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最終章 儚き薔薇は……
10、エンドの先へ
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静かだ。
何一つ音が聞こえない。
ゆっくり目を開けると、空が見えた。
俺の周りを草が取り囲んでいて、体を起こすと、どこまでも果てしなく続く草原の真ん中にいた。
頭の中にモヤがかかったみたいで、何も考えられない。
自分はどこから来たのか。
自分は何者なのか。
自分は今、何をしていたのか……。
健よ
また会えたな
ああ、これは夢だと、空から声が聞こえてきた瞬間に理解した。
薄雲の間から青い空が見えたら、全てのことをはっきりと思い出した。
そしてこの声の主も、姿は見えずともすぐそばにいるような気配がした。
「ゾウの神様、このお話ってバッドエンドの方が壮大すぎませんか? もしかして、このルートがメインだったりしませんか?」
……これはバッドエンドではなく、トゥルーエンドにつながるルートだ
冒険と危険に満ちたハラハラルートだな
これを選ぶとは、なかなか面白い子だ
そんな恐ろしいルートを選んだつもりはないのだが、のんきに話していていいのか心配になってしまった。
儀式はどうなったのか、そっちが気になってキョロキョロと辺りを見回したが、平和な草原しか見えなかった。
そう、急ぐてない。
お前と会うのはおそらくこれが最後だ
「え……それは、どういう……」
お前はもう、道を決めただろう
迷うことなく進んでいけるはずだ
お前はこの世界の光、望むなら世界を旅してみるといい
お前の光は、たくさんの人間に幸せをもたらすだろう
「神様……」
お前はもともとこの世界の光になるはずだった子だ
異世界に生まれてしまい、元に戻るには誰かに入らなければいけなかった
シリウスを選んだことは後悔していないか?
「全然、たくさんの優しい人と出会えて、愛する人の近くで大きくなって、本当に幸せでした。ありがとうございます」
それを聞けてよかった。健、これでお別れだ。良き人生を、良き仲間と愛する者とともに過ごせるよう、見守っているぞ
薄っすらと空に浮かんだ雲がゾウの形になって、まるで手を振るように、鼻が動いたように見えた。
急速に何かに引っ張られるような力を感じて、草原が遠くなっていった。
視界はぼんやりとして暗くなっていき、どうやら夢の終わりに来たのだと感じた。
シリウスよ
また会う時を楽しみにしている
その時は、とっておきの幸せを運んでいくから……
薄れていく意識の中で、ゾウの神様の声が聞こえた気がした、
空から伸びる一筋の光、それが大剣の剣先に当たって、七色の光が四方に飛び散った。
長い夢を見ていた気がする。
そして夢から覚めた俺が見たのは、剣を高らかと空に向かって突き上げているエルシオンの姿だった。
汗をかいて大きく胸を揺らしながら息を吐いているが、その目は興奮の色に染まっていて、目が合うと、エルシオンは歯を見せて豪快に笑った。
「シリウス! よく耐えてくれた。ようやく聖剣が我が手の中に! 王国を統べる者として認められたぞ」
途切れ途切れだった記憶が戻ってきた。
エルシオンが剣を抜き始めて、青い炎で周りが包まれたら、俺はエルシオンの背中に手を当てた。
その瞬間、体の中に聖力が流れ込んできて、苦しくなったが、動かずに耐え続けた。
エルシオンは徐々に力を増幅させていたが、自我を保ったままで、やがてメキメキと音が響いて地面にヒビが入った。
エルシオンが剣を抜くところまで見えたら、そこで俺は気を失った。
そして、気がついたら、剣は頭上高くにあったというわけだった。
「シリウス!」
アスランが大きな声を上げて俺の名前を呼んだ。
見ると、セインスとロティーナに両腕を掴まれて止められている様子だったが、もがいて剥がした後、一直線に俺のところまで飛んできた。
「よかった……本当によかった……」
俺を持ち上げたアスランは、めちゃくちゃな力で俺を抱きしめた。
足がつかなくてブラブラとしてしまった。
苦しいよと言いながらも、嬉しくて涙が込み上げてきてポロリと目から落ちた。
「心配かけてごめん。やっと終わったよ。帰ろう、一緒に……」
「うん、シリウス、ありがとう」
エルシオンの側にはセインスが駆け寄って、無事を確認してホッとした顔をしていた。
聖剣を手にしたことで、エルシオンが次期国王の座に着いた。長く病に臥せっている現国王が亡くなれば、王位が巡ってくるはずだ。
