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12月○日、獣騎士軍、そして絵世界の王女と蛇
42.描々猫々、さぁ今度は牛が暴れまして!
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――左近さんの正体はジュラの父親であり、右近の正体は蜘蛛の顔した巽派の超獣巳雲だった――
「巳雲さん……?」
カノ子ちゃんは、自分達を貶める右大臣が父親の弟子であることを知り、驚きを隠せない。
「お嬢様には申し訳御座いませんが、獅子玉と一緒に過ごした罪として死んでいただきます……」
「巳雲さん、どうしてこんなことを!」
「獅子玉が邪魔だからですよ……」
巳雲の本音が出たところで、左大臣が大笑いをする。
「とうとう尻尾をだしやがったなァッ! あ、蜘蛛人間には尻尾はねぇか、はっはっはぁッ‼」
「アナタはワタシのパパじゃナイ……!」
高らかに笑う左近さんに、ジュラは指摘する。
「おい、巳雲。言質取ったからにゃァ、オメェの好きにはさせねぇよ!」
「まさか、あなたは……ッ!」
左近さんは黒白の煙を出して、白狐姿の先生へと変身した。
「おい巳雲、オメェはやっぱり黒幕側の悪党だったんだなァ!」
「悪党とは獅子玉の方であろう!」
巳雲は、人間の手をかざし蜘蛛の糸を出す。
先生は九尾から炎を出し、相殺させる。
「相変わらずネチネチしやがって気に食わねぇなァ!」
「うるさい! あと少しで反乱分子を消し去り、あの馬鹿王女に目にものを見せるのだ!」
「ほーん、花梨ちゃんを馬鹿王女呼ばわりか……。だとよォ、孟々ッ!」
先生は孟々さんの名を呼ぶと、地下牢の天井を突き破り、孟々さんが落ちてきた。
孟々さんは目を赤く光らせて、
「獅子玉家を悪く言う人は、誰であろうと赦さないッ‼」
赤い妖気を放ち怒る、孟々さん。
一瞬で巳雲を殴り、物凄い勢いで壁に打ち付け、一発で気絶させる。
「これでも手加減はしましたから、もうっ、もう二度と獅子玉を悪く言わないでください……」
そう言って、凄まじい力に唖然としている俺達の元にきて、牢屋の鉄格子を一発でグニャっと広げる。
「皆様、もうこんな所から早く逃げましょう!」
いつもの優しそうな目に戻った孟々さんは俺達を導いてくれた。
すると気絶していた巳雲が、
『私から……逃げられると思うなぁああっ!』
数十どころか数百の小さな蜘蛛へと分裂し、
『この城内は全て私のものだ……』
小さな蜘蛛達は、龍馬さんが召喚した人形の様に変身する。
『貴方達は何が何でも、此処で消えてもらう』
「オメェら、ここはアタシに任せて先に行け!」
「もうっ、そうやっていつも大変な仕事は他人任せなんですから……」
「花梨ちゃんを守るのは、虎之助とミィって決まってるだろォ?」
「もうっ、そうですね……。皆様、あとは任せました!」
陽子先生と孟々さんに巳雲の足止めを任せて六人で玉座へと向かう。
地下牢の階段を駆け上がると、獣騎士軍の兵達が俺達に襲い掛かる。
「お嬢様大丈夫ですか!」
「私は大丈夫、それよりもトラくんが!」
「とらのすけはミィがまもるにゃ!」
慶くんはカノ子ちゃんを守り、ミィは俺を守る。
すると心ここにあらずのジュラが敵に襲われ、
「キャアッ!」
「もしもし亀さん、足手纏いになるなら先生達と一緒にいてくれないかしら……」
「…………」
仲間を助けつつ階段を上るが、相手を傷つけず逃げるのが難しい。
日本刀を扱う慶くんは峰打ちで、他は素手や妖術で気絶をさせる。
そんな中で俺は、かぶとっちさんの時と同じように蜂蜜を撒き散らした!
「……おい、虎之助。ふざけてるのか?」
「トラくん……?」
「やっぱりまずいにゃぁ」
「虎之助、こんな時にドロドロした物を御嬢様に掛けるなんて許せないわ……」
「…………」
白い目をされた結果、蜘蛛の糸が見つかった。
やはり、かぶとっちさんの時の犯人は巳雲さんだったたのか!
みんなから白い目をされたこと、俺の目の黒い内は許さないからなッ‼︎
――聞こえるかのー、小僧。
ふと、聞き覚えのある声が頭に響く。
もしかして、龍馬さんですか……?
