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(7)燃えるレイチェル
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「ノエルは学園の授業中いったい何をしているのよ!」
カイン達と別れて、帰宅の馬車に乗り込んだノエルとレイチェルだったが、すぐにレイチェルの雷が落ちてきた。
「んー……勉強はして……ない」
「でしょうね!貴族なら知っていてあたりまえの知識が無さすぎる!」
かつて、優しいふわふわ系だったレイチェルは、ノエルの前ではもう消えてしまったらしい。目からビームでも出しそうな眼力で、腕を組んでノエルを睨んでいる。ノエルは閻魔大王を思い出していた。
「お二人ともお優しいから、何も言われなかったけど、失礼な言動があれば、無礼だと言われて罪に問われるかもしれないのよ!」
「は……はい」
「では、ヴァイス様のことは?どういう方かご存じかしら?」
質問が来るとは思わなかったので、ノエルは一瞬、頭が真っ白になった。
ヴァイスが言っていたことをなんとなく思い出してみるが、これという情報がなくてまとめることができない。
「え……っと、隣国グラハイムのアーリア地方に住んでいて、貿易の仕事をしている人…かな」
「本当にそれでいいと思っているの?」
レイチェルがファイナルアンサー?みたいな顔で目を光らせているので、ノエルはもう逃げたくてしかたがなかった。
「もー!本当におバカね。彼はリトウィン家の息子よ。グラハイムは小国が集まって一つになった国なのよ。王は各地方の代表の家から選出されるの。アーリア地方から王に選ばれるのはリトウィン家の息子つまり、彼は次期国王候補、王子みたいなものなのよ」
「おぉ、なるほど」
「ちょっとは教科書見ろやー!!」
「ひぃぃ!はい!すみません!」
ついに真っ赤になって、閻魔大王に変化したレイチェルにノエルはこっぴどく怒られた。
そういえば、ヴァイスがカインに対しての態度があまりにも軽かったのも、彼の隣国での地位を考えれば確かに頷ける。
「それにしても気になるわね。カイン殿下…、もとからいつも微笑んでいらして、感情が読めない方とお見受けしていたけど……」
レイチェルからカインの名前が出て、ノエルの心臓はドキッと揺れた。
「私に対するあの目、何か意味が含まれていたわ。あの夜会のとき、ノエルはカイン殿下とどんな話をしたの?」
夜会のときのことを聞かれると、ノエルは明確に答えることができない。
なぜか映像のように見たものは記憶にあるのだが、酔いがまわってから自分が何を話したのか、断片的にしか残っていない。
「確か……青いチーフの話になって……、俺は男が好きなわけじゃないとか…、でも友人が男を連れてくるからとか、そんなことを愚痴っていた気が……」
「それだ!!」
レイチェルがノエルに鼻先に向けて指を差しながらがら叫んだので、ノエルは驚いて背中を背もたれにぶつけて鈍い音が車内に響いた。
「その言い方ならまるで私がノエルの相手をあてがってるみたいな、まぁたいして間違ってないんだけど、なるほどそれであの目線か…」
「え…全然見えない」
「私のことが気に入らないのよ、きっと」
そんなまさか思った。レイチェルはパーティーでもほとんどカインと話などしていないし、ノエルよりもちゃんと挨拶から言葉遣いからしっかりしていたはずだ。どこに気に入らない要素があるのかノエルには理解できなかった。
「向こうが本気なのか遊びなのか、ただ興味を持っているだけか知らないけれど、あの方の相手は重過ぎるわ。そんな前途多難な道をノエルに歩いてほしくない。こっちは遊んでいる暇なんてないのよ。やってやろうじゃない!本気出すわよ!」
なんだかスイッチが入ってしまったらしいレイチェルは、目の奥に炎を燃やして、次はブルームーンに行くわよと言い出した。
「チーフを覗かせて誘いを待つようなお上品なやつじゃないわ。ガチの男好きだけが集まる男の社交場よ」
「おっ…男の…」
