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14 夜勤
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夜の帳が下りると、町は昼の顔から夜の顔へと変わる。
店には煌々と明かりが灯り、夜の闇に負けない艶やかな装いの女達が通りに姿を現す。
男達は光に吸い寄せられる虫のように店に入っていく。
どこからともなく聞こえてくるのは、笑い声や泣き声、言い争う声に音楽に合わせて歌う声。
様々な感情が入り乱れる町は、人々の熱気で湿った空気が辺りを包んでいた。
「ついてねーな。今日の夜番に当たるなんて」
「そう言ったって、俺達はただの番犬だ。黙って付いていくしかないんだからよ。まぁ、確かについてないのは同感だ」
同僚の皇宮騎士が二人、地味な平民服で壁にもたれながら愚痴を言っているのをオルキヌスは近くで聞いていた。
今夜は外へ行くぞとファルコンから指示があり、専属の騎士達はそれぞれ軽装に着替えて集合した。
誰もが無言だった。
ファルコンが夜外へ行くと言うのは、遊びに行くということだ。
それに付き合わされることが分かっているので、全員憂鬱な気持ちになってしまう。
誰にでも心を配ることができる皇太子として、民からは絶大な信頼があるが、よくできた皇太子にも裏の顔がある。
オルキヌスと彼が知り合ったのは、他国で行われた剣術大会だったが、声をかけられてすぐに連れて行かれたのが花街だった。
無類の女好きで、とくに美人に弱い。
お気に入りの女を見つけたら、連日通ってしまうくらいの女好きだった。
自国に戻ってからは、身分を隠して歓楽街に出入りしている。
行きつけのバルには、昔からのお気に入りがいるらしく、最初はしばらく飲んでから、深い時間になるとそのまま連れ込み宿に入る。
そんな時の夜番は、三人体制で建物の表と裏、部屋の前で警護するという勤務だった。
様々な人間を見てきたオルキヌスにとって、ファルコンは簡単に取り入ることができる相手だった。
もちろん、誰よりも強く目立たないといけないので、それは誰でもできることではない。
しかし、そこさえ超えてしまえば、後は簡単に内側に入り込めた。
女神の加護を恐れて、皇太子を狙う者は多い。
常に暗殺の危険があるので、とにかく腕の立つ者を欲していると考えていた。
友好国出身の公爵家の令息、過去に皇帝に助けられた家で恩義を感じている。
ここまで条件を揃えたら、ファルコンはあっさりと気を許してくれた。
もちろん、調べられることも考慮してエルミネア家に話は通してあるので、問題はない。
オルキヌスの狙いはファルコンではない。
この帝国の英雄制度そのものの謎を解明する必要があった。
「殿下が出てきたら宿へ移動するだろう。俺は裏に行きたい」
「何だよ。じゃあ、俺は表だ。部屋の前は……」
「俺がやろう」
二人の視線を感じたオルキヌスは、そう言って腕を組んで壁にもたれた。
二人の騎士は助かるよと言って気まずそうに笑った。
本来なら厳しい訓練や試験を抜けて選ばれるのが皇宮騎士だ。
帝国の騎士の中でも選りすぐりが集められている。
オルキヌスはファルコンから直接専属の護衛として、皇宮騎士に登用された。
もちろん実力を示すために、現職の皇宮騎士全員と剣を交えたが、オルキヌスは全員倒したので、文句なしで入団が決まった。
オルキヌスから言わせれば、彼らの鍛え方はまだまだ足りない。
ほとんどの者達が剣の実力で劣るというのに、帝国は戦いになると見事に勝利を収めていた。
戦略というより、女神の加護、それがあることにより、良き風は全て帝国に吹いてしまうのだ。
どうにかして英雄様や女神の加護の秘密を探り、帝国の弱点を掴むこと、それがオルキヌスの狙いだった。
先日、ルキオラの付き添いで皇宮図書館に入ることに成功した。
たくさんある蔵書を全部読むことはできなかったが、帝国史の記録に絞って調べ尽くした。
気になったのは、歴代の英雄様達は皆短命だということだ。
皇帝の側で手厚く保護されて余生を送るとされているのに、ざっと見た限り多くが二十代、三十代でこの世を去っていた。
そして、あれだけ騒がれた人物であるのに、国葬ではなく密葬という形でひっそりと葬儀が行われていた。
しかしそれは皇帝も同じで、この国の考え方では、葬儀を公にすることを嫌うように、だだ地面の下に棺を入れるだけの簡単なものなるようだ。
生きている人間だけが重要で、死んでしまえば土と同じ。
一般人に尊顔を見せることはできないと理由は書かれていたが、そんな印象を受けた。
まだまだ情報が足りない。
他にもっと古い記録を持っていそうな所を調べる必要があった。
潜入が成功して、ファルコンに近づき専属護衛の位置まで来た。
しかしオルキヌスは最近、別のことに気を取られてしまい頭を悩ませていた。
ガタンとドアが空いて、ファルコンが姿を現した。両端には美しい女性がいて、二人と腕を掴んで三人で仲良く歩いていた。