――ホッホォ、どうやら煎餅を食べたようじゃのぉ。
絵世界から姿を消したはずじゃ……
――煎餅は謂わば、遺言状みたいなもんだ。
どうして俺なんかに……
――今の腐った巽派を救えるかどうかは、小僧と猫に掛かっているからのぉ。お主達に賭けてみようと思ったのだ、光栄に思えよー。
「にゃぁ、とらのすけ! こんな時に巽のじいちゃんの声が聞こえるにゃー」
ミィも煎餅を食べたから、遺言が聞こえているらしい。
――兎に角、
『眼が駄目なら心』よ。
心が無い者は斬り捨てろ!
そうか……!
神経を集中して、襲い掛かってくる兵を見ると、心臓辺りに魂みたいな物が見える。
丸い球を持つ兵がカノ子ちゃんに向かって剣を振るい上げる。
すると咄嗟の判断で、慶くんが峰打ちではなく真剣の刃を振ろうとした、
「だめだにゃーっ!」
ミィは兵を殴り、その流れで慶くんにも猫パンチを繰り出す。
「ミィちゃん!」
「痛ってぇっ! このドラ猫、なにしやがる!」
「鳥息子の目もブラックホールにゃ! その兵にはタマがあるにゃ!」
「なにを言って……ッ!」
「ミィの言う通り! 操られている兵士と、偽物の兵士がいる!」
俺は形振り構わず大声で、その場を収めようとする。
「皆には見えないかもだけど、巳雲さんが作った人形と、操られている兵士がいるんだ」
襲い掛かる沢山の兵を見て、
「櫻さん、あの兵士を斬ってください!」
「分かった……」
くノ一の様に短剣で斬り捨てると墨汁となり消えていく。
「次はあの兵の頭上を空振りしてください!」
「うん……」
兎の跳躍力で、兵士の頭上を空振りすると、兵士は糸が切られた人形のように倒れる。
「……あれ、おいらは一体……」
先程門番だったリザードマンが正気に戻る。
「トラくん、これは……⁉︎」
「皆にはまだ見えないかもだけど、俺には見える……さぁ、行こう!」
俺は自分の能力を信じて指示を出す。
階段を上り広間へ出て、自分の母が待つ玉座へと走り出した――
「巳雲さん……?」
カノ子ちゃんは、自分達を貶める右大臣が父親の弟子であることを知り、驚きを隠せない。
「お嬢様には申し訳御座いませんが、獅子玉と一緒に過ごした罪として死んでいただきます……」
「巳雲さん、どうしてこんなことを!」
「獅子玉が邪魔だからですよ……」
巳雲の本音が出たところで、左大臣が大笑いをする。
「とうとう尻尾をだしやがったなァッ! あ、蜘蛛人間には尻尾はねぇか、はっはっはぁッ‼」
「アナタはワタシのパパじゃナイ……!」
高らかに笑う左近さんに、ジュラは指摘する。
「おい、巳雲。言質取ったからにゃァ、オメェの好きにはさせねぇよ!」
「まさか、あなたは……ッ!」
左近さんは黒白の煙を出して、白狐姿の先生へと変身した。
「おい巳雲、オメェはやっぱり黒幕側の悪党だったんだなァ!」
「悪党とは獅子玉の方であろう!」
巳雲は、人間の手をかざし蜘蛛の糸を出す。
先生は九尾から炎を出し、相殺させる。
「相変わらずネチネチしやがって気に食わねぇなァ!」
「うるさい! あと少しで反乱分子を消し去り、あの馬鹿王女に目にものを見せるのだ!」
「ほーん、花梨ちゃんを馬鹿王女呼ばわりか……。だとよォ、孟々ッ!」
先生は孟々さんの名を呼ぶと、地下牢の天井を突き破り、孟々さんが落ちてきた。
孟々さんは目を赤く光らせて、
「獅子玉家を悪く言う人は、誰であろうと赦さないッ‼」
赤い妖気を放ち怒る、孟々さん。
一瞬で巳雲を殴り、物凄い勢いで壁に打ち付け、一発で気絶させる。
「これでも手加減はしましたから、もうっ、もう二度と獅子玉を悪く言わないでください……」
そう言って、凄まじい力に唖然としている俺達の元にきて、牢屋の鉄格子を一発でグニャっと広げる。
「皆様、もうこんな所から早く逃げましょう!」
いつもの優しそうな目に戻った孟々さんは俺達を導いてくれた。
すると気絶していた巳雲が、