「恋愛抜きで体だけ求める人も多いみたいだから、避けてたんだけど、変なのに目をつけられそうだから、今のうちにベストな相手を選んでおかないと!」
「…うん」
「問題なのは、そこが女子禁制なのよ。つまり私は行けないわ」
「そっ…一人で乗り込むなんて……」
知識のないノエルを一人で放り込んだら、肉を投げ込むのと一緒よねと、レイチェルは怖いことを言ってうなった。
「……ちょうどいいのがいるんだけど。やつに協力を頼むしかなさそうね……」
そう言ってレイチェルは、ノエルを見て微笑んだ。
閻魔大王から美少女に戻ったレイチェルを見て、ノエルの胸には不安しか浮かんでこなかった。
□□
「ちょっといいかな。大事な話があるんだけど」
外へと向かう背中にノエルが声をかけると、案の定、その背中はビクリと大きく揺れて固まったのが分かった。
「あ…、ここじゃなんだからさ、人のいないところで、だめかな?」
これは、レイチェルに言えと言われた言葉を一字一句そのまま言っているのだが、その男はゆっくりとこちらを振り向いて、目線を合わせず分かったと言った。ちょっと顔を赤くしているところも、レイチェルの予想通りの反応だ。
予定していた体育館裏に行くと、腕を組んで壁にもたれながら、レイチェルが待っていた。
「遅いじゃないの、ミルトン!どうせもったいぶってゆっくり振り向いたりしてたんでしょう」
レイチェルはクラスの男達のリーダーである、ミルトンを呼び出すように指示した。自分が行くと怪しまれるからという理由で、ノエルに誘い文句まで指示して連れてこさせたのだ。
「え?レイチェル・シーラン!?君がなんで……?まさか、二人で仕組んだのか!?」
「仕組むもなにも、そのままよ。私達二人があなたに話があるんだから」
ミルトンはグリーンの瞳を大きく見開いた後、目を細めた。何を企んでいるのかと訝しんでいる様子だった。
「まぁ、話を聞いてよ」
レイチェルはそう言って、打ち合わせ通りの話をミルトンに始めたのだった。
□□
「……へぇ、家の事情でね。男と付き合えって…そんなことあるのかよ」
「仕方ないだろう。父の希望で兄弟どちらかは、男と結婚して欲しいという考えがあって、兄はもう女性の婚約者がいるし、俺しかないんだ」
レイチェルと話をして、前世や転生などについては、伏せておこうという話になった。説明が長くなるし、荒唐無稽過ぎて信じてもらえず複雑になることを避けた。
結局父親にかぶってもらって、家の事情で押し通すことになった。
「それで、なんでアニキの店なんだよ…。言っておくけど、あそこはお前みたいなのが行くところじゃなくて、危ないやつもいるし……」
「その辺のパーティーでも探したけど、とにかく時間がないのよ。ちょっと、ややこしい方に目をつけられちゃって身動き取れなくなるとまずいの。ノエルはお父様に次の誕生日までにそういう方が出来ないと、家から追い出すって言われてるのよ」
なかなか了承しないミルトンにしびれをきらして、レイチェルが話を盛ってきたので、ノエルは顔を平静に保つのに必死だった。
「ややこしいって……、面倒なことはやめてくれよ。うちのアニキうるさいから……」
ブルームーンは、ミルトンの兄が運営している店で、つまり彼の兄もそっちのタイプだ。もともと若者に人気の夜の社交場だったが、ミルトン兄の趣味が入りまくりで、ついに男性限定になった。
弟のミルトンは店を手伝うこともあるらしく、案内を頼むなら彼以外に考えられないという話になった。
ノエルはレイチェルに腕を肘でつつかれた。どうやら、あれをやれという命令らしい。
ノエルは心の中でため息をついた。
「……ミルトン、頼むよ。お前だけが頼りなんだ」
ノエルは困った顔をしてミルトンに近づいた。ブレザーの裾を軽く掴んで、ミルトンの瞳を見つめた。
「お願い……できないかな」
瞬間顔を赤くしたミルトンは、目を泳がせながら分かったと言って、やっと了承してくれた。
レイチェルの方に目をやると、やればできるじゃないという顔でウィンクしてきた。
ノエルは女の子を落とす技術は多少心得ていた。対象とやり方は違うが要領をつかめば方向性は似たものがある。
とりあえずは、上手くいったようだ。
