25 / 28
25 大きな翼
しおりを挟む
新鮮な空気を肺にいっぱい吸い込んで、空に向かって吐くと、体全体が生まれ変わったように軽くなった。
季節は冬が終わり春になろうとしている。
冷たい風が暖かくなったのを感じて、その心地良さに佐倉は目を閉じた。
高台から見える光景は、連なった山々とひたすら続く大きな田んぼと畑だけだ。
高いビル群に囲まれた生活をしていると、別の世界に迷い込んでしまったような感覚に陥る。
はたして自分の居場所はどちらなのか、それともどこにもないのか。
ずっと分からなくて苦しんでいた。
両親が死んでしまった時、帰る場所をなくしてしまった。
子供のいない叔父夫婦は良くしてくれたが、ある日別の親戚から叔父夫婦は子供が苦手で、二人での生活を望んで作らなかったと聞いてしまった。
今考えると余計なこと言ってくる意地悪な親戚だったが、その時はショックで申し訳ない気持ちになってしまった。
何をしてもされても、気を遣われている気がした。迷惑をかけているんだと思うと、早くここから出ないといけないと思うようになった。
大学の費用は両親の遺産から払った。
残ったお金の半分は叔父夫婦に渡して、半分を持って上京した。
この景色の前に立つと、帰ってきたという思いもあるが、故郷の記憶は楽しい思い出も悲しく感じてしまい、できれば帰りたくはなかった。
三日前、泰成からの電話で叔父の危篤を知らされた。
叔父夫婦には元気でやっているから心配しないでと手紙を送っていた。
手紙の中に緊急連絡先として泰成の携帯を書いて、泰成にも叔父の連絡先を伝えていた。
もし自分に何かあっても、泰成が上手く説明してくれるだろうと思っていたからだ。
そろそろまた手紙を送ろうかと思っていた頃だった。
もともと心臓が悪かった叔父は、農作業中に倒れて、救急車で運ばれた。
緊急手術となって、危篤だからみんなを集めてくれという話になったらしい。
それで連絡が来たというわけだった。
すぐに事務所に向かって泰成に会った。
今後の話を軽くして、すぐに向かえと言ってくれたので急いで新幹線に飛び乗った。
新幹線に乗ってから梶に連絡をしようと思いスマホを探したが、会社に置き忘れてしまったことに気がついた。
戻っている時間はないので、仕方なくそのまま進むしかなかった。
遠くの山々の方に、空を飛ぶ大きな鳥を見つけてぼんやり眺めていたら、名前を呼ばれたような気がした。
振り返って見たが、そこには今までと同じ、静かに墓石が並んでいて、誰一人いなかった。
「お墓ってなんでこんな高台に作るんだろう……。死んでも良い眺めが見れるからなのかな。ねぇ、父さん母さん」
佐倉の目の前には黒い墓石が立っていた。
これは両親の墓だ。
隣は叔父の家の墓だが、叔父はまだここには入らずにすみそうだ。
手術が成功して、しばらくすれば退院すると言われていた。
一時期は危篤だと騒がれたが、開いてみたらそれほど酷くなかったとかで、翌日には意識が回復して親戚に揶揄われて元気に笑っていた。
佐倉がなかなか顔が見せられなくてごめんと言うと、叔父は心配だからたまには帰って来いと言ってくれた。それと、墓参りも忘れるなと言われてドキッとしてしまった。
久々に父と母のお墓を訪れたが、叔父が管理していてくれたので、綺麗に整理されていた。
父の好きだったお酒と、母の好きだった花をお供えして、一息ついたところだった。
この三日間、誰とも連絡が取れない。
仕事の休みはとってあるし、最初は慣れなかったが、なければないで何とかなるものだ。
梶からはきっと今まで通り何の連絡もないだろうから、スマホがなくても何も変わらないなとひとりで笑ってしまった。
「それにしてもここ、歳を取ったらお参りに来るのは大変だな」
先祖代々のお墓は、山のてっぺんに作られていて、千段ぐらいの階段を上って来なければいけなかった。
まるで修行みたいだと思って、また山を眺めようとしたら、今度こそ本当に未春と名前を呼ばれた。
