10 / 63
第一章 出会い編(十歳)
10、悪役令息とお友達
しおりを挟む
ノックの音が響いて、リカードがどうぞと声をかけると、開けられたドアからアスランが入ってきた。
部屋の中に入ってすぐ、俺のことを見つけたアスランは目を大きく開いた後、勢いよく走ってきた。
「シリウス! なんでっ、そんな格好……!? コイツらにいじめられたの!?」
アスランの慌てぶりに、そういえばまだ着替えの途中だったと気がついた。
主人公と登場キャラの出会いに完全に気を取られていた。
俺の格好は借りたシャツに手を通したくらいで、下はまだズボンを履いていなかった。
人が集まっている中心で、一人だけ脱いでいたので変な誤解をさせてしまった。
「違うんだ、アスラン。庭園で転んで服を汚してしまったから、リカード様のご厚意で服を貸してもらったんだ。何も言わずに離れて悪かったな、大丈夫だから」
多少逞しくはなったが、アスランの透き通るような美しさは変わらない。
部屋全体の空気がアスランの登場で華やかになった気がした。
三人はきっとアスランにドキドキしているんじゃないかな、と思いながらヘラヘラ笑っていたら、近づいてきたアスランがシャツの前を合わせてボタンを留め始めた。
「あ、アスラン、みんなに紹介を……」
「そんなのは後だ! なんて格好しているんだよ。シリウスの肌を他人に見せたくない!」
何だそれはとよく分からないことでアスランはムッとした顔をして怒っているようだった。
この勢いだとお尻に薬を塗ってもらったなんて言ったら、アスランは発狂するかもしれない。
それは言わないでおこうと口を閉じた。
アスランの変な言動に他の三人はポカンとした顔をしていた。
仕方なく、服を着せられている状態だが、三人にアスランを紹介した。
「ああ、君がブラッドフォード伯爵が後援者になった子だね。噂は聞いているよ。聖力もあってかなり優秀みたいだね」
さすがリカードは顔が広そうなので、こういった話題はすぐに耳に入ってくるのか、アスランのことも知っていたようだ。
褒められたアスランは、俺にズボンを履かせながら興味なさそうにどうもと言った後に、自分の名前を簡単に言って挨拶を終わらせてしまった。
同年代の憧れの元である三人を前にして、あまりにも塩対応なので、三人はそれぞれ驚いた顔をしていた。
「ほら、これでいい。服なら使用人を呼んで任せればいいのに。心配したよ、シリウス……勝手にいなくならないで」
しまったと思った。
アスランは概要本にもある通り、繊細な男だった。
少し言い合ったくらいで池に落ちようとするやつだ。知らない場所で一人にするんじゃなかったと気がついた。
今も置いて行かれたと思ったのか、悲しそうな顔で目尻に涙が浮かんでいて、それを見たら胸がキュッとして熱くなってしまった。
「わ……悪かった。アスランが食べていたから邪魔したら悪いと思って……。ごめんな、ほら泣くなって……」
ハンカチを出そうとしたら、自分の服ではないので入っていなかった。するとそこで俺の前にスッとハンカチが差し出された。
見るとニールソンがこれを使ってと貸してくれた。さすがこの中では年長者だけあって、年下の扱いには慣れているのかもしれない。
ありがとうございますと言って受け取って、そのハンカチをアスランの目元に当ててあげた。アスランはグスグスと鼻をすすりながら、俺に抱きついて胸に顔を擦り寄せてきた。
「お前、アスランだっけ? なかなかいい体してるな、鍛えてるのか?」
アスランの甘えん坊っぷりが出てしまい、変な空気になったところに、空気を読まないタイプのカノアが普通に話しかけてきた。
同じ体を鍛えているもの同士、指摘せずにはいられなかったのだろうか。
「……少しだけ」
「へぇ、服が体に合ってないくらい肉が張ってるじゃん。剣もやるのか?」
「少しね」
カノアのテンションが明らかに上がった。
そして、アスランの目にもギラついた光が宿った。
俺にはよく分からないが、ある程度その道を極めていくと、同じように進む者を求めるのかもしれない。
「手合わせしないか? 俺の周りは弱いやつばかりでつまらないんだ」
「……いいよ。ちょうどよかった。僕もお腹いっぱいだし、体を動かしたかったんだ」
アスランとカノアの間にバチバチと火花が飛んだのが見えた。
これが初恋シーンなのかと俺はポカンとしながらその様子を眺めていた。
「くっ……やるな」
「カノアこそ、ただの筋肉バカだと思ってたけど、よくこの攻撃を受け止めたね」
「ふん、まだまだ。今度はこっちだ!」
「こっちだって!」
せっかくの着飾った格好は、泥と砂にまみれてひどいものになっていた。
それでも本人達はお互い強者に会って楽しいらしく、汗だくになりながら練習用の木の剣を振り回していた。
公爵邸の屋外練習場で、アスランはカノアに誘われて手合わせをすることになった。
お互い技術的に同じくらいらしく、二人は目をキラキラさせながら剣を振って、土の上に転がっても嬉しそうにしながら手合わせを楽しんでいた。
その様子を俺とリカードとニールソンは、テラス席でお茶を飲みながらのんびり鑑賞していた。
「まるで水を得た魚だね」
「同感……、このままだと夜までやってそうだ」
ニールソンは本を読みながら優雅にお茶を口に運び、リカードはにこにこしながら俺に話しかけてきた。
普段何をしているかなど他愛もない会話をしているが、本当にこれでいいのかと気が抜けてしまう。
二人の自然な様子から、これが三人の日常なのかなとぼんやりと分かった気がした。
「あの……交流会の方はいいんですか? 主催のリカード様が不在では……」
「いいのいいの。毎回、こんな感じで、僕は途中から消えるから。それよりシリウス、こっちのお菓子も食べてみてよ。シリウスの口に合うといいな」
「は、はい」
リカードにあーんと言われたので、口を開けたらそこにフォークでカットされたタルトを入れてもらった。
くるみの歯応えが面白くて味も美味しかった。
「んっ、美味しいです」
「じゃ、次はこれ」
「んんっ、ちょっ……」
次々と甘いものを投入されて、頬がパンパンになってしまった。
口の中で優先順位を付けて飲み込まないといけないと慌てていたら、それを見たリカードはぷっと噴き出して笑い出した。
「リカード、シリウスで遊ぶなよ。可哀想だろう」
「いや、だって……ふふっ、あんまり可愛いからさ」
中身社会人の俺が、お子様に笑われるなんてと恥ずかしくて顔が真っ赤になった。
というか、この二人が子供の雰囲気がなさすぎて、立場がよく分からなくなってしまう。
「シリウス、お茶を飲んで。そう、水分が入れば喉を通りやすくなるから」
ついには本を閉じたニールソンがお茶を淹れてくれて、俺に飲ませてくれた。
素直に従っているが、この状況はなんだと混乱しかなかった。
「ねえ、シリウス。僕達もう友達だよね。アスランもカノアが気に入ってくれたみたいだし、これからも遊びに来てよ」
「んっ……んん」
口を開こうとしても、口の中がいっぱいで鼻から息が抜ける音しか出てこなかった。
「えっ、いいの! 嬉しいな!」
「騒がしくなりそうだが、シリウスとアスランなら歓迎するよ」
飲み込むことに集中していたら、勝手に了承したことになっていて、リカードに手を握られて喜ばれてしまった。
ニールソンも穏やかに笑っているので、今さら遠慮しますとも言えず、やっとそこで口の中に残ったものをごくっと飲み込めた。
「ええっ、えっと、お二人は……その、アスランを……」
「え? なに?」
カノアはあの通りだし、二人がアスランを気に入ったというなら、ゲームの流れ通りだろう。
俺はおまけみたいなものだから、気を使ってもらわなくてもいいと言おうと思った。
「アスランを気に入ったなら、父に頼めばこちらに通わせることもできます。僕は一緒じゃなくても大丈夫なので……」
「ちょっと待って。アスランは面白そうな子だと思うけど、シリウスが来ないなんてこっちが大丈夫じゃない」
リカードは俺の手を掴んでぐいぐい顔を近づけてきた。
その勢いに引いていたら、横からニールソンの手が伸びてきて、リカードを押さえてくれた。
「ごめんね、シリウス。リカードは熱くなると強引なところがあるから。つまりさ、君とも仲良くなりたいってことだよ」
「え……ぼく、と……?」
今の今まで俺は自分はこの件には関係ない部外者だと思っていた。
アスランとの橋渡し程度で、後は忘れられるくらいの立ち位置だと思っていたのだ。
それが俺と仲良くなりたいなんて言われたものだから、呆然として体の力が抜けてしまった。
「うん、シリウスと」
リカードが花が咲いたような笑顔でふわりと笑った。
今まで自然に接してしまったが、これは悪役令息としてマズイことになってしまったかもしれない。
想像していなかった事態に、小さく震えたのだった。
□□□
部屋の中に入ってすぐ、俺のことを見つけたアスランは目を大きく開いた後、勢いよく走ってきた。
「シリウス! なんでっ、そんな格好……!? コイツらにいじめられたの!?」
アスランの慌てぶりに、そういえばまだ着替えの途中だったと気がついた。
主人公と登場キャラの出会いに完全に気を取られていた。
俺の格好は借りたシャツに手を通したくらいで、下はまだズボンを履いていなかった。
人が集まっている中心で、一人だけ脱いでいたので変な誤解をさせてしまった。
「違うんだ、アスラン。庭園で転んで服を汚してしまったから、リカード様のご厚意で服を貸してもらったんだ。何も言わずに離れて悪かったな、大丈夫だから」
多少逞しくはなったが、アスランの透き通るような美しさは変わらない。
部屋全体の空気がアスランの登場で華やかになった気がした。
三人はきっとアスランにドキドキしているんじゃないかな、と思いながらヘラヘラ笑っていたら、近づいてきたアスランがシャツの前を合わせてボタンを留め始めた。
「あ、アスラン、みんなに紹介を……」
「そんなのは後だ! なんて格好しているんだよ。シリウスの肌を他人に見せたくない!」
何だそれはとよく分からないことでアスランはムッとした顔をして怒っているようだった。
この勢いだとお尻に薬を塗ってもらったなんて言ったら、アスランは発狂するかもしれない。
それは言わないでおこうと口を閉じた。
アスランの変な言動に他の三人はポカンとした顔をしていた。
仕方なく、服を着せられている状態だが、三人にアスランを紹介した。
「ああ、君がブラッドフォード伯爵が後援者になった子だね。噂は聞いているよ。聖力もあってかなり優秀みたいだね」
さすがリカードは顔が広そうなので、こういった話題はすぐに耳に入ってくるのか、アスランのことも知っていたようだ。
褒められたアスランは、俺にズボンを履かせながら興味なさそうにどうもと言った後に、自分の名前を簡単に言って挨拶を終わらせてしまった。
同年代の憧れの元である三人を前にして、あまりにも塩対応なので、三人はそれぞれ驚いた顔をしていた。
「ほら、これでいい。服なら使用人を呼んで任せればいいのに。心配したよ、シリウス……勝手にいなくならないで」
しまったと思った。
アスランは概要本にもある通り、繊細な男だった。
少し言い合ったくらいで池に落ちようとするやつだ。知らない場所で一人にするんじゃなかったと気がついた。
今も置いて行かれたと思ったのか、悲しそうな顔で目尻に涙が浮かんでいて、それを見たら胸がキュッとして熱くなってしまった。
「わ……悪かった。アスランが食べていたから邪魔したら悪いと思って……。ごめんな、ほら泣くなって……」
ハンカチを出そうとしたら、自分の服ではないので入っていなかった。するとそこで俺の前にスッとハンカチが差し出された。
見るとニールソンがこれを使ってと貸してくれた。さすがこの中では年長者だけあって、年下の扱いには慣れているのかもしれない。
ありがとうございますと言って受け取って、そのハンカチをアスランの目元に当ててあげた。アスランはグスグスと鼻をすすりながら、俺に抱きついて胸に顔を擦り寄せてきた。
「お前、アスランだっけ? なかなかいい体してるな、鍛えてるのか?」
アスランの甘えん坊っぷりが出てしまい、変な空気になったところに、空気を読まないタイプのカノアが普通に話しかけてきた。
同じ体を鍛えているもの同士、指摘せずにはいられなかったのだろうか。
「……少しだけ」
「へぇ、服が体に合ってないくらい肉が張ってるじゃん。剣もやるのか?」
「少しね」
カノアのテンションが明らかに上がった。
そして、アスランの目にもギラついた光が宿った。
俺にはよく分からないが、ある程度その道を極めていくと、同じように進む者を求めるのかもしれない。
「手合わせしないか? 俺の周りは弱いやつばかりでつまらないんだ」
「……いいよ。ちょうどよかった。僕もお腹いっぱいだし、体を動かしたかったんだ」
アスランとカノアの間にバチバチと火花が飛んだのが見えた。
これが初恋シーンなのかと俺はポカンとしながらその様子を眺めていた。
「くっ……やるな」
「カノアこそ、ただの筋肉バカだと思ってたけど、よくこの攻撃を受け止めたね」
「ふん、まだまだ。今度はこっちだ!」
「こっちだって!」
せっかくの着飾った格好は、泥と砂にまみれてひどいものになっていた。
それでも本人達はお互い強者に会って楽しいらしく、汗だくになりながら練習用の木の剣を振り回していた。
公爵邸の屋外練習場で、アスランはカノアに誘われて手合わせをすることになった。
お互い技術的に同じくらいらしく、二人は目をキラキラさせながら剣を振って、土の上に転がっても嬉しそうにしながら手合わせを楽しんでいた。
その様子を俺とリカードとニールソンは、テラス席でお茶を飲みながらのんびり鑑賞していた。
「まるで水を得た魚だね」
「同感……、このままだと夜までやってそうだ」
ニールソンは本を読みながら優雅にお茶を口に運び、リカードはにこにこしながら俺に話しかけてきた。
普段何をしているかなど他愛もない会話をしているが、本当にこれでいいのかと気が抜けてしまう。
二人の自然な様子から、これが三人の日常なのかなとぼんやりと分かった気がした。
「あの……交流会の方はいいんですか? 主催のリカード様が不在では……」
「いいのいいの。毎回、こんな感じで、僕は途中から消えるから。それよりシリウス、こっちのお菓子も食べてみてよ。シリウスの口に合うといいな」
「は、はい」
リカードにあーんと言われたので、口を開けたらそこにフォークでカットされたタルトを入れてもらった。
くるみの歯応えが面白くて味も美味しかった。
「んっ、美味しいです」
「じゃ、次はこれ」
「んんっ、ちょっ……」
次々と甘いものを投入されて、頬がパンパンになってしまった。
口の中で優先順位を付けて飲み込まないといけないと慌てていたら、それを見たリカードはぷっと噴き出して笑い出した。
「リカード、シリウスで遊ぶなよ。可哀想だろう」
「いや、だって……ふふっ、あんまり可愛いからさ」
中身社会人の俺が、お子様に笑われるなんてと恥ずかしくて顔が真っ赤になった。
というか、この二人が子供の雰囲気がなさすぎて、立場がよく分からなくなってしまう。
「シリウス、お茶を飲んで。そう、水分が入れば喉を通りやすくなるから」
ついには本を閉じたニールソンがお茶を淹れてくれて、俺に飲ませてくれた。
素直に従っているが、この状況はなんだと混乱しかなかった。
「ねえ、シリウス。僕達もう友達だよね。アスランもカノアが気に入ってくれたみたいだし、これからも遊びに来てよ」
「んっ……んん」
口を開こうとしても、口の中がいっぱいで鼻から息が抜ける音しか出てこなかった。
「えっ、いいの! 嬉しいな!」
「騒がしくなりそうだが、シリウスとアスランなら歓迎するよ」
飲み込むことに集中していたら、勝手に了承したことになっていて、リカードに手を握られて喜ばれてしまった。
ニールソンも穏やかに笑っているので、今さら遠慮しますとも言えず、やっとそこで口の中に残ったものをごくっと飲み込めた。
「ええっ、えっと、お二人は……その、アスランを……」
「え? なに?」
カノアはあの通りだし、二人がアスランを気に入ったというなら、ゲームの流れ通りだろう。
俺はおまけみたいなものだから、気を使ってもらわなくてもいいと言おうと思った。
「アスランを気に入ったなら、父に頼めばこちらに通わせることもできます。僕は一緒じゃなくても大丈夫なので……」
「ちょっと待って。アスランは面白そうな子だと思うけど、シリウスが来ないなんてこっちが大丈夫じゃない」
リカードは俺の手を掴んでぐいぐい顔を近づけてきた。
その勢いに引いていたら、横からニールソンの手が伸びてきて、リカードを押さえてくれた。
「ごめんね、シリウス。リカードは熱くなると強引なところがあるから。つまりさ、君とも仲良くなりたいってことだよ」
「え……ぼく、と……?」
今の今まで俺は自分はこの件には関係ない部外者だと思っていた。
アスランとの橋渡し程度で、後は忘れられるくらいの立ち位置だと思っていたのだ。
それが俺と仲良くなりたいなんて言われたものだから、呆然として体の力が抜けてしまった。
「うん、シリウスと」
リカードが花が咲いたような笑顔でふわりと笑った。
今まで自然に接してしまったが、これは悪役令息としてマズイことになってしまったかもしれない。
想像していなかった事態に、小さく震えたのだった。
□□□
100
お気に入りに追加
1,410
あなたにおすすめの小説
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】
推しのために、モブの俺は悪役令息に成り代わることに決めました!
華抹茶
BL
ある日突然、超強火のオタクだった前世の記憶が蘇った伯爵令息のエルバート。しかも今の自分は大好きだったBLゲームのモブだと気が付いた彼は、このままだと最推しの悪役令息が不幸な未来を迎えることも思い出す。そこで最推しに代わって自分が悪役令息になるためエルバートは猛勉強してゲームの舞台となる学園に入学し、悪役令息として振舞い始める。その結果、主人公やメインキャラクター達には目の敵にされ嫌われ生活を送る彼だけど、何故か最推しだけはエルバートに接近してきて――クールビューティ公爵令息と猪突猛進モブのハイテンションコミカルBLファンタジー!

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
嵌められた悪役令息の行く末は、
珈琲きの子
BL
【書籍化します◆アンダルシュノベルズ様より刊行】
公爵令息エミール・ダイヤモンドは婚約相手の第二王子から婚約破棄を言い渡される。同時に学内で起きた一連の事件の責任を取らされ、牢獄へと収容された。
一ヶ月も経たずに相手を挿げ替えて行われた第二王子の結婚式。他国からの参列者は首をかしげる。その中でも帝国の皇太子シグヴァルトはエミールの姿が見えないことに不信感を抱いた。そして皇太子は祝いの席でこう問うた。
「殿下の横においでになるのはどなたですか?」と。
帝国皇太子のシグヴァルトと、悪役令息に仕立て上げられたエミールのこれからについて。
【タンザナイト王国編】完結
【アレクサンドライト帝国編】完結
【精霊使い編】連載中
※web連載時と書籍では多少設定が変わっている点があります。
婚約破棄された俺の農業異世界生活
深山恐竜
BL
「もう一度婚約してくれ」
冤罪で婚約破棄された俺の中身は、異世界転生した農学専攻の大学生!
庶民になって好きなだけ農業に勤しんでいたら、いつの間にか「畑の賢者」と呼ばれていた。
そこに皇子からの迎えが来て復縁を求められる。
皇子の魔の手から逃げ回ってると、幼馴染みの神官が‥。
(ムーンライトノベルズ様、fujossy様にも掲載中)
(第四回fujossy小説大賞エントリー中)
平凡な俺が双子美形御曹司に溺愛されてます
ふくやまぴーす
BL
旧題:平凡な俺が双子美形御曹司に溺愛されてます〜利害一致の契約結婚じゃなかったの?〜
名前も見た目もザ・平凡な19歳佐藤翔はある日突然初対面の美形双子御曹司に「自分たちを助けると思って結婚して欲しい」と頼まれる。
愛のない形だけの結婚だと高を括ってOKしたら思ってたのと違う展開に…
「二人は別に俺のこと好きじゃないですよねっ?なんでいきなりこんなこと……!」
美形双子御曹司×健気、お人好し、ちょっぴり貧乏な愛され主人公のラブコメBLです。
🐶2024.2.15 アンダルシュノベルズ様より書籍発売🐶
応援していただいたみなさまのおかげです。
本当にありがとうございました!
役目を終えた悪役令息は、第二の人生で呪われた冷徹公爵に見初められました
綺沙きさき(きさきさき)
BL
旧題:悪役令息の役目も終わったので第二の人生、歩ませていただきます 〜一年だけの契約結婚のはずがなぜか公爵様に溺愛されています〜
【元・悪役令息の溺愛セカンドライフ物語】
*真面目で紳士的だが少し天然気味のスパダリ系公爵✕元・悪役令息
「ダリル・コッド、君との婚約はこの場をもって破棄する!」
婚約者のアルフレッドの言葉に、ダリルは俯き、震える拳を握りしめた。
(……や、やっと、これで悪役令息の役目から開放される!)
悪役令息、ダリル・コッドは知っている。
この世界が、妹の書いたBL小説の世界だと……――。
ダリルには前世の記憶があり、自分がBL小説『薔薇色の君』に登場する悪役令息だということも理解している。
最初は悪役令息の言動に抵抗があり、穏便に婚約破棄の流れに持っていけないか奮闘していたダリルだが、物語と違った行動をする度に過去に飛ばされやり直しを強いられてしまう。
そのやり直しで弟を巻き込んでしまい彼を死なせてしまったダリルは、心を鬼にして悪役令息の役目をやり通すことを決めた。
そしてついに、婚約者のアルフレッドから婚約破棄を言い渡された……――。
(もうこれからは小説の展開なんか気にしないで自由に生きれるんだ……!)
学園追放&勘当され、晴れて自由の身となったダリルは、高額な給金につられ、呪われていると噂されるハウエル公爵家の使用人として働き始める。
そこで、顔の痣のせいで心を閉ざすハウエル家令息のカイルに気に入られ、さらには父親――ハウエル公爵家現当主であるカーティスと再婚してほしいとせがまれ、一年だけの契約結婚をすることになったのだが……――
元・悪役令息が第二の人生で公爵様に溺愛されるお話です。
虐げられている魔術師少年、悪魔召喚に成功したところ国家転覆にも成功する
あかのゆりこ
BL
主人公のグレン・クランストンは天才魔術師だ。ある日、失われた魔術の復活に成功し、悪魔を召喚する。その悪魔は愛と性の悪魔「ドーヴィ」と名乗り、グレンに契約の代償としてまさかの「口づけ」を提示してきた。
領民を守るため、王家に囚われた姉を救うため、グレンは致し方なく自分の唇(もちろん未使用)を差し出すことになる。
***
王家に虐げられて不遇な立場のトラウマ持ち不幸属性主人公がスパダリ系悪魔に溺愛されて幸せになるコメディの皮を被ったそこそこシリアスなお話です。
・ハピエン
・CP左右固定(リバありません)
・三角関係及び当て馬キャラなし(相手違いありません)
です。
べろちゅーすらないキスだけの健全ピュアピュアなお付き合いをお楽しみください。
***
2024.10.18 第二章開幕にあたり、第一章の2話~3話の間に加筆を行いました。小数点付きの話が追加分ですが、別に読まなくても問題はありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる