炎よ永遠に

朝顔

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XXI

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「それで、さっきから何を後ろに隠しているの?」

 じりじりと近づいてきたアルメンティスに、壁に追い詰められて身動きが取れなくなった。
 視界の後ろの方で、楽しそうに笑いながらミスリルがひらひらと手を振って部屋から出て行く姿が見えた。
 あいつ何をしてくれたんだと思っていると、よそ見しないと言われてアルメンティスに顎を掴まれて顔を前の位置に戻された。

「俺に話せないこと?こんな格好をして、カリアドの天使と遊んでいるなんて」

「あっ…遊んでいたわけじゃなくて!衣装合わせだってば!アイツに任せてたらコレを着せられたんだ」

「……まったく、俺のレイにこんな格好を…。で?何で後ろを……」

 おふざけ過ぎな後ろを見られたくなかったが、ここまで追い詰められて怒りのオーラを出されたら、このまま動かないわけにもいかないので俺は渋々口を開いた。

「し……下着……、着てない」

「は?」

「しっ下着着るなって言われたから!この、ショートパンツ変なデザインなんだよ!もう!脱ぐからちょっとどいてくれ!」

 ムッとした顔になったアルメンティスに俺の抵抗など虚しく、脇の下に手を入れられて軽々と持ち上げられてしまった。
 おかげで後ろのデザインまでお披露目することになってしまい、それを見たアルメンティスは静かになった。
 さすがに呆れて言葉を失ったのかもしれない。

「はぁ……完全にカリアドに踊らされてるな。まぁ、たまには素直に受け取るのもいいかもね」

「だっ…ちょ…アルティ…おお…うぁぁっ!」

 尻尾を付けるようだと言われたあの穴が空いた場所にアルメンティスが俺を抱きかかえたまま指を入れてきた。

「ああ、ここはまだ硬いね。よかった…ミスリルが変な悪戯をしなくて」

「変なって……尻尾のことが?」

 何のことがという顔でアルメンティスが俺の顔を見てきたので、ミスリルのトランクから飛び出ている尻尾を指さした。
 それを引っ張ってズルズルと持ち上げたアルメンティスは、先っぽの卑猥な形アレの部分を見て、また頭に手を当ててため息をついた。

「……まさか」

「いい…いや…、それは俺は触ってもない!!あるって言われただけで……」

「そう…。じゃあ、コレを使ってレイにはちゃんとネコになってもらおうかな。ニャーって鳴くまで許さないから」

「はあ!?誰か言うか!そんなアホみたいなこと!」

 不機嫌ですという顔のアルメンティスは俺を持ち上げたまま歩きだした。
 多目的ルームを出てどうやら自分の部屋に向かうらしい。
 いくら俺がアルメンティスの天使だとしても、そこまでほいほいと猫の真似なんてするかと俺は頭の中で固く誓った。







「……ほら、鳴いてみて」

「う……うっ……ぐっ……」

 チロリンと小さな鈴の音がして、もう恥ずかしすぎて気絶したいと願ったが、絶えず押し寄せてくる快感の波がそんな願いを虚しく飲み込んでいく。

「早く楽になりたいでしょう?」

 こいつは神じゃなくて悪魔だろうと心の中で何度も叫んでいたが、そんな抗議をする言葉はもう口から出ることはない。
 変わりにだらしなく喘ぐ声しか紡ぐことができなかった。

「うくぐっ………んっ……んあああ!!」

 強情な俺を屈服させようと征服者は、杭を奥に押し込んでぐりぐりと動かした。それがイイところに当たるので、電気が走ったように痺れて俺はのけぞって嬌声を上げた。

「も……ぬい……抜いてくれ……」

「まだまだ…、ちゃんとネコちゃんにならないとね」

 身体中快感でどろどろになっているのに、アルメンティスは解放してくれない。なんて酷い男だと思いながら顔を上げると、また赤く変わっている瞳が目に入ってきて、体に油が注がれたみたいに余計に熱くなった。

 リンリンと鈴の音色がまた鳴った。もう耳を塞いでしまいたいけれど、俺の手は頭上で拘束されていて動かない。

「小さなベルで結んだレイのここは可愛過ぎだな……。写真に撮って残して……」

「殺す!そんな事したら絶対!」

「えー、俺の個人的な観賞用にさ。宝物にするから」

 宝物と聞いて俺の胸はドキッと弾んだ。そんなものを宝物にするなんて、頭がおかしい。
 カメラを向けられたら足で蹴り落としてやると心に決めた。

「でもさ…ここはすごく喜んでるよ。ほら、ぴくぴく動くからベルがずっと鳴ってるし」

「んぁぁ…あああ!!」

 パンパンになった鈴口を指でピンと弾かれて俺は叫んでびくびくと体を揺らした。

 アルメンティスの部屋に連れて行かれて、ベッドに放り投げられた俺は、早速いつもの濃厚なキスを仕掛けられた。
 しかしキスで煽られてボーッとしてベッドにクタリと寝転んだ俺の横で、アルメンティスはミスリルのトランクから持ってきた包み紙を開けた。
 新品らしく小袋に分けられていたが、中からゴソゴソと何かを取り出した。
 どうやら衣装とセットで色々付けられていたらしく、何が入っていたか見ようとした俺はいきなり手を持ち上げられて、ベッドの上部で手を拘束されてしまった。