現国王は弱りきって政は側近に任せているらしいので、おそらく、すぐにでもエルシオンが中心となって国を変えていくのだと思われた。
ふと気になってブルシルの方を見ると、力なく地面に転がっていた。
目を開けたまま動かなくなっていて、どうやら絶命している様子だった。
「禁術を使うと、使用者は反動で内側から命が削られると言われている。あいつが王になったら間違いなく悪政になっていただろう。殺しても足りないと思っていたが、呆気ないものだな」
エルシオンは、感情のない目でブルシルを見た後にそう呟いた。
ひとつの時代が終わったのを表すように、冷たい風が吹き抜けていった。
各国へ伝書鳥が放たれて、聖剣の儀式において、エルシオンが選ばれたことが伝えられた。
王太子となったエルシオンは、今後は閉じていた外交を復活して、積極的に交易を行い、豊かな国を目指していくと宣言した。
怪我をしていたセインスは回復して、エルシオン直属の護衛騎士となった。
ロティーナは帝国へは戻らないことを決めた。
シュネイルに残り、近くセインスと結婚する予定らしい。
アスランはシュネイルの王族として復帰するように望まれたが、きっぱりと断って、帝国に戻ることになった。
アスランの母方の血縁者はみんな亡くなっていた。アスランの希望もあって、第六王子についての記録はエルシオンの母と共に死んだというままにされることになった。
というわけで、俺がバッドエンドだと思っていた、シュネイルへ連れて行かれるトゥルーエンドルートは、なんとか無事に最後まで辿り着くことができた。
ゲーム内での最後は、アスランが王になるというエンドだったのかは、今となっては分からない。
健だった頃の前世とは完全に離れて、俺はこの世界のシリウスとしてやっと認められたような気がした。
もうゾウの神様の夢を見ることはない。
アスランと歩く、ゲームのその後の世界。
それをこれから二人で作っていくんだ。
「さぁ、一気に戻るから、しっかり掴まっていてね」
「ああ、これがあったの忘れていた。またあれがくるのか……」
シュネイル王国内は体制が変わったことで、バタバタとしている。
そんな中、王都を見下ろす崖の上まで来た俺とアスランは、帝国へ戻ることになった。
なんでも高いところからの方が遠くへ移動できるらしく、山を登らされてヘトヘトになったところで例の魔法で移動することになった。
船だと時間がかかるので、一瞬で移動できるならその方がいいに決まっているのだが、あの酔いっぷりを想像したらすでに気持ち悪くなっていた。
「綺麗な国……、俺はここで生まれんだね」
「そうだな。水が豊かで自然も多くて、町も整備されている。これからシュネイルはもっと伸びるだろう。楽しみだ」
「時々、遊びに来てみようかな。ここの空気、少しだけ好き……。シリウスも一緒にね」
「ああ、それまでに移動魔法に慣れないと……」
アスランは俺の頭をくちゃくちゃと撫でた後、ニカっと笑った。
とにかく任せるしかないので、俺はアスランにぎゅっと抱きついた。
また体が溶けるよな、消えてしまうような感覚がして、ぎゅっと目をつぶった。
あの頭がグラグラとする吐き気が襲ってくるのを必死に耐えていたら、トントンと背中が叩かれた。
「アスラン、これから移動するのか? 魔法は? いつ準備に……」
「もういいよ」
「え………」
「シリウス!」
たくさんの声が重なるようになって、俺の名前を呼ばれた。
アスランの胸から顔を上げると、よく知った人物達が俺達の周りを囲んでいた。
リカード、ニールソン、カノア、イクシオ、兄のアルフォンス。
場所はブラッドフォード邸の応接室。
慣れ親しんだ光景にこれは夢を見ているのかと思ってしまった。
言葉が出ない俺に、みんなが次々と抱きついてきた。
イクシオはボロボロに泣いて涙を流していた。
ぼーっとして、現実じゃないみたいな感覚だったが、抱きしめられて頭を撫でられる度に、これは夢ではないのだとようやく理解することができた。
とんでもない大冒険から、生きて帰ってくることができた。
「みんな……ううぅ、……ただいま」
「おかえり」
帰ってきた。
突然連れ去られて、長い長い旅をしてきたみたいだったけど、ようやく生まれ育ったこの地に立てた。
声を上げて涙を流す俺を、最後にアスランが抱きしめてくれた。
「シリウス……」
執務室に続くドアが開けられて、懐かしいと感じるくらい久しぶりの声が聞こえてきた。
少し痩せたようにも見える、父のブラッドフォード伯爵だった。