こんなところで聞こえるわけがない。
だけどその声は幻聴ではなく、佐倉の腹の奥まで響いてきた。
「未春」
願望を抱き過ぎておかしくなったのかと思ったが、わずかに風に乗って流れてきたフェロモンの香りで、現実だと分かってしまった。
「うそ……だろ、なんで……」
会いたいと思う気持ちが見せた幻……
……にしてはずいぶんとひどい格好の梶が立っていた。
膝に手をついて苦しそうな姿の梶は、髪が乱れてボサボサになっていた。
はぁはぁと荒い息をして、いつもキッチリ着こなしている高級スーツは大量の汗で濡れていて、ヨレヨレの皺だらけだった。
「智紀……大丈夫か?」
「な……まえ、何度も呼んだ……ハァハァ……やっと……、ここは……万里の長城かっ」
「走って上ってきたのか? 全部で千段近くあるぞ。普段運動しているからって……」
「無茶しても……未春に……」
そこまで言ったところで、よほど急いできたのか、梶はゲホゲホとむせてその場に座り込んでしまった。
佐倉は梶を支えて、とりあえず近くの木陰に座らせて、鞄の中から持っていたペットボトルの水を取り出した。
梶は何度か咳き込みながら、その水を一気にごくごくと飲み干した。
その光景を見ている間も、佐倉は何が起きているのかよく分からなくて、早く状況を聞きたくてたまらなかった。
「なんでここにいるんだ。どうやってここが……」
「いくら急いでいるからって、スマホを忘れるなよ。会いに行ったら未春はいなかったから、会社の人に場所を聞いた。若社長と話して、事情を話して何とか信じてもらって、やっと渡してもらえたから届けにきたんだ」
そう言って梶はポケットからスマホを取り出して佐倉の手の上に載せた。
「いや、ありがたいけど……わざわざ、ここまで来るなんて……」
「だってこうでもしないとお前、また消えてしまうかもしれない。もう嫌なんだ……いなくならないでくれよ」
「なんの話だよ。ここへは叔父のことで来ただけで……明日には帰る予定で……」
やけに感情的になっている梶とは違い、佐倉は状況がよく分からなくて困惑していた。
会いにきてくれたのは嬉しいが、なぜここまでしてくれるのか、それが分からなかった。
「ごめ……ごめんなさい。俺のせいだ」
「え? 何が……?」
「未春が写真家のSAKURAなんだろう?」
「えっ!? どっ、どうして知って……」
「コンテストだよ。五年前の! あの時、俺が気軽に参加したせいで、票が流れてしまった。本当は未春が優秀賞だったはずなんだ……それなのに、俺のせいで……ずっと謝りたくて……」
号泣に近い勢いで梶は泣いていて、だんだんと状況が掴めてきた佐倉は逆に冷静になっていた。
とにかく落ち着かせて話を聞こうと梶の背中を撫でた。
「五年前って言ったら、智樹は高校生か。関係者の息子が賞を取ったって話はチラッと聞いたけど……そうか、それが智紀だったのか。それでSAKURAを……探していた? もしかして泰成にでも聞いたのか? うーん、でも別に俺が賞を取れたとは限らないし、そんなに気に病むことじゃ……」
「そんなわけがあるか! SAKURAの写真が他のどの作品より輝いていた! 間違いなく優秀賞だったんだよ! 俺が奪ってしまったせいで、SAKURAは写真をやめてしまったんじゃないか……俺が未春の夢を……俺のせいで……」
宥めて落ち着かせようと思ったら、両肩を掴まれて倍の熱量で返されてしまった。
これはどう説明したらいいのか、考え過ぎて頭が痛くなってしまった。
「俺の作品を気に入ってくれたのは嬉しいけど、写真をやめたのは自分のせいなんだ。夕貴のことだよ。話しただろう、あの事がちょうど結果が出るくらいの時だった。夕貴を殴ってしまった手で、カメラを持てなくなったんだ。だから全部捨てて逃げてきた。コンテストの結果は残念だったけど、それで誰かを恨むとかそういう思いになったことはない」