 それは手の拘束具で、ふわふわの感触でちっとも痛みはないが、動きが取れなくなってしまった。
 慌てる俺など全く気にしないで、アルメンティスはショートパンツの前を開けて、すでに反応している俺のペニスを取り出した。
 そして、また包の中から赤い紐取り出してきて、それを使ってアソコの先端部分をぎゅっと結んでしまった。
 紐には小さな鈴が付いていて、悪趣味にソコが反応するたびに、リンリンとうるさく鳴り出した。

 そこからはいつもの優しいセックスとは大違いの、意地悪で恥ずかしすぎる行為に俺は翻弄された。
 宣言通り、例の尻尾を後ろに挿れられた。大きさ的にはアルメンティスのモノとは違い小さいが変な形に曲がっていて、それで俺のナカをすっかり熟知した男はイイところガリガリと擦ってきた。

 濃厚な快感に、涙と涎を垂らしてやめてくれと叫んだが、アルメンティスはもっと興奮したみたいに目の色を濃くして、全然手を休めない。
 ついにおれは尻に尻尾が生えて、リンリンと鈴を鳴らす完全な変態になってしまったが、猫の鳴き真似だけは頑として拒否していた。

 しかし、それももう崩壊寸前だった。

 例のアレは確かに気持ちが良くて、認めるのが悔しいてたまらないが、足りないのだ。
 圧倒的な存在感のある、アルメンティスの大きなモノをぶち込まれてぐちゃぐちゃにかき回されたい。
 そして、あの紐を解いて俺のモノを解放して欲しい。強い快感は体に溜まれば溜まるほど解放を求めて暴れていた。

 はやく…はやく…イキたい。

「レイ……俺の可愛いネコちゃん。ちゃんと鳴いてごらん」

 もう……限界だ。

「に………にゃ………」

「なに?聞こえないけど」

「ニャー……こ……これでい…だろ!」

 ニヤリと口の端を上げてアルメンティスは嬉しそうに笑った。そして後ろに入ってた尻尾をずるりと一気に引き抜いた。

「んあああああ!!」

 達することができない疼きに悶えていると、仰向けにされ足を持ち上げられて、孔にぴたりと熱くて硬いものがあてられたのがわかった。

「あああ……それ、それを……欲しい」

「レイ…ちゃんと俺の名前を呼んで」

 アルメンティスは先っぽだけを入れて、すぐに出してしまい、ここまで来ても俺をジラしてきた。
 俺はもうたまらなくて、涙を流しながら懇願した。

「あ……アルティ…お願い……欲しい…。きて……ナカ……挿れてくれ……あぁ!くっっあああ!!」

 尻尾のアレでゆるゆるになった孔は、アルメンティスを簡単に飲み込んでしまった。
 いきなり最奥まで深く入れられて、同時に前を縛っていた紐も解かれたので、俺のペニスからは大量の精液が飛び出してシーツにびゅうびゅうと飛び散った。

「もっと、俺を感じてよ。今日のレイはネコなんでしょう。一番深くまで愛してあげる」

 達した後の気だるさにぼけっとしていたら、アルメンティスが腰を持ち上げてきて、いつもよりずっと深く突き入れて来た。
 いつもより深く、ずっと奥に入っていく感覚がして、強烈な快感に目がチカチカとして気を失いそうになった。

「う……うそ…、そんな……入らな……うううぁぁ…お…奥があたってる…アルティ…だめ…死んじゃう」

「…大丈夫、ほら…全部入ったよ」

 息を漏らし、ぽたぽたと汗が垂らしながらアルメンティもまた、強い快感に身を震わせているようだった。

 アルメンティスは俺を見つめていた。俺を心から欲するような情熱的な視線は心地よくて、全身に熱を運んでいった。
 体を繋げている時はいつもいっぱいいっぱいで、ちゃんと顔を見たことがなかった。アルメンティスはこんなに嬉しそうに切ない目で自分を見ているのだと初めて知った。
 快感の絶頂、燃えるような体に支配されながら、俺は二人の間にあったものが少しずつ取り払われて、距離が近づいたように感じていた。





「昨日は楽しんだ?まったくボクってば、そういうところとっても気が利いちゃうから」

「……おかげで大変な目に合った。もうあんな格好しない」

 ネコの格好をさせられて、アルメンティスが燃えて朝方近くまで責められることになった。なんとか登校はしたが、俺はもう尻が痛いし腰はグラグラでまともに座っていられなくて、机に突っ伏していた。
 そんな俺にミスリルがのんきに話しかけてくるから頭が痛くなった。

「でもさ、ああいう格好すると、普段と違って色々イイでしょう?」

 アルメンティスとのセックスは気持ちよくて優しくて嬉しいものだった。それしか知らなかったが、まさかあんなに激しくてもどかしいくらい苦しいのが気持ちいいなんて事がこの世にあるのかと思わなかった。

「確かに……、いつもと違って凄く……」

 俺は昨夜の痴態を思い出して真っ赤になった。結局、何度も責められて最後はニャンニャン言いながらイってしまった。
 机をバンバン叩いて悶えていると、ミスリルはお腹を抱えて笑ってきた。

「こ…このぉ…!お前のせいで…!」

「本当かーわーいー!レイちゃん。ねぇ、また衣装合わせしようよぉ」

「絶対やらん!当日も話しかけるな!」

 真っ赤になって怒る俺にミスリルは大爆笑で、それを見た周りの生徒が俺達を見て何事かとポカンとしていた。

 結局衣装はアルメンティスの指示のもと、急遽仕立て屋を総動員して用意されることになった。
 とりあえず変な格好はされないだろうという安心感のもと、コンテスト当日を迎えたのだった。





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