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(4)救いの騎士
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「ちょ……あっ……あなたは誰なんですか?これはいったい……」
ぼんやりした薄明かりの下、休憩用の小さなベッドの上でノエルは巨大な塊みたいな男に組み敷かれている。
それは恋愛気分とは大違いで、ただの恐怖でしかなかった。
「緊張しないでね。俺はハイラム。君はノエルくんだっけ。レイチェルとは父の繋がりでよく知っている仲なんだ。面倒な事を頼まれたと思ったけど、相手が君なら喜んで務めさせてもらうよ」
全身から嫌な汗が出てきた。酔いが覚めきれない頭は全く動かない。それでも明らかに異様な状況に意識だけはしっかり戻ってきた。
「……その、まさか俺は……これから……」
「そ!優しくするから」
レイチェルがどう説明してこういう状況になっているのか分からないが、多分男を経験させてやってくれ的なことだろう。
宣言通り、ガチガチの筋肉がついた大男だ。顔だけは素朴な優しい感じだが、すでに興奮状態に入っているらしく、男の股間は信じられないくらい巨大に盛り上がっている。
アレが自分に入るのかと思うと、後ろが壊れて使い物にならなくなる想像しか出来なくて、恐怖で本当に涙が出てきてしまった。
ちなみに、自分のアレに関しては全く反応はない。いつも以上に縮こまっている有り様だ。
「いっ……やっやっぱり……俺……むっ無理」
ノエルが顔を歪めて拒否をしても、ハイラムは全く聞いていなくて、楽しそうにノエルのシャツのボタンを外して中に手を入れてきた。
「ひぃぃ!!」
「大丈夫だよ。すぐに気持ちよくなるから」
逃れようとしてもさすがの巨体で、全く体が動かない。さわさわと肌を撫でられたら、気持ちが悪くて鳥肌が出てきた。
せっかくレイチェルが用意してくれた相手だ。体から始まって後から心も結ばれるならそれできっと使命は果たされるだろう。
目をつぶって我慢すればいい。痛みなんて一瞬だ。男と恋愛するのに、出来なきゃ意味がない。ノエルは唇を噛んで耐えようとした。
¨ちゃんと人を好きになってみたいかい?¨
ノエルをここへ導いた人の声が聞こえた。
全身に痺れたような衝撃があり、酔いで動かなかった体に一瞬にして力が戻ってきた。
「………がう」
「ノエルくん?」
「こんなのは、違う!俺が求めていたものじゃない!離してくれ!違う!違うんだ!」
「うわっ、ちょっと暴れないで」
突然大きな声を出して騒ぎだしたノエルに、さすがに空気が違うとハイラムの手も止まって、どうにかなだめようとしてきた。
これ以上来られたら殴ってしまうかもしれないと思ったそのとき、ガタン!と大きな音がして、閉められていたはずの扉が開いた。
廊下の方が明るくてよく見えないが、入り口に誰かが立っていた。
「おい!使用中だぞ!」
ハイラムが声を上げたが、勝手に扉を開けた人物はお構いなしにドカドカと入ってきてしまった。
「失礼、人を探していてね。こちらにいるかもしれなくて」
薄明かりの下で、聞き覚えのある心地よい声が聞こえて顔を上げると、琥珀色の瞳と目が合った。
会場で少し話しただけの名前も知らない男なのに、その姿が見えただけで、ノエルは心が落ち着いて安堵していくのが分かった。
「ああ、良かった君だ。どうやら、まだ食べられずにすんだみたいだね」
「いったい、なんだお前は!?突然入ってきて失礼な………!!」
ハイラムが振り向いて、入ってきた男に怒鳴りつけた瞬間、知っている人物だったのか、ハイラムは声を失って固まってしまった。
「ああ、悪いけど。彼の先約は俺なんだ。大人しく渡してくれると助かるんだけど」