『私から……逃げられると思うなぁああっ!』
数十どころか数百の小さな蜘蛛へと分裂し、
『この城内は全て私のものだ……』
小さな蜘蛛達は、龍馬さんが召喚した人形の様に変身する。
『貴方達は何が何でも、此処で消えてもらう』
「オメェら、ここはアタシに任せて先に行け!」
「もうっ、そうやっていつも大変な仕事は他人任せなんですから……」
「花梨ちゃんを守るのは、虎之助とミィって決まってるだろォ?」
「もうっ、そうですね……。皆様、あとは任せました!」
陽子先生と孟々さんに巳雲の足止めを任せて六人で玉座へと向かう。
地下牢の階段を駆け上がると、獣騎士軍の兵達が俺達に襲い掛かる。
「お嬢様大丈夫ですか!」
「私は大丈夫、それよりもトラくんが!」
「とらのすけはミィがまもるにゃ!」
慶くんはカノ子ちゃんを守り、ミィは俺を守る。
すると心ここにあらずのジュラが敵に襲われ、
「キャアッ!」
「もしもし亀さん、足手纏いになるなら先生達と一緒にいてくれないかしら……」
「…………」
仲間を助けつつ階段を上るが、相手を傷つけず逃げるのが難しい。
日本刀を扱う慶くんは峰打ちで、他は素手や妖術で気絶をさせる。
そんな中で俺は、かぶとっちさんの時と同じように蜂蜜を撒き散らした!
「……おい、虎之助。ふざけてるのか?」
「トラくん……?」
「やっぱりまずいにゃぁ」
「虎之助、こんな時にドロドロした物を御嬢様に掛けるなんて許せないわ……」
「…………」
白い目をされた結果、蜘蛛の糸が見つかった。
やはり、かぶとっちさんの時の犯人は巳雲さんだったたのか!
みんなから白い目をされたこと、俺の目の黒い内は許さないからなッ‼︎
――聞こえるかのー、小僧。
ふと、聞き覚えのある声が頭に響く。
もしかして、龍馬さんですか……?
――ホッホォ、どうやら煎餅を食べたようじゃのぉ。
絵世界から姿を消したはずじゃ……
――煎餅は謂わば、遺言状みたいなもんだ。
どうして俺なんかに……
――今の腐った巽派を救えるかどうかは、小僧と猫に掛かっているからのぉ。お主達に賭けてみようと思ったのだ、光栄に思えよー。
「にゃぁ、とらのすけ! こんな時に巽のじいちゃんの声が聞こえるにゃー」
ミィも煎餅を食べたから、遺言が聞こえているらしい。
――兎に角、
『眼が駄目なら心』よ。
心が無い者は斬り捨てろ!
そうか……!
神経を集中して、襲い掛かってくる兵を見ると、心臓辺りに魂みたいな物が見える。
丸い球を持つ兵がカノ子ちゃんに向かって剣を振るい上げる。
すると咄嗟の判断で、慶くんが峰打ちではなく真剣の刃を振ろうとした、
「だめだにゃーっ!」
ミィは兵を殴り、その流れで慶くんにも猫パンチを繰り出す。
「ミィちゃん!」
「痛ってぇっ! このドラ猫、なにしやがる!」
「鳥息子の目もブラックホールにゃ! その兵にはタマがあるにゃ!」
「なにを言って……ッ!」
「ミィの言う通り! 操られている兵士と、偽物の兵士がいる!」
俺は形振り構わず大声で、その場を収めようとする。
「皆には見えないかもだけど、巳雲さんが作った人形と、操られている兵士がいるんだ」
襲い掛かる沢山の兵を見て、
「櫻さん、あの兵士を斬ってください!」
「分かった……」
くノ一の様に短剣で斬り捨てると墨汁となり消えていく。
「次はあの兵の頭上を空振りしてください!」
「うん……」
兎の跳躍力で、兵士の頭上を空振りすると、兵士は糸が切られた人形のように倒れる。
「……あれ、おいらは一体……」
先程門番だったリザードマンが正気に戻る。
「トラくん、これは……⁉︎」
「皆にはまだ見えないかもだけど、俺には見える……さぁ、行こう!」
俺は自分の能力を信じて指示を出す。
階段を上り広間へ出て、自分の母が待つ玉座へと走り出した――
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