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衣類
第十話【ビキニ】
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夏と言えば。
海やプール!
そして。
水着!!
花火大会や夏祭り、バーベキューも楽しいけれど。
やっぱり、夏と言えば海だよね!
今年も新調しましたよー!
悩殺ビキニ!
ワイヤーホルターの花柄!
しかも、勿論……上げ底シリコンパット挿入!
これで胸に谷間をクッキリンコ!
可愛くもセクシーでもあるから、最高でしょ?
そう思って、大好きな彼を誘って海に行ったんだけど……
「ママーー! ク、クラゲ!」
海で泳いでいたら、愛しい彼と逸れ、途方に暮れている所で、近くにいた子供が泣き喚いた。
まだ、クラゲの出る季節ではないし、彼がどこにいるのか分らなくて心細い上に、子供の甲高い泣き声にイライラしながらも、ふと振り返って見ると。
そこには、クラゲではなく、私のビキニの中に入っていた、シリコンらしきものが……!
慌てて、「あーーー! ごめんねぇ。これ、くらげじゃないんだよぉ。お姉ちゃんのなんだよぉ」と言いながら、そのプニプニとした触感の、クラゲもどきならぬ、シリコンパットを手にとり、ビキニの中に入れようとするも……
“あ……あれ?……?”
もう片方の胸にも手を当てるが……
“あれれ?……両方とも……入ってる”
そう。
ビキニに挿入したシリコンパットは、しっかりあったのです。
じゃぁ。
今、私の手に持っているものは……
未だ、「クラゲ、クラゲ!」と泣き叫ぶ子供よりも、手元にあるシリコンパットだと思っているものが、気になる私。
恐る恐るそれを見ようとした時に、横から、低く、男とも女ともつかない声が……
「……それ……ワタシの……」
スッと私の手から、ソレを奪い取る。
“え?”と思い、横を振り返ると、そこには長い髪をした、背の高い女性がニヤリと笑いながら、そのシリコンパットを自分の胸の……ビキニの中に入れていた。
思わず、「あ、すみません」と言ったものの、妙な違和感を感じる。
そして、更に、子供が大きく泣き出し、もはや、何を言っているかすら分らない。
茫然と彼女を見つめていると、遠くから愛しい彼の声が……
ハッとなって、声のする方に顔を向けると、彼が、私を探してくれていたようで、一生懸命、こちらに泳いでやって来ていた。
ホッとして彼に手を振った後、再度、女性の方に目をやると、既に、そこには誰もおらず。
辺りをキョロキョロ見渡してみても、あれだけ背の高い女性であれば目立つ筈なのに、たった数秒で一瞬にして消えてしまったかのようにどこにも居ない。
“え?”
不思議に思っていると、先程から泣いている子供が一向に泣き止まず、挙句の果てには、母親らしき人が子供を叱っている。
驚かしてしまったのは、結果的には私のシリコンではなかったのだが、まぁ、クラゲだと思っているものを手で触った私に対しても、びっくりしているんだろうと、少し、責任を感じて、母親らしき人に謝るとその人は逆に申し訳なさそうな顔をし、こう言った。
「いえいえ。うちの子、昔から、お風呂にクラゲが浮いているだとか。おじいちゃんのお葬式の時でも、おじいちゃんの体からクラゲが出ただとか。変な事ばかり言うんですよ。気味が悪いから、そんな事、言うんじゃありません! と叱っても……怯えて言う事をきかなくって……」
その言葉を聞いた時。
思わず、私は固まった。
クラゲ云々や、先程のシリコンパット云々の事よりも。
さっき感じた、あの女性への妙な違和感の理由に気が付いたから。
そう。
あの女性は、髪の毛が長かった。
そして、その髪の毛は海面についていたにも関わらず、海面に漂う訳でも無く、そのまま、海面の中に、まっすぐ黒い髪の毛を垂らしていたのだ。
”あれは……人間じゃない……”
そう思った瞬間、私はこの真夏の太陽の下、唇は真っ青になり、身体の震えが止まらなくなった。
”じゃ、じゃぁ……私が触った……あの、プニプニとしたクラゲのような、シリコンのような、あの物体は一体?”
愛しい彼が傍に来た時には、既に気絶寸前で。
その日は、せっかくの楽しい筈の夏の日の思い出が全てオジャン。
しかも、それ以来、私は、海やクラゲはもとより、ビキニすらも恐怖を感じるようになってしまったんだ。
そう。
あの女性が……
いや。
あの得体の知れない何者かが、自分のビキニに入れた。
あの奇妙な“何か”が、入っているような気がして……
海やプール!