「………はっ!はい!ももも、もちろんです!どうぞ!ごゆっくり!私は失礼致します!」
始終落ち着いている男と違って、ハイラムは急にガチガチになって、ベッドから飛び退いて、乱れた服のまま部屋から飛び出して行ってしまった。
ハイラムが部屋から消えた後、男はゆっくりベッドに腰掛けて手を伸ばしてきて、ノエルの目尻に溜まっていた涙を指で拭った。
「待っててって言ったのに、いなくなるからいけないんだよ。ずいぶんと探したよ」
「ど……どうして」
「だって君、嫌がっていただろう。怖いって言って……」
男は乱れたノエルのシャツを整えて、ボタンを全部止めてくれた。
「君が好きそうな白身魚とチーズのパイが焼きたてで出てきたよ。気分が悪いならあれだけど、大丈夫なら食べに行こうよ」
それは今までのどんなものより、魅力的な誘いに思えた。
「はっ……はい」
思わずノエルが小声で了承すると、男は目を細めてふわりと微笑んだ。
それを見てノエルの心臓はキュッと締め付けられるように甘く痛んだ。
「そういえばお互い名前を知らないみたいだね。俺はカイン」
「あっ…、俺、ノエルです」
会場へ戻る廊下でカインは慣れた様子で手を差し出してきた。ノエルは少し戸惑いながらぎこちなく手を重ねて握手をした。
会場へ入ると、カインはノエルにお茶と先ほど言っていたパイを用意してくれた。
すでに夜会のダンスが始まっていて、カインはすぐに女性達に囲まれてしまい、申し訳なさそうな顔をしていた。
ノエルが、どうか気にしないで行ってくださいと背中を押して、やっと女性達とダンスフロアへ消えていった。
賑やかな音楽と、たくさんの人達の楽しそうな笑い声が聞こえる。そんな中、ノエルはまだ酔いが残っているのか、ぼんやりした頭でずっとダンスを踊る人達を眺めていた。
その中に黒髪の男性がいないかなぜか目で追ってしまい、慌ててパイを胃に流し込んだが、気持ちがふわふわして、ちっとも味がしなかった。
そのままボケっとしているところを、レイチェルに見つかって、今日は退散するわと会場から出されて馬車に押し込まれた。
□□
「ハイラムに聞いたわ、なにもできなかったって……。それ以上教えてくれないし。いったい何があったのよ」
馬車が動き出してすぐ、困惑した顔のレイチェルがそう切り出してきた。
「……俺がビビって騒いで大声を出していたから、会場で知り合った人が助けてくれて……、ごめんせっかく色々と手配してくれたのに……」
「……まぁ、私も急ぎすぎたわ。急に大男と部屋に閉じ込められたら……、そうよね。焦ってしまってごめんなさい」
しゅんと悲しそうな顔になってしまったレイチェルの頭を撫でて、ノエルはごめんねありがとうと伝えた。
「……でも、なんかノエル、様子がおかしいわ。ぼんやりした顔しちゃって……」
「え?そう?」
昔からノエルの変化にはよく気がつくレイチェルは、早速じっと顔を見ながら考え始めた。
「その助けてくれたっていう、救いの騎士はどなたなの?もしかして、ノエルその方のこと……」
「ないないない!!ただの良い人だと思っただけだよ!何もない!」
レイチェルの言葉の続きを聞く前に、ノエルは真っ赤になって否定した。
頭の中に、あの琥珀色の瞳が忘れられず残っていたけれど、酔っていたせいにして記憶の箱に無理やり押し込んだ。
「その反応……、新鮮だわ。ノエルもそんな顔するのね……。ますます気になるわ!で!誰なの?名前は聞いたのでしょう?」
「ああ、カインって言ってたけど」
招待客で溢れかえっていた会場を思い出せば、いくらレイチェルでもその名前だけで誰だか分からないだろうとノエルは思った。
「……カ……カイン?」
「そう、俺とはタイプが違うけど、色男だったな。もうさ、会うこともないけど、ちゃんとお礼が言えなかったから……それだけ、ちょっと……」
