた旅で野宿は御法度だ。
 きちんと、宿で休めるように日程を組んである。
 どうやら、今日泊まる町に到着したようだと、すっかり一人で考え過ぎて頭が重くなったリカルドは、深く息をはいた。

 

※※※

 
 砂埃が入らないように、口元を覆っていた布を外して、セイブリアンは深く息を吸った。
 宿の窓から外を見ると、部下達がそれぞれ荷物を持って歩いて行く姿が見えたので、一息ついて近くのソファーに腰を下ろして身を沈めた。

「失礼します、部屋の割り当ては完了しました。これから明朝の出発時刻を連絡して回ります。食事はこちらにお持ちしますので、早めにお休みください」

 忙しいと活き活きする人間もいる。
 到着して早々、ルーファスは報告ですと言って、セイブリアンの部屋に顔を出した。
 ルーファスは前回の遠征に来なかったので、久々にベイリーを離れることを、心待ちにしていたようだ。

「ここまでの道中、不審な点はなかったか?」

「ええ、問題はありません。我々に直接攻撃を仕掛けて来る、無謀な者はいないと思いますが、警戒は必要ですね。まさか、ここにきて皇太子殿下が襲われるとは……護衛は何をやっていたのか……」

「その件は他言するな。何事もなく、平常通りの姿を見せなければいけない。そこにつけ込んでくるヤツもいる」

「ええ、もちろんです。では、やはり、お怪我をされたというのは……」

 セイブリアンが厳しい目をして頷くと、ルーファスは息を吸い込んで口を強く結んだ。
 即位式を前に、反対派閥の動きが活発になり、本格的な妨害が始まった。
 厳重な警備の目を潜って、皇太子が襲われたのはひと月ほど前のこと。
 セイブリアンと同じく、ソードマスターである皇太子は、剣の達人であるが、刺客は皇太子妃を狙ってきた。
 護衛の騎士とともに、敵を倒していた皇太子だったが、運悪くそこを通りかかった妃が狙われたために、自分の身を挺して庇うしかなかった。
 命に別状はないと連絡があったが、利き腕を負傷したため、剣が使えない状態のようだ。
 極秘扱いで連絡が来たため、セイブリアンは先に戦闘に慣れた自分の部下を、護衛として兄の元へ送っていた。
 今襲われたら大変なことになるのは目に見えていたが、回復を待って即位式を延期するわけにいかない。
 皇太子の権限と、皇帝としての権限は大きく違うからだ。
 何としてでも、早く皇帝となり、反対派閥である有力貴族達の力を抑えなければいけなかった。

「可能性のあるご兄弟は?」

「……表向き大人しくしていても、みんな皇位を狙っている。俺以外、全員と言っていいだろう。だから兄は何かあった時は頼むと俺に手紙を送ってきた。こちらに動かれたら困ると、他の兄弟から妨害がくる可能性はある。とにかく、周囲の様子に目を光らせろ」

「かしこまりました」

 ルーファスが頭を下げて部屋を出て行くのを見届けると、部屋の中に別の気配を感じた。
 また報告かと、休む暇がないなと思いながら、セイブリアンは体の向きを変えた。
 本棚の影がスッと動いたので、セイブリアンはご苦労と声をかけた。
 わずかに開いた窓から風が吹いてきて、セイブリアンの髪を揺らした。

「例の大火事の件は分かったか?」

「はい、調査結果を確認したところ、多くの資料が消えていました。おそらく、指示があって処分したのでしょう。内部に入り込んで、元の資料を手に入れました。それによると、火事を最初に見たという証言者が判明しました」

「巡回中の騎士だったな、どんなヤツだ?」

「第二騎士団に所属していたオルヴという男です。資料によると、本来は二名で巡回するはずが、その日は欠員が出て、一人で巡回に出たと。酒場の厨房から火が出ているところを発見したが、規則通り報告が必要だと判断して、その場を離れたそうです」