ファルコンは時々、女に耳を寄せて何か囁いた。やだぁと言って女が笑っている様子から酔っているのはすぐに分かった。
予想通り、馬車には戻らずに宿の中に入って行った。
二人の騎士達は慣れたもので無言で配置についた。
オルキヌスも静かに宿に入った。
主人が近寄ってきたら、騎士であることを示す胸章を取り出して見せた。
常連であるファルコンが高貴な人物であることは主人も了承済みだ。
そしてこれもいつも通り、口止めの金が入った袋を渡した。
二階の奥だと言われたので、黙って階段を上った。
歓楽街の連れ込み宿など、やることは決まっている。
どの部屋からもガタガタと揺れる音や、艶かしい声が聞こえてきた。
その中をオルキヌスは目を伏せて歩いた。
たどり着いたのは二階の奥、特別室と呼ばれる金払いのいい客だけが使用できる大きな部屋だ。
ピッタリと閉じられた扉の前に立って、オルキヌスはため息をついた。
部屋の中からは、女性達の笑い声が聞こえてきたが、それが甘く喘ぐ声に変わるまでは時間がかからなかった。
(殿下が来て欲しいと言ってくれるなら側にいたい)
(辛い気持ちの捌け口になれたらいい)
頭の中にルキオラの声が響いてきた。
女達の嬌声が聞こえるたびに、オルキヌスは強く手を握り込んで怒りに震えた。
このことをルキオラに言ったとしても、彼の気持ちは変わらないだろう。
バルに入り浸っていることを、それとなく伝えたが、それでもいいと一蹴されてしまった。
モテる人だから、辛い立場だから。
そう考えて胸にしまって、悲しく笑う姿が想像できて、頭が痛くなった。
なぜこんなにルキオラが気になるのか。
そもそも英雄様になど、興味を持ってはいけなかった。
自分の目的のために利用しよう。
必要とあれば、英雄様を殺してでも目的を達成しなくてはいけない。
そう思っていたのに、ファルコンを想う純粋な瞳を見たら、どうしてそれが自分に向けられないのだろうかという、気持ちになってしまった。
今、オルキヌスの中にあるのは、悔しいという思いだけだ。
どうしてこんなに悔しい気持ちになるのか、今すぐこの扉をブチ破って、ふざけるなこの野郎と殴ってやりたくてたまらなかった。
あんなに、あんなにひたむきな想いを寄せてくれる人がいるのに、それを利用して、突き放すこともせずに甘く飼い殺して好き放題。
「………」
無言で扉を睨みつけることしかできない自分にも、腹が立って仕方がなかった。
「後悔するぞ……いつか、きっと……」
女の声が一際大きく聞こえて、オルキヌスが小さく呟いた声はかき消された。
彼に言ったつもりだったが、その言葉はじわじわと自分の胸に返ってきた。
「……俺が奪ってやる」
オルキヌスは扉に背を向けて目を閉じた。
朝までそのまま動くことはなかった。
□□□
店には煌々と明かりが灯り、夜の闇に負けない艶やかな装いの女達が通りに姿を現す。
男達は光に吸い寄せられる虫のように店に入っていく。
どこからともなく聞こえてくるのは、笑い声や泣き声、言い争う声に音楽に合わせて歌う声。
様々な感情が入り乱れる町は、人々の熱気で湿った空気が辺りを包んでいた。
「ついてねーな。今日の夜番に当たるなんて」
「そう言ったって、俺達はただの番犬だ。黙って付いていくしかないんだからよ。まぁ、確かについてないのは同感だ」
同僚の皇宮騎士が二人、地味な平民服で壁にもたれながら愚痴を言っているのをオルキヌスは近くで聞いていた。
今夜は外へ行くぞとファルコンから指示があり、専属の騎士達はそれぞれ軽装に着替えて集合した。
誰もが無言だった。
ファルコンが夜外へ行くと言うのは、遊びに行くということだ。
それに付き合わされることが分かっているので、全員憂鬱な気持ちになってしまう。
誰にでも心を配ることができる皇太子として、民からは絶大な信頼があるが、よくできた皇太子にも裏の顔がある。
オルキヌスと彼が知り合ったのは、他国で行われた剣術大会だったが、声をかけられてすぐに連れて行かれたのが花街だった。
無類の女好きで、とくに美人に弱い。
お気に入りの女を見つけたら、連日通ってしまうくらいの女好きだった。
自国に戻ってからは、身分を隠して歓楽街に出入りしている。
行きつけのバルには、昔からのお気に入りがいるらしく、最初はしばらく飲んでから、深い時間になるとそのまま連れ込み宿に入る。
そんな時の夜番は、三人体制で建物の表と裏、部屋の前で警護するという勤務だった。
様々な人間を見てきたオルキヌスにとって、ファルコンは簡単に取り入ることができる相手だった。
もちろん、誰よりも強く目立たないといけないので、それは誰でもできることではない。
しかし、そこさえ超えてしまえば、後は簡単に内側に入り込めた。
女神の加護を恐れて、皇太子を狙う者は多い。
常に暗殺の危険があるので、とにかく腕の立つ者を欲していると考えていた。
友好国出身の公爵家の令息、過去に皇帝に助けられた家で恩義を感じている。
ここまで条件を揃えたら、ファルコンはあっさりと気を許してくれた。
もちろん、調べられることも考慮してエルミネア家に話は通してあるので、問題はない。