そして。
水着!!
花火大会や夏祭り、バーベキューも楽しいけれど。
やっぱり、夏と言えば海だよね!
今年も新調しましたよー!
悩殺ビキニ!
ワイヤーホルターの花柄!
しかも、勿論……上げ底シリコンパット挿入!
これで胸に谷間をクッキリンコ!
可愛くもセクシーでもあるから、最高でしょ?
そう思って、大好きな彼を誘って海に行ったんだけど……
「ママーー! ク、クラゲ!」
海で泳いでいたら、愛しい彼と逸れ、途方に暮れている所で、近くにいた子供が泣き喚いた。
まだ、クラゲの出る季節ではないし、彼がどこにいるのか分らなくて心細い上に、子供の甲高い泣き声にイライラしながらも、ふと振り返って見ると。
そこには、クラゲではなく、私のビキニの中に入っていた、シリコンらしきものが……!
慌てて、「あーーー! ごめんねぇ。これ、くらげじゃないんだよぉ。お姉ちゃんのなんだよぉ」と言いながら、そのプニプニとした触感の、クラゲもどきならぬ、シリコンパットを手にとり、ビキニの中に入れようとするも……
“あ……あれ?……?”
もう片方の胸にも手を当てるが……
“あれれ?……両方とも……入ってる”
そう。
ビキニに挿入したシリコンパットは、しっかりあったのです。
じゃぁ。
今、私の手に持っているものは……
未だ、「クラゲ、クラゲ!」と泣き叫ぶ子供よりも、手元にあるシリコンパットだと思っているものが、気になる私。
恐る恐るそれを見ようとした時に、横から、低く、男とも女ともつかない声が……
「……それ……ワタシの……」
スッと私の手から、ソレを奪い取る。
“え?”と思い、横を振り返ると、そこには長い髪をした、背の高い女性がニヤリと笑いながら、そのシリコンパットを自分の胸の……ビキニの中に入れていた。
思わず、「あ、すみません」と言ったものの、妙な違和感を感じる。
そして、更に、子供が大きく泣き出し、もはや、何を言っているかすら分らない。
茫然と彼女を見つめていると、遠くから愛しい彼の声が……
ハッとなって、声のする方に顔を向けると、彼が、私を探してくれていたようで、一生懸命、こちらに泳いでやって来ていた。
ホッとして彼に手を振った後、再度、女性の方に目をやると、既に、そこには誰もおらず。
辺りをキョロキョロ見渡してみても、あれだけ背の高い女性であれば目立つ筈なのに、たった数秒で一瞬にして消えてしまったかのようにどこにも居ない。
“え?”
不思議に思っていると、先程から泣いている子供が一向に泣き止まず、挙句の果てには、母親らしき人が子供を叱っている。
驚かしてしまったのは、結果的には私のシリコンではなかったのだが、まぁ、クラゲだと思っているものを手で触った私に対しても、びっくりしているんだろうと、少し、責任を感じて、母親らしき人に謝るとその人は逆に申し訳なさそうな顔をし、こう言った。
「いえいえ。うちの子、昔から、お風呂にクラゲが浮いているだとか。おじいちゃんのお葬式の時でも、おじいちゃんの体からクラゲが出ただとか。変な事ばかり言うんですよ。気味が悪いから、そんな事、言うんじゃありません! と叱っても……怯えて言う事をきかなくって……」
その言葉を聞いた時。
思わず、私は固まった。
クラゲ云々や、先程のシリコンパット云々の事よりも。
さっき感じた、あの女性への妙な違和感の理由に気が付いたから。
そう。
あの女性は、髪の毛が長かった。
そして、その髪の毛は海面についていたにも関わらず、海面に漂う訳でも無く、そのまま、海面の中に、まっすぐ黒い髪の毛を垂らしていたのだ。
”あれは……人間じゃない……”
そう思った瞬間、私はこの真夏の太陽の下、唇は真っ青になり、身体の震えが止まらなくなった。
”じゃ、じゃぁ……私が触った……あの、プニプニとしたクラゲのような、シリコンのような、あの物体は一体?”
愛しい彼が傍に来た時には、既に気絶寸前で。
その日は、せっかくの楽しい筈の夏の日の思い出が全てオジャン。
しかも、それ以来、私は、海やクラゲはもとより、ビキニすらも恐怖を感じるようになってしまったんだ。
そう。
あの女性が……
いや。
あの得体の知れない何者かが、自分のビキニに入れた。
あの奇妙な“何か”が、入っているような気がして……
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