「恨んで……ない?」
佐倉が大きく頷くと、梶は魂が抜けたような顔になって、手から力が抜けてぐらりと揺れてしまった。
また地面に倒れそうになったので、佐倉は急いでデカい梶の体を支えた。
「おーい、しっかりしろよ。なんでショック受けるみたいになっているんだ。謝る必要ないのに」
「ううぅ……」
「もしかして、俺のファンだったとか?」
いつも自信たっぷりで堂々としている男が、花が萎れたみたいになって、真っ赤な顔で頷いていた。
いつもとても年下には思えないのに、今は梶に年相応の幼さが見えてドキッとしてしまった。
「そっか……、そこまで思い詰めて、何年も謝ろうとしてくれていたなんて……逆にこちらがお礼を言うべきだな。忘れないでいてくれて、ありがとう」
梶はまた目を潤ませて、こくこくと頷いた。
ちょっと可愛いなと思ってしまい、佐倉は笑いそうになってしまった。
「まったく、泰成先輩も俺がSAKURAだったこと喋っちゃうなんて」
何のきっかけでその話になったのか知らないが、口止めしていたのにどうしてだろうと思ったら、梶はブンブンと首を振った。
「違う、会ったんだ……。偶然、帰りの飛行機で津久井という医師と隣になって、彼を迎えに来たのが夕貴と名乗る男だった」
「え………」
「彼らも探していたんだよ。未春のことを……」
二人の頭上空高く、大きな鳥が飛んでいった。
その影が地面の上を滑っていく様子を見ながら、佐倉は梶に言われたことを頭の中で繰り返した。
□□□
季節は冬が終わり春になろうとしている。
冷たい風が暖かくなったのを感じて、その心地良さに佐倉は目を閉じた。
高台から見える光景は、連なった山々とひたすら続く大きな田んぼと畑だけだ。
高いビル群に囲まれた生活をしていると、別の世界に迷い込んでしまったような感覚に陥る。
はたして自分の居場所はどちらなのか、それともどこにもないのか。
ずっと分からなくて苦しんでいた。
両親が死んでしまった時、帰る場所をなくしてしまった。
子供のいない叔父夫婦は良くしてくれたが、ある日別の親戚から叔父夫婦は子供が苦手で、二人での生活を望んで作らなかったと聞いてしまった。
今考えると余計なこと言ってくる意地悪な親戚だったが、その時はショックで申し訳ない気持ちになってしまった。
何をしてもされても、気を遣われている気がした。迷惑をかけているんだと思うと、早くここから出ないといけないと思うようになった。
大学の費用は両親の遺産から払った。
残ったお金の半分は叔父夫婦に渡して、半分を持って上京した。
この景色の前に立つと、帰ってきたという思いもあるが、故郷の記憶は楽しい思い出も悲しく感じてしまい、できれば帰りたくはなかった。
三日前、泰成からの電話で叔父の危篤を知らされた。
叔父夫婦には元気でやっているから心配しないでと手紙を送っていた。
手紙の中に緊急連絡先として泰成の携帯を書いて、泰成にも叔父の連絡先を伝えていた。
もし自分に何かあっても、泰成が上手く説明してくれるだろうと思っていたからだ。
そろそろまた手紙を送ろうかと思っていた頃だった。
もともと心臓が悪かった叔父は、農作業中に倒れて、救急車で運ばれた。
緊急手術となって、危篤だからみんなを集めてくれという話になったらしい。
それで連絡が来たというわけだった。
すぐに事務所に向かって泰成に会った。
今後の話を軽くして、すぐに向かえと言ってくれたので急いで新幹線に飛び乗った。
新幹線に乗ってから梶に連絡をしようと思いスマホを探したが、会社に置き忘れてしまったことに気がついた。
戻っている時間はないので、仕方なくそのまま進むしかなかった。
遠くの山々の方に、空を飛ぶ大きな鳥を見つけてぼんやり眺めていたら、名前を呼ばれたような気がした。
振り返って見たが、そこには今までと同じ、静かに墓石が並んでいて、誰一人いなかった。
「お墓ってなんでこんな高台に作るんだろう……。死んでも良い眺めが見れるからなのかな。ねぇ、父さん母さん」