「待って」
先ほどまでのニヤけた顔が一変して、レイチェルは急に真面目な顔になって、ノエルの手を握ってきた。
「その方って、黒髪で金色の目をされている方ではなかった?」
「え……?あーそうだけど、知り合い?」
次の瞬間、レイチェルは気を失ったように、馬車の椅子に転がって頭を抱えてしまった。
「世間知らずにもほどがあるわ……。自分の国の王太子殿下のことも分からないの?ついでにうちの学園の先輩よ。校舎が遠いからお会いすることはないけど」
「………は?ははははっまた…、冗談なんて……」
椅子に転がったままで、レイチェルは目だけギラリと光らせた。
「………言わないよな。レイチェルは……」
ノエルにとってこの世界はこの先あるかないかも分からないものだったので、はっきり言って国王がどうとか、王子とか政治とか全く関心がなかった。
国の王太子と気軽に会話して、酔って助けてもらって、男に襲われていたところをまた助けてもらった。
そんなことを、ノエルの両親が知ったら青くなって卒倒するし、国務局に勤めている兄は、辞表を書いてお詫びにいくと言い出しそうな事態である。
「一応、夢を見ないように言っておくと、カイル殿下はもうすぐ婚約することが発表されているわ。相手は公爵家の令嬢や、隣国の王女といった有名どころの美女の名前が出ているから、間違ってもそこと争おうなんて思わない方がいいわよ」
「……なんで、俺が美女に混じって参戦するんだよ。見ないよ、そんな夢」
口に出して否定してから、胸がチクリと痛んだ。きっと、住む世界が違いすぎる人を見て気になっているだけだろう。野次馬みたいな気持ちは捨てて、身の丈にあった出会いを探さなければと、ノエルは背もたれに体を預けて目を閉じた。
そんな、友人の明らかに今までと違う変化に驚きを覚えながら、レイチェルもまた気持ちを切り替えようと、家に戻ったら新しいパーティーを探すことにしたのだった。
□□□
ぼんやりした薄明かりの下、休憩用の小さなベッドの上でノエルは巨大な塊みたいな男に組み敷かれている。
それは恋愛気分とは大違いで、ただの恐怖でしかなかった。
「緊張しないでね。俺はハイラム。君はノエルくんだっけ。レイチェルとは父の繋がりでよく知っている仲なんだ。面倒な事を頼まれたと思ったけど、相手が君なら喜んで務めさせてもらうよ」
全身から嫌な汗が出てきた。酔いが覚めきれない頭は全く動かない。それでも明らかに異様な状況に意識だけはしっかり戻ってきた。
「……その、まさか俺は……これから……」
「そ!優しくするから」
レイチェルがどう説明してこういう状況になっているのか分からないが、多分男を経験させてやってくれ的なことだろう。
宣言通り、ガチガチの筋肉がついた大男だ。顔だけは素朴な優しい感じだが、すでに興奮状態に入っているらしく、男の股間は信じられないくらい巨大に盛り上がっている。
アレが自分に入るのかと思うと、後ろが壊れて使い物にならなくなる想像しか出来なくて、恐怖で本当に涙が出てきてしまった。
ちなみに、自分のアレに関しては全く反応はない。いつも以上に縮こまっている有り様だ。
「いっ……やっやっぱり……俺……むっ無理」
ノエルが顔を歪めて拒否をしても、ハイラムは全く聞いていなくて、楽しそうにノエルのシャツのボタンを外して中に手を入れてきた。
「ひぃぃ!!」
「大丈夫だよ。すぐに気持ちよくなるから」
逃れようとしてもさすがの巨体で、全く体が動かない。さわさわと肌を撫でられたら、気持ちが悪くて鳥肌が出てきた。
せっかくレイチェルが用意してくれた相手だ。体から始まって後から心も結ばれるならそれできっと使命は果たされるだろう。