「規則、か……。待て、第二騎士団といえば、リカルドの所属だったな」

「第二騎士団の団長はミケーレ•ワインズ、オルヴは彼の直属の部下だったそうです」

「今はどうしている?」

「火事の三ヶ月後に亡くなりました。酔って川に落ちて溺死だそうです」

「なんだって?」

 時期的に、証拠を隠滅するような意図を感じてしまい、セイブリアンは体を起こして片眉を上げた。
 例えば、火事の原因に彼が関わっていて、証言をさせた後、生きていたら不都合だから処分した。
 そう考えると、真相がぐっと近くなったように感じた。
 火の不始末、それだけなら証言者を殺すはずがない。
 これは放火だった。
 仕組まれて起こされた火事だったとしたら……

「明け方、誰もが寝静まっている時間、酒場に油を撒いて火をつけたヤツがいる」

 ここまで考えてセイブリアンは顎に手を当てた。
 リカルドの両親は長年町で酒場を営む、働き者で善良な夫婦だった。
 店ごと焼き殺されるほどの恨みを買っていたとは思えない。

「火事自体が証拠隠滅だった、例えば衝動的に犯してしまった罪の証拠を消し去るには、全部燃やしてしまうのが手っ取り早い。……殺したい相手は別にいたんじゃないか?」

 激しく燃えていた酒場の周辺、本当はそこに住んでいた人間が標的だったのではないかと、セイブリアンは考えた。

「そうか、殺人だ。火事の前に殺人が起きた。衝動的な犯行だから、被害者と一緒のところを複数に見られたとか、もうごまかせない状況だった。その証拠を消して、自分との繋がりを隠すために、ただの火の不始末で起きた火事だとした。調理場に油があるのは当たり前だから、酒場はその証拠隠滅に利用されたんだ」

「調査の方ですが、なかなか進まず、一次調査で酒場が原因とされたまま、オルヴの死で中途半端なところで終わっています」

「オルヴの上司であるミケーレが怪しいな。ワインズ家は有力な貴族だ。部下が死んだためと理由をつけて、圧力をかけて調査をやめさせる。自分にとって不都合だからと考えられるな。ミケーレについては?」

「結婚して二十年になる妻と、今年十六になる娘が一人。妻の実家は代々政治家の家系で、王の側近として名前の知られた家で、かなりの影響力があります。それを利用して、今の地位を手に入れたと言ってもいいかと。ただ、交遊関係は派手で、女好きとの噂もあります」

 それを聞いたセイブリアンは、強く手を握った。
 ぼんやりとしていたが、やっと真実の輪郭が見えてきた気がした。

「ミケーレの女関係を洗うんだ。噂程度でなく、実際にどうだったか、酒場近くの住人についても調べろ」

「現地に仲間を残しておりますので、すぐに回答が得られるかと……、分かり次第、ご報告します」

 そう言って影は、窓からスッと消えていった。
 思っていたよりもひどい結果になりそうだと、セイブリアンは頭を抱えた。
 予想が正しければ、リカルドはもっと辛い思いをすることになる。
 どうやって伝えたら、リカルドが傷付かずにすむかと考えたが、こればかりは難しい。
 両親の死に、ミケーレが関わっていたとなれば、長年仇となる男に従ってきたことになる。
 リカルドは相手を恨み、同時に自分を責めて、壊れてしまうのではないかと思った。
 真実が分かった時、伝えずにいる方が、リカルドのためになるのか、自分だったらどうしてほしいか、セイブリアンは頭を悩ませた。