いつもの厳しい表情ではなく、初めて見る、目を潤ませたなんとも言えない顔をしていた。
□□□
何一つ音が聞こえない。
ゆっくり目を開けると、空が見えた。
俺の周りを草が取り囲んでいて、体を起こすと、どこまでも果てしなく続く草原の真ん中にいた。
頭の中にモヤがかかったみたいで、何も考えられない。
自分はどこから来たのか。
自分は何者なのか。
自分は今、何をしていたのか……。
健よ
また会えたな
ああ、これは夢だと、空から声が聞こえてきた瞬間に理解した。
薄雲の間から青い空が見えたら、全てのことをはっきりと思い出した。
そしてこの声の主も、姿は見えずともすぐそばにいるような気配がした。
「ゾウの神様、このお話ってバッドエンドの方が壮大すぎませんか? もしかして、このルートがメインだったりしませんか?」
……これはバッドエンドではなく、トゥルーエンドにつながるルートだ
冒険と危険に満ちたハラハラルートだな
これを選ぶとは、なかなか面白い子だ
そんな恐ろしいルートを選んだつもりはないのだが、のんきに話していていいのか心配になってしまった。
儀式はどうなったのか、そっちが気になってキョロキョロと辺りを見回したが、平和な草原しか見えなかった。
そう、急ぐてない。
お前と会うのはおそらくこれが最後だ
「え……それは、どういう……」
お前はもう、道を決めただろう
迷うことなく進んでいけるはずだ
お前はこの世界の光、望むなら世界を旅してみるといい
お前の光は、たくさんの人間に幸せをもたらすだろう
「神様……」
お前はもともとこの世界の光になるはずだった子だ
異世界に生まれてしまい、元に戻るには誰かに入らなければいけなかった
シリウスを選んだことは後悔していないか?
「全然、たくさんの優しい人と出会えて、愛する人の近くで大きくなって、本当に幸せでした。ありがとうございます」
それを聞けてよかった。健、これでお別れだ。良き人生を、良き仲間と愛する者とともに過ごせるよう、見守っているぞ
薄っすらと空に浮かんだ雲がゾウの形になって、まるで手を振るように、鼻が動いたように見えた。
急速に何かに引っ張られるような力を感じて、草原が遠くなっていった。
視界はぼんやりとして暗くなっていき、どうやら夢の終わりに来たのだと感じた。
シリウスよ
また会う時を楽しみにしている
その時は、とっておきの幸せを運んでいくから……
薄れていく意識の中で、ゾウの神様の声が聞こえた気がした、
空から伸びる一筋の光、それが大剣の剣先に当たって、七色の光が四方に飛び散った。
長い夢を見ていた気がする。
そして夢から覚めた俺が見たのは、剣を高らかと空に向かって突き上げているエルシオンの姿だった。
汗をかいて大きく胸を揺らしながら息を吐いているが、その目は興奮の色に染まっていて、目が合うと、エルシオンは歯を見せて豪快に笑った。
「シリウス! よく耐えてくれた。ようやく聖剣が我が手の中に! 王国を統べる者として認められたぞ」
途切れ途切れだった記憶が戻ってきた。
エルシオンが剣を抜き始めて、青い炎で周りが包まれたら、俺はエルシオンの背中に手を当てた。
その瞬間、体の中に聖力が流れ込んできて、苦しくなったが、動かずに耐え続けた。
エルシオンは徐々に力を増幅させていたが、自我を保ったままで、やがてメキメキと音が響いて地面にヒビが入った。
エルシオンが剣を抜くところまで見えたら、そこで俺は気を失った。
そして、気がついたら、剣は頭上高くにあったというわけだった。
「シリウス!」
アスランが大きな声を上げて俺の名前を呼んだ。
見ると、セインスとロティーナに両腕を掴まれて止められている様子だったが、もがいて剥がした後、一直線に俺のところまで飛んできた。
「よかった……本当によかった……」
俺を持ち上げたアスランは、めちゃくちゃな力で俺を抱きしめた。
足がつかなくてブラブラとしてしまった。
苦しいよと言いながらも、嬉しくて涙が込み上げてきてポロリと目から落ちた。
「心配かけてごめん。やっと終わったよ。帰ろう、一緒に……」
「うん、シリウス、ありがとう」
エルシオンの側にはセインスが駆け寄って、無事を確認してホッとした顔をしていた。
聖剣を手にしたことで、エルシオンが次期国王の座に着いた。長く病に臥せっている現国王が亡くなれば、王位が巡ってくるはずだ。
現国王は弱りきって政は側近に任せているらしいので、おそらく、すぐにでもエルシオンが中心となって国を変えていくのだと思われた。
ふと気になってブルシルの方を見ると、力なく地面に転がっていた。