オルキヌスの狙いはファルコンではない。
この帝国の英雄制度そのものの謎を解明する必要があった。
「殿下が出てきたら宿へ移動するだろう。俺は裏に行きたい」
「何だよ。じゃあ、俺は表だ。部屋の前は……」
「俺がやろう」
二人の視線を感じたオルキヌスは、そう言って腕を組んで壁にもたれた。
二人の騎士は助かるよと言って気まずそうに笑った。
本来なら厳しい訓練や試験を抜けて選ばれるのが皇宮騎士だ。
帝国の騎士の中でも選りすぐりが集められている。
オルキヌスはファルコンから直接専属の護衛として、皇宮騎士に登用された。
もちろん実力を示すために、現職の皇宮騎士全員と剣を交えたが、オルキヌスは全員倒したので、文句なしで入団が決まった。
オルキヌスから言わせれば、彼らの鍛え方はまだまだ足りない。
ほとんどの者達が剣の実力で劣るというのに、帝国は戦いになると見事に勝利を収めていた。
戦略というより、女神の加護、それがあることにより、良き風は全て帝国に吹いてしまうのだ。
どうにかして英雄様や女神の加護の秘密を探り、帝国の弱点を掴むこと、それがオルキヌスの狙いだった。
先日、ルキオラの付き添いで皇宮図書館に入ることに成功した。
たくさんある蔵書を全部読むことはできなかったが、帝国史の記録に絞って調べ尽くした。
気になったのは、歴代の英雄様達は皆短命だということだ。
皇帝の側で手厚く保護されて余生を送るとされているのに、ざっと見た限り多くが二十代、三十代でこの世を去っていた。
そして、あれだけ騒がれた人物であるのに、国葬ではなく密葬という形でひっそりと葬儀が行われていた。
しかしそれは皇帝も同じで、この国の考え方では、葬儀を公にすることを嫌うように、だだ地面の下に棺を入れるだけの簡単なものなるようだ。
生きている人間だけが重要で、死んでしまえば土と同じ。
一般人に尊顔を見せることはできないと理由は書かれていたが、そんな印象を受けた。
まだまだ情報が足りない。
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潜入が成功して、ファルコンに近づき専属護衛の位置まで来た。
しかしオルキヌスは最近、別のことに気を取られてしまい頭を悩ませていた。
ガタンとドアが空いて、ファルコンが姿を現した。両端には美しい女性がいて、二人と腕を掴んで三人で仲良く歩いていた。
ファルコンは時々、女に耳を寄せて何か囁いた。やだぁと言って女が笑っている様子から酔っているのはすぐに分かった。
予想通り、馬車には戻らずに宿の中に入って行った。
二人の騎士達は慣れたもので無言で配置についた。
オルキヌスも静かに宿に入った。
主人が近寄ってきたら、騎士であることを示す胸章を取り出して見せた。
常連であるファルコンが高貴な人物であることは主人も了承済みだ。
そしてこれもいつも通り、口止めの金が入った袋を渡した。
二階の奥だと言われたので、黙って階段を上った。
歓楽街の連れ込み宿など、やることは決まっている。
どの部屋からもガタガタと揺れる音や、艶かしい声が聞こえてきた。
その中をオルキヌスは目を伏せて歩いた。
たどり着いたのは二階の奥、特別室と呼ばれる金払いのいい客だけが使用できる大きな部屋だ。
ピッタリと閉じられた扉の前に立って、オルキヌスはため息をついた。
部屋の中からは、女性達の笑い声が聞こえてきたが、それが甘く喘ぐ声に変わるまでは時間がかからなかった。
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頭の中にルキオラの声が響いてきた。
女達の嬌声が聞こえるたびに、オルキヌスは強く手を握り込んで怒りに震えた。
このことをルキオラに言ったとしても、彼の気持ちは変わらないだろう。
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そう思っていたのに、ファルコンを想う純粋な瞳を見たら、どうしてそれが自分に向けられないのだろうかという、気持ちになってしまった。
今、オルキヌスの中にあるのは、悔しいという思いだけだ。
どうしてこんなに悔しい気持ちになるのか、今すぐこの扉をブチ破って、ふざけるなこの野郎と殴ってやりたくてたまらなかった。
あんなに、あんなにひたむきな想いを寄せてくれる人がいるのに、それを利用して、突き放すこともせずに甘く飼い殺して好き放題。
「………」
無言で扉を睨みつけることしかできない自分にも、腹が立って仕方がなかった。
「後悔するぞ……いつか、きっと……」
女の声が一際大きく聞こえて、オルキヌスが小さく呟いた声はかき消された。
彼に言ったつもりだったが、その言葉はじわじわと自分の胸に返ってきた。
「……俺が奪ってやる」
オルキヌスは扉に背を向けて目を閉じた。
朝までそのまま動くことはなかった。
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