佐倉の目の前には黒い墓石が立っていた。
これは両親の墓だ。
隣は叔父の家の墓だが、叔父はまだここには入らずにすみそうだ。
手術が成功して、しばらくすれば退院すると言われていた。
一時期は危篤だと騒がれたが、開いてみたらそれほど酷くなかったとかで、翌日には意識が回復して親戚に揶揄われて元気に笑っていた。
佐倉がなかなか顔が見せられなくてごめんと言うと、叔父は心配だからたまには帰って来いと言ってくれた。それと、墓参りも忘れるなと言われてドキッとしてしまった。
久々に父と母のお墓を訪れたが、叔父が管理していてくれたので、綺麗に整理されていた。
父の好きだったお酒と、母の好きだった花をお供えして、一息ついたところだった。
この三日間、誰とも連絡が取れない。
仕事の休みはとってあるし、最初は慣れなかったが、なければないで何とかなるものだ。
梶からはきっと今まで通り何の連絡もないだろうから、スマホがなくても何も変わらないなとひとりで笑ってしまった。
「それにしてもここ、歳を取ったらお参りに来るのは大変だな」
先祖代々のお墓は、山のてっぺんに作られていて、千段ぐらいの階段を上って来なければいけなかった。
まるで修行みたいだと思って、また山を眺めようとしたら、今度こそ本当に未春と名前を呼ばれた。
こんなところで聞こえるわけがない。
だけどその声は幻聴ではなく、佐倉の腹の奥まで響いてきた。
「未春」
願望を抱き過ぎておかしくなったのかと思ったが、わずかに風に乗って流れてきたフェロモンの香りで、現実だと分かってしまった。
「うそ……だろ、なんで……」
会いたいと思う気持ちが見せた幻……
……にしてはずいぶんとひどい格好の梶が立っていた。
膝に手をついて苦しそうな姿の梶は、髪が乱れてボサボサになっていた。
はぁはぁと荒い息をして、いつもキッチリ着こなしている高級スーツは大量の汗で濡れていて、ヨレヨレの皺だらけだった。
「智紀……大丈夫か?」
「な……まえ、何度も呼んだ……ハァハァ……やっと……、ここは……万里の長城かっ」
「走って上ってきたのか? 全部で千段近くあるぞ。普段運動しているからって……」
「無茶しても……未春に……」
そこまで言ったところで、よほど急いできたのか、梶はゲホゲホとむせてその場に座り込んでしまった。
佐倉は梶を支えて、とりあえず近くの木陰に座らせて、鞄の中から持っていたペットボトルの水を取り出した。
梶は何度か咳き込みながら、その水を一気にごくごくと飲み干した。
その光景を見ている間も、佐倉は何が起きているのかよく分からなくて、早く状況を聞きたくてたまらなかった。
「なんでここにいるんだ。どうやってここが……」
「いくら急いでいるからって、スマホを忘れるなよ。会いに行ったら未春はいなかったから、会社の人に場所を聞いた。若社長と話して、事情を話して何とか信じてもらって、やっと渡してもらえたから届けにきたんだ」
そう言って梶はポケットからスマホを取り出して佐倉の手の上に載せた。
「いや、ありがたいけど……わざわざ、ここまで来るなんて……」
「だってこうでもしないとお前、また消えてしまうかもしれない。もう嫌なんだ……いなくならないでくれよ」
「なんの話だよ。ここへは叔父のことで来ただけで……明日には帰る予定で……」
やけに感情的になっている梶とは違い、佐倉は状況がよく分からなくて困惑していた。
会いにきてくれたのは嬉しいが、なぜここまでしてくれるのか、それが分からなかった。
「ごめ……ごめんなさい。俺のせいだ」
「え? 何が……?」
「未春が写真家のSAKURAなんだろう?」
「えっ!? どっ、どうして知って……」
「コンテストだよ。五年前の! あの時、俺が気軽に参加したせいで、票が流れてしまった。本当は未春が優秀賞だったはずなんだ……それなのに、俺のせいで……ずっと謝りたくて……」