 そこにトントンとノックの音がして、顔を上げると、ドアの隙間に見慣れた黒い髪が見えた。

「お食事をお持ちしました」

「あ……ああ、入ってくれ」

 今考えていたリカルドが実際に現れたので、頭の中から出てきてしまったのではないかと、驚いてしまった。
 可愛がりたい気持ちが膨らみ過ぎて、昨夜はリカルドに口付けをしてしまった。
 もちろん、戯れにそんなことをしたわけではない。
 偶然触れてしまった唇が、熱くなって疼き出し、リカルドを求めてしまった。
 最初は思い出と重ね合わせてしまったが、それはキッカケにすぎない。
 一生懸命に剣を覚えて、一つ課題を乗り越える度に、嬉しそうに笑うリカルドに惹かれていた。
 もっと側で、この笑顔を独占したい。
 ポタポタとインクが落ちるように、胸の中がリカルドの色で染まっていった。
 騎士達に可愛がってもらったと聞けば、嫉妬して、懐の広いところを見せようとした。
 物欲のないリカルドには効果がなかったが、再び剣を合わせたことで、深い繋がりができた気がした。
 朝だって、困りながらも、一生懸命に起こしてくれる姿を見たくて、寝たふりをしたこともあった。
 触れたい。
 体の隅々まで、自分のものだと想いを刻みつけたい。
 そんな風に思うなんて最低だと、心の中で、上司としての自分が警告してきた。
 だから胸の内に留めて、態度に出さないように気を付けていたが、最近はそうとも言えなかった。
 ルーファスに、特別扱いをし過ぎですとチクリと言われるほど、可愛がっていた。
 
 あの時も、わずかに触れた唇から、リカルドの心臓の音が伝わってきた気がして、一気に火がついてしまった。
 この気持ちが何なのか、とっくに分かっている。
 伝えてもいいのか、どう伝えたらいいのか、拒絶されたらどうすればいいのか。
 そんなことばかり、仕事中も頭の中を回っていた。
 

 カチャカチャと食器の音だけが部屋に響いている。
 リカルドはドアの横に立って、下を向いていた。
 キスをしてから、気持ちを話す前にリカルドは走って行ってしまった。
 それから、何度か話そうとしたが、リカルドは視線を合わせることなく、仕事を終わらせたら、いつも足早に去って行ってしまう。
 避けられているのは明らかだった。

「お食事を終えられたようなので、下げます。私はこれで……」

「リカルド!」

 やはり今回もリカルドは、食べ終えた食器をサッとワゴンの上に載せて、部屋を出て行こうとしたので、セイブリアンは急いで呼び止めた。

「……少し、話さないか? 昨夜のことだ」

「……はい」

 リカルドも声をかけられることを予想していたのか、驚いた様子はなく、静かに振り返ってセイブリアンが用意した椅子に座った。
 セイブリアンはベッドに腰を下ろして、お互いやっと向き合って話ができる体勢になった。

「あの――」
「それで――」

 二人して同時に声を出してしまい、バッチリと目が合った。

「す、すみません、お先にどうぞ」

「あ、ああ、そうだな……」

 話そうと思っていたことが、飛び散ってしまったので、頭の中で必死に拾い集めた後、セイブリアンは、ゴクッと唾を飲んでから口を開いた。

「昨夜のことだが、い……嫌では、なかった、か?」

「え……」

「あぁ、俺の立場でこんなことを言ったら、ハイとは言えないよな……。威圧的になっていたら、申し訳ない。素直に答えてくれていいんだ。もし、強引にしてしまったら……悪いと思っている」

「そんな……、私はいいですと言いました。セイブリアン様が、ちょっと興味があっただけだったとしても……」

「待て、ちょっと興味があったとはなんだ?」

「その……キスの訓練……みたいな感じかと……」

「そんなっ、そんな訓練はしない! まさか……そんな誤解をしていたのか……だから、避けて……」

 ハッキリ言わずに進めてしまったことで、リカルドは全然違う方向を見ていたと分かった。
 リカルドの突っ走るクセが、剣術に表れていたのを思い出した。
 これは、ちゃんと言わないと、余計に絡まってしまうと気がついたセイブリアンは、ベッドから降りてリカルドの前にしゃがみ込んだ。
 
「え……」

 リカルドの手を取って、甲に口付けると、リカルドはポカンと口を開けて、驚いた顔になった。
 慎重に、傷つけないように、自分の想いを伝える。
 セイブリアンはリカルドの顔を見上げて、決意を込めてから口を開いた。

「好きだ」

 リカルドの目が大きく開かれた。
 黒い瞳が揺れているのは、困惑なのかそれとも……
 どうか少しでも希望があってほしい。
 そう思いながら、セイブリアンは言葉を続けた。
 


 ※※※
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