目を開けたまま動かなくなっていて、どうやら絶命している様子だった。
「禁術を使うと、使用者は反動で内側から命が削られると言われている。あいつが王になったら間違いなく悪政になっていただろう。殺しても足りないと思っていたが、呆気ないものだな」
エルシオンは、感情のない目でブルシルを見た後にそう呟いた。
ひとつの時代が終わったのを表すように、冷たい風が吹き抜けていった。
各国へ伝書鳥が放たれて、聖剣の儀式において、エルシオンが選ばれたことが伝えられた。
王太子となったエルシオンは、今後は閉じていた外交を復活して、積極的に交易を行い、豊かな国を目指していくと宣言した。
怪我をしていたセインスは回復して、エルシオン直属の護衛騎士となった。
ロティーナは帝国へは戻らないことを決めた。
シュネイルに残り、近くセインスと結婚する予定らしい。
アスランはシュネイルの王族として復帰するように望まれたが、きっぱりと断って、帝国に戻ることになった。
アスランの母方の血縁者はみんな亡くなっていた。アスランの希望もあって、第六王子についての記録はエルシオンの母と共に死んだというままにされることになった。
というわけで、俺がバッドエンドだと思っていた、シュネイルへ連れて行かれるトゥルーエンドルートは、なんとか無事に最後まで辿り着くことができた。
ゲーム内での最後は、アスランが王になるというエンドだったのかは、今となっては分からない。
健だった頃の前世とは完全に離れて、俺はこの世界のシリウスとしてやっと認められたような気がした。
もうゾウの神様の夢を見ることはない。
アスランと歩く、ゲームのその後の世界。
それをこれから二人で作っていくんだ。
「さぁ、一気に戻るから、しっかり掴まっていてね」
「ああ、これがあったの忘れていた。またあれがくるのか……」
シュネイル王国内は体制が変わったことで、バタバタとしている。
そんな中、王都を見下ろす崖の上まで来た俺とアスランは、帝国へ戻ることになった。
なんでも高いところからの方が遠くへ移動できるらしく、山を登らされてヘトヘトになったところで例の魔法で移動することになった。
船だと時間がかかるので、一瞬で移動できるならその方がいいに決まっているのだが、あの酔いっぷりを想像したらすでに気持ち悪くなっていた。
「綺麗な国……、俺はここで生まれんだね」
「そうだな。水が豊かで自然も多くて、町も整備されている。これからシュネイルはもっと伸びるだろう。楽しみだ」
「時々、遊びに来てみようかな。ここの空気、少しだけ好き……。シリウスも一緒にね」
「ああ、それまでに移動魔法に慣れないと……」
アスランは俺の頭をくちゃくちゃと撫でた後、ニカっと笑った。
とにかく任せるしかないので、俺はアスランにぎゅっと抱きついた。
また体が溶けるよな、消えてしまうような感覚がして、ぎゅっと目をつぶった。
あの頭がグラグラとする吐き気が襲ってくるのを必死に耐えていたら、トントンと背中が叩かれた。
「アスラン、これから移動するのか? 魔法は? いつ準備に……」
「もういいよ」
「え………」
「シリウス!」
たくさんの声が重なるようになって、俺の名前を呼ばれた。
アスランの胸から顔を上げると、よく知った人物達が俺達の周りを囲んでいた。
リカード、ニールソン、カノア、イクシオ、兄のアルフォンス。
場所はブラッドフォード邸の応接室。
慣れ親しんだ光景にこれは夢を見ているのかと思ってしまった。
言葉が出ない俺に、みんなが次々と抱きついてきた。
イクシオはボロボロに泣いて涙を流していた。
ぼーっとして、現実じゃないみたいな感覚だったが、抱きしめられて頭を撫でられる度に、これは夢ではないのだとようやく理解することができた。
とんでもない大冒険から、生きて帰ってくることができた。
「みんな……ううぅ、……ただいま」
「おかえり」
帰ってきた。
突然連れ去られて、長い長い旅をしてきたみたいだったけど、ようやく生まれ育ったこの地に立てた。
声を上げて涙を流す俺を、最後にアスランが抱きしめてくれた。
「シリウス……」
執務室に続くドアが開けられて、懐かしいと感じるくらい久しぶりの声が聞こえてきた。
少し痩せたようにも見える、父のブラッドフォード伯爵だった。
いつもの厳しい表情ではなく、初めて見る、目を潤ませたなんとも言えない顔をしていた。
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