学園の週終わりの放課後に時間を決めて、ブルームーンに行くことになった。
そこでどんな出会いがあり、何が待ち受けているのか、ノエルには想像もつかなかった。
□□□
カイン達と別れて、帰宅の馬車に乗り込んだノエルとレイチェルだったが、すぐにレイチェルの雷が落ちてきた。
「んー……勉強はして……ない」
「でしょうね!貴族なら知っていてあたりまえの知識が無さすぎる!」
かつて、優しいふわふわ系だったレイチェルは、ノエルの前ではもう消えてしまったらしい。目からビームでも出しそうな眼力で、腕を組んでノエルを睨んでいる。ノエルは閻魔大王を思い出していた。
「お二人ともお優しいから、何も言われなかったけど、失礼な言動があれば、無礼だと言われて罪に問われるかもしれないのよ!」
「は……はい」
「では、ヴァイス様のことは?どういう方かご存じかしら?」
質問が来るとは思わなかったので、ノエルは一瞬、頭が真っ白になった。
ヴァイスが言っていたことをなんとなく思い出してみるが、これという情報がなくてまとめることができない。
「え……っと、隣国グラハイムのアーリア地方に住んでいて、貿易の仕事をしている人…かな」
「本当にそれでいいと思っているの?」
レイチェルがファイナルアンサー?みたいな顔で目を光らせているので、ノエルはもう逃げたくてしかたがなかった。
「もー!本当におバカね。彼はリトウィン家の息子よ。グラハイムは小国が集まって一つになった国なのよ。王は各地方の代表の家から選出されるの。アーリア地方から王に選ばれるのはリトウィン家の息子つまり、彼は次期国王候補、王子みたいなものなのよ」
「おぉ、なるほど」
「ちょっとは教科書見ろやー!!」
「ひぃぃ!はい!すみません!」
ついに真っ赤になって、閻魔大王に変化したレイチェルにノエルはこっぴどく怒られた。
そういえば、ヴァイスがカインに対しての態度があまりにも軽かったのも、彼の隣国での地位を考えれば確かに頷ける。
「それにしても気になるわね。カイン殿下…、もとからいつも微笑んでいらして、感情が読めない方とお見受けしていたけど……」
レイチェルからカインの名前が出て、ノエルの心臓はドキッと揺れた。
「私に対するあの目、何か意味が含まれていたわ。あの夜会のとき、ノエルはカイン殿下とどんな話をしたの?」
夜会のときのことを聞かれると、ノエルは明確に答えることができない。
なぜか映像のように見たものは記憶にあるのだが、酔いがまわってから自分が何を話したのか、断片的にしか残っていない。
「確か……青いチーフの話になって……、俺は男が好きなわけじゃないとか…、でも友人が男を連れてくるからとか、そんなことを愚痴っていた気が……」
「それだ!!」
レイチェルがノエルに鼻先に向けて指を差しながらがら叫んだので、ノエルは驚いて背中を背もたれにぶつけて鈍い音が車内に響いた。
「その言い方ならまるで私がノエルの相手をあてがってるみたいな、まぁたいして間違ってないんだけど、なるほどそれであの目線か…」
「え…全然見えない」
「私のことが気に入らないのよ、きっと」
そんなまさか思った。レイチェルはパーティーでもほとんどカインと話などしていないし、ノエルよりもちゃんと挨拶から言葉遣いからしっかりしていたはずだ。どこに気に入らない要素があるのかノエルには理解できなかった。
「向こうが本気なのか遊びなのか、ただ興味を持っているだけか知らないけれど、あの方の相手は重過ぎるわ。そんな前途多難な道をノエルに歩いてほしくない。こっちは遊んでいる暇なんてないのよ。やってやろうじゃない!本気出すわよ!」
なんだかスイッチが入ってしまったらしいレイチェルは、目の奥に炎を燃やして、次はブルームーンに行くわよと言い出した。
「チーフを覗かせて誘いを待つようなお上品なやつじゃないわ。ガチの男好きだけが集まる男の社交場よ」
「おっ…男の…」
「恋愛抜きで体だけ求める人も多いみたいだから、避けてたんだけど、変なのに目をつけられそうだから、今のうちにベストな相手を選んでおかないと!」
「…うん」
「問題なのは、そこが女子禁制なのよ。つまり私は行けないわ」