目をつぶって我慢すればいい。痛みなんて一瞬だ。男と恋愛するのに、出来なきゃ意味がない。ノエルは唇を噛んで耐えようとした。
¨ちゃんと人を好きになってみたいかい?¨
ノエルをここへ導いた人の声が聞こえた。
全身に痺れたような衝撃があり、酔いで動かなかった体に一瞬にして力が戻ってきた。
「………がう」
「ノエルくん?」
「こんなのは、違う!俺が求めていたものじゃない!離してくれ!違う!違うんだ!」
「うわっ、ちょっと暴れないで」
突然大きな声を出して騒ぎだしたノエルに、さすがに空気が違うとハイラムの手も止まって、どうにかなだめようとしてきた。
これ以上来られたら殴ってしまうかもしれないと思ったそのとき、ガタン!と大きな音がして、閉められていたはずの扉が開いた。
廊下の方が明るくてよく見えないが、入り口に誰かが立っていた。
「おい!使用中だぞ!」
ハイラムが声を上げたが、勝手に扉を開けた人物はお構いなしにドカドカと入ってきてしまった。
「失礼、人を探していてね。こちらにいるかもしれなくて」
薄明かりの下で、聞き覚えのある心地よい声が聞こえて顔を上げると、琥珀色の瞳と目が合った。
会場で少し話しただけの名前も知らない男なのに、その姿が見えただけで、ノエルは心が落ち着いて安堵していくのが分かった。
「ああ、良かった君だ。どうやら、まだ食べられずにすんだみたいだね」
「いったい、なんだお前は!?突然入ってきて失礼な………!!」
ハイラムが振り向いて、入ってきた男に怒鳴りつけた瞬間、知っている人物だったのか、ハイラムは声を失って固まってしまった。
「ああ、悪いけど。彼の先約は俺なんだ。大人しく渡してくれると助かるんだけど」
「………はっ!はい!ももも、もちろんです!どうぞ!ごゆっくり!私は失礼致します!」
始終落ち着いている男と違って、ハイラムは急にガチガチになって、ベッドから飛び退いて、乱れた服のまま部屋から飛び出して行ってしまった。
ハイラムが部屋から消えた後、男はゆっくりベッドに腰掛けて手を伸ばしてきて、ノエルの目尻に溜まっていた涙を指で拭った。
「待っててって言ったのに、いなくなるからいけないんだよ。ずいぶんと探したよ」
「ど……どうして」
「だって君、嫌がっていただろう。怖いって言って……」
男は乱れたノエルのシャツを整えて、ボタンを全部止めてくれた。
「君が好きそうな白身魚とチーズのパイが焼きたてで出てきたよ。気分が悪いならあれだけど、大丈夫なら食べに行こうよ」
それは今までのどんなものより、魅力的な誘いに思えた。
「はっ……はい」
思わずノエルが小声で了承すると、男は目を細めてふわりと微笑んだ。
それを見てノエルの心臓はキュッと締め付けられるように甘く痛んだ。
「そういえばお互い名前を知らないみたいだね。俺はカイン」
「あっ…、俺、ノエルです」
会場へ戻る廊下でカインは慣れた様子で手を差し出してきた。ノエルは少し戸惑いながらぎこちなく手を重ねて握手をした。
会場へ入ると、カインはノエルにお茶と先ほど言っていたパイを用意してくれた。
すでに夜会のダンスが始まっていて、カインはすぐに女性達に囲まれてしまい、申し訳なさそうな顔をしていた。
ノエルが、どうか気にしないで行ってくださいと背中を押して、やっと女性達とダンスフロアへ消えていった。
賑やかな音楽と、たくさんの人達の楽しそうな笑い声が聞こえる。そんな中、ノエルはまだ酔いが残っているのか、ぼんやりした頭でずっとダンスを踊る人達を眺めていた。
その中に黒髪の男性がいないかなぜか目で追ってしまい、慌ててパイを胃に流し込んだが、気持ちがふわふわして、ちっとも味がしなかった。
そのままボケっとしているところを、レイチェルに見つかって、今日は退散するわと会場から出されて馬車に押し込まれた。
□□