号泣に近い勢いで梶は泣いていて、だんだんと状況が掴めてきた佐倉は逆に冷静になっていた。
とにかく落ち着かせて話を聞こうと梶の背中を撫でた。
「五年前って言ったら、智樹は高校生か。関係者の息子が賞を取ったって話はチラッと聞いたけど……そうか、それが智紀だったのか。それでSAKURAを……探していた? もしかして泰成にでも聞いたのか? うーん、でも別に俺が賞を取れたとは限らないし、そんなに気に病むことじゃ……」
「そんなわけがあるか! SAKURAの写真が他のどの作品より輝いていた! 間違いなく優秀賞だったんだよ! 俺が奪ってしまったせいで、SAKURAは写真をやめてしまったんじゃないか……俺が未春の夢を……俺のせいで……」
宥めて落ち着かせようと思ったら、両肩を掴まれて倍の熱量で返されてしまった。
これはどう説明したらいいのか、考え過ぎて頭が痛くなってしまった。
「俺の作品を気に入ってくれたのは嬉しいけど、写真をやめたのは自分のせいなんだ。夕貴のことだよ。話しただろう、あの事がちょうど結果が出るくらいの時だった。夕貴を殴ってしまった手で、カメラを持てなくなったんだ。だから全部捨てて逃げてきた。コンテストの結果は残念だったけど、それで誰かを恨むとかそういう思いになったことはない」
「恨んで……ない?」
佐倉が大きく頷くと、梶は魂が抜けたような顔になって、手から力が抜けてぐらりと揺れてしまった。
また地面に倒れそうになったので、佐倉は急いでデカい梶の体を支えた。
「おーい、しっかりしろよ。なんでショック受けるみたいになっているんだ。謝る必要ないのに」
「ううぅ……」
「もしかして、俺のファンだったとか?」
いつも自信たっぷりで堂々としている男が、花が萎れたみたいになって、真っ赤な顔で頷いていた。
いつもとても年下には思えないのに、今は梶に年相応の幼さが見えてドキッとしてしまった。
「そっか……、そこまで思い詰めて、何年も謝ろうとしてくれていたなんて……逆にこちらがお礼を言うべきだな。忘れないでいてくれて、ありがとう」
梶はまた目を潤ませて、こくこくと頷いた。
ちょっと可愛いなと思ってしまい、佐倉は笑いそうになってしまった。
「まったく、泰成先輩も俺がSAKURAだったこと喋っちゃうなんて」
何のきっかけでその話になったのか知らないが、口止めしていたのにどうしてだろうと思ったら、梶はブンブンと首を振った。
「違う、会ったんだ……。偶然、帰りの飛行機で津久井という医師と隣になって、彼を迎えに来たのが夕貴と名乗る男だった」
「え………」
「彼らも探していたんだよ。未春のことを……」
二人の頭上空高く、大きな鳥が飛んでいった。
その影が地面の上を滑っていく様子を見ながら、佐倉は梶に言われたことを頭の中で繰り返した。
□□□
20
お気に入りに追加
349
あなたにおすすめの小説
運命のアルファ
猫丸
BL
俺、高木颯人は、幼い頃から亮太が好きだった。亮太はずっと俺のヒーローだ。
亮太がアルファだと知った時、自分の第二の性が不明でも、自分はオメガだから将来は大好きな亮太と番婚するのだと信じて疑わなかった。
だが、検査の結果を見て俺の世界が一変した。
まさか自分もアルファだとは……。
二人で交わした番婚の約束など、とっくに破綻しているというのに亮太を手放せない颯人。
オメガじゃなかったから、颯人は自分を必要としていないのだ、と荒れる亮太。
オメガバース/アルファ同士の恋愛。
CP:相手の前でだけヒーローになるクズアルファ ✕ 甘ったれアルファ
※颯人視点は2024/1/30 21:00完結、亮太視点は1/31 21:00完結です。
※話の都合上、途中女性やオメガ男性を貶めるような発言が出てきます(特に亮太視点)。地雷がある方、苦手な方は自衛してください。
※表紙画像は、亮太をイメージして作成したAI画像です。

もっと深いところで傷つけて