「そっ…一人で乗り込むなんて……」
知識のないノエルを一人で放り込んだら、肉を投げ込むのと一緒よねと、レイチェルは怖いことを言ってうなった。
「……ちょうどいいのがいるんだけど。やつに協力を頼むしかなさそうね……」
そう言ってレイチェルは、ノエルを見て微笑んだ。
閻魔大王から美少女に戻ったレイチェルを見て、ノエルの胸には不安しか浮かんでこなかった。
□□
「ちょっといいかな。大事な話があるんだけど」
外へと向かう背中にノエルが声をかけると、案の定、その背中はビクリと大きく揺れて固まったのが分かった。
「あ…、ここじゃなんだからさ、人のいないところで、だめかな?」
これは、レイチェルに言えと言われた言葉を一字一句そのまま言っているのだが、その男はゆっくりとこちらを振り向いて、目線を合わせず分かったと言った。ちょっと顔を赤くしているところも、レイチェルの予想通りの反応だ。
予定していた体育館裏に行くと、腕を組んで壁にもたれながら、レイチェルが待っていた。
「遅いじゃないの、ミルトン!どうせもったいぶってゆっくり振り向いたりしてたんでしょう」
レイチェルはクラスの男達のリーダーである、ミルトンを呼び出すように指示した。自分が行くと怪しまれるからという理由で、ノエルに誘い文句まで指示して連れてこさせたのだ。
「え?レイチェル・シーラン!?君がなんで……?まさか、二人で仕組んだのか!?」
「仕組むもなにも、そのままよ。私達二人があなたに話があるんだから」
ミルトンはグリーンの瞳を大きく見開いた後、目を細めた。何を企んでいるのかと訝しんでいる様子だった。
「まぁ、話を聞いてよ」
レイチェルはそう言って、打ち合わせ通りの話をミルトンに始めたのだった。
□□
「……へぇ、家の事情でね。男と付き合えって…そんなことあるのかよ」
「仕方ないだろう。父の希望で兄弟どちらかは、男と結婚して欲しいという考えがあって、兄はもう女性の婚約者がいるし、俺しかないんだ」
レイチェルと話をして、前世や転生などについては、伏せておこうという話になった。説明が長くなるし、荒唐無稽過ぎて信じてもらえず複雑になることを避けた。
結局父親にかぶってもらって、家の事情で押し通すことになった。
「それで、なんでアニキの店なんだよ…。言っておくけど、あそこはお前みたいなのが行くところじゃなくて、危ないやつもいるし……」
「その辺のパーティーでも探したけど、とにかく時間がないのよ。ちょっと、ややこしい方に目をつけられちゃって身動き取れなくなるとまずいの。ノエルはお父様に次の誕生日までにそういう方が出来ないと、家から追い出すって言われてるのよ」
なかなか了承しないミルトンにしびれをきらして、レイチェルが話を盛ってきたので、ノエルは顔を平静に保つのに必死だった。
「ややこしいって……、面倒なことはやめてくれよ。うちのアニキうるさいから……」
ブルームーンは、ミルトンの兄が運営している店で、つまり彼の兄もそっちのタイプだ。もともと若者に人気の夜の社交場だったが、ミルトン兄の趣味が入りまくりで、ついに男性限定になった。
弟のミルトンは店を手伝うこともあるらしく、案内を頼むなら彼以外に考えられないという話になった。
ノエルはレイチェルに腕を肘でつつかれた。どうやら、あれをやれという命令らしい。
ノエルは心の中でため息をついた。
「……ミルトン、頼むよ。お前だけが頼りなんだ」
ノエルは困った顔をしてミルトンに近づいた。ブレザーの裾を軽く掴んで、ミルトンの瞳を見つめた。
「お願い……できないかな」
瞬間顔を赤くしたミルトンは、目を泳がせながら分かったと言って、やっと了承してくれた。
レイチェルの方に目をやると、やればできるじゃないという顔でウィンクしてきた。
ノエルは女の子を落とす技術は多少心得ていた。対象とやり方は違うが要領をつかめば方向性は似たものがある。
とりあえずは、上手くいったようだ。
学園の週終わりの放課後に時間を決めて、ブルームーンに行くことになった。
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