「ハイラムに聞いたわ、なにもできなかったって……。それ以上教えてくれないし。いったい何があったのよ」
馬車が動き出してすぐ、困惑した顔のレイチェルがそう切り出してきた。
「……俺がビビって騒いで大声を出していたから、会場で知り合った人が助けてくれて……、ごめんせっかく色々と手配してくれたのに……」
「……まぁ、私も急ぎすぎたわ。急に大男と部屋に閉じ込められたら……、そうよね。焦ってしまってごめんなさい」
しゅんと悲しそうな顔になってしまったレイチェルの頭を撫でて、ノエルはごめんねありがとうと伝えた。
「……でも、なんかノエル、様子がおかしいわ。ぼんやりした顔しちゃって……」
「え?そう?」
昔からノエルの変化にはよく気がつくレイチェルは、早速じっと顔を見ながら考え始めた。
「その助けてくれたっていう、救いの騎士はどなたなの?もしかして、ノエルその方のこと……」
「ないないない!!ただの良い人だと思っただけだよ!何もない!」
レイチェルの言葉の続きを聞く前に、ノエルは真っ赤になって否定した。
頭の中に、あの琥珀色の瞳が忘れられず残っていたけれど、酔っていたせいにして記憶の箱に無理やり押し込んだ。
「その反応……、新鮮だわ。ノエルもそんな顔するのね……。ますます気になるわ!で!誰なの?名前は聞いたのでしょう?」
「ああ、カインって言ってたけど」
招待客で溢れかえっていた会場を思い出せば、いくらレイチェルでもその名前だけで誰だか分からないだろうとノエルは思った。
「……カ……カイン?」
「そう、俺とはタイプが違うけど、色男だったな。もうさ、会うこともないけど、ちゃんとお礼が言えなかったから……それだけ、ちょっと……」
「待って」
先ほどまでのニヤけた顔が一変して、レイチェルは急に真面目な顔になって、ノエルの手を握ってきた。
「その方って、黒髪で金色の目をされている方ではなかった?」
「え……?あーそうだけど、知り合い?」
次の瞬間、レイチェルは気を失ったように、馬車の椅子に転がって頭を抱えてしまった。
「世間知らずにもほどがあるわ……。自分の国の王太子殿下のことも分からないの?ついでにうちの学園の先輩よ。校舎が遠いからお会いすることはないけど」
「………は?ははははっまた…、冗談なんて……」
椅子に転がったままで、レイチェルは目だけギラリと光らせた。
「………言わないよな。レイチェルは……」
ノエルにとってこの世界はこの先あるかないかも分からないものだったので、はっきり言って国王がどうとか、王子とか政治とか全く関心がなかった。
国の王太子と気軽に会話して、酔って助けてもらって、男に襲われていたところをまた助けてもらった。
そんなことを、ノエルの両親が知ったら青くなって卒倒するし、国務局に勤めている兄は、辞表を書いてお詫びにいくと言い出しそうな事態である。
「一応、夢を見ないように言っておくと、カイル殿下はもうすぐ婚約することが発表されているわ。相手は公爵家の令嬢や、隣国の王女といった有名どころの美女の名前が出ているから、間違ってもそこと争おうなんて思わない方がいいわよ」
「……なんで、俺が美女に混じって参戦するんだよ。見ないよ、そんな夢」
口に出して否定してから、胸がチクリと痛んだ。きっと、住む世界が違いすぎる人を見て気になっているだけだろう。野次馬みたいな気持ちは捨てて、身の丈にあった出会いを探さなければと、ノエルは背もたれに体を預けて目を閉じた。
そんな、友人の明らかに今までと違う変化に驚きを覚えながら、レイチェルもまた気持ちを切り替えようと、家に戻ったら新しいパーティーを探すことにしたのだった。
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