屑籠
BL
大蔵洋は、ただ彼の目に映りたかっただけだった。
歪んだ運命のその先に、いったい何があるというのか。
ムーンライト、fujossy同時掲載。
頭がぱーんってなる、即落ちな話が書きたかったんだ。
でも、いがみ合ってる関係も好きだし、なんなら受けが攻めを嫌ってる、元攻めだったとしても全然おいしいんだけど……

当たり前の幸せ
ヒイロ
BL
結婚4年目で別れを決意する。長い間愛があると思っていた結婚だったが嫌われてるとは気付かずいたから。すれ違いからのハッピーエンド。オメガバース。よくある話。
初投稿なので色々矛盾などご容赦を。
ゆっくり更新します。
すみません名前変えました。

欠陥αは運命を追う
豆ちよこ
BL
「宗次さんから番の匂いがします」
従兄弟の番からそう言われたアルファの宝条宗次は、全く心当たりの無いその言葉に微かな期待を抱く。忘れ去られた記憶の中に、自分の求める運命の人がいるかもしれないーー。
けれどその匂いは日に日に薄れていく。早く探し出さないと二度と会えなくなってしまう。匂いが消える時…それは、番の命が尽きる時。
※自己解釈・自己設定有り
※R指定はほぼ無し
※アルファ(攻め)視点

サンタからの贈り物
未瑠
BL
ずっと片思いをしていた冴木光流(さえきひかる)に想いを告げた橘唯人(たちばなゆいと)。でも、彼は出来るビジネスエリートで仕事第一。なかなか会うこともできない日々に、唯人は不安が募る。付き合って初めてのクリスマスも冴木は出張でいない。一人寂しくイブを過ごしていると、玄関チャイムが鳴る。
※別小説のセルフリメイクです。
オメガバース 悲しい運命なら僕はいらない
潮 雨花
BL
魂の番に捨てられたオメガの氷見華月は、魂の番と死別した幼馴染でアルファの如月帝一と共に暮らしている。
いずれはこの人の番になるのだろう……華月はそう思っていた。
そんなある日、帝一の弟であり華月を捨てたアルファ・如月皇司の婚約が知らされる。
一度は想い合っていた皇司の婚約に、華月は――。
たとえ想い合っていても、魂の番であったとしても、それは悲しい運命の始まりかもしれない。
アルファで茶道の家元の次期当主と、オメガで華道の家元で蔑まれてきた青年の、切ないブルジョア・ラブ・ストーリー

獣人王と番の寵妃
沖田弥子
BL
オメガの天は舞手として、獣人王の後宮に参内する。だがそれは妃になるためではなく、幼い頃に翡翠の欠片を授けてくれた獣人を捜すためだった。宴で粗相をした天を、エドと名乗るアルファの獣人が庇ってくれた。彼に不埒な真似をされて戸惑うが、後日川辺でふたりは再会を果たす。以来、王以外の獣人と会うことは罪と知りながらも逢瀬を重ねる。エドに灯籠流しの夜に会おうと告げられ、それを最後にしようと決めるが、逢引きが告発されてしまう。天は懲罰として刑務庭送りになり――
いつか幸せを抱きしめて~運命の番に捨てられたαと運命の番を亡くしたΩ~
トウ子
BL
【第四シリーズ あらすじ】
運命の番に捨てられたαの久遠雅哉は失意の中で、運命を呪っていた。しかし、一人の青年を紹介され、彼の世界は再び色彩を取り戻していく。
「愛し方には、正解も不正解も、成功も失敗もありません」
そう笑うのは、二十歳下の美しいΩだった。
※夕凪様のTwitter企画『#シチュ設定丸かぶり創作ゲーム(最後のキス/背徳/乗り物の中/目隠し/雨降り/指輪)』参加作品でした。
※「いつか離れる日が来ると知っていたのに~βに恋したΩの話~」の後の話のため、こちらを先に読むとネタバレがあります。
「いつかあなたのモノにして~運命を信じないαに恋したΩの話~」の五年前からスタートします。
20:00、7:00更新
ムーンライトノベルズ、エブリスタにも掲載
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる