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自然
第四話 【草相撲】
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今の若い子って言うのもおかしいけれど、君は、小さい頃、『草相撲』なんて、した事あるのかなぁ?
おじさん達の小さな頃っていうと、この辺も、こんな住宅地じゃなくて、畑や野原が広がっていてなぁ。
『オオバコ』っていう草が、よく生えていたものだよ。
え?
それが、相撲とどう関係があるんだって?
あぁ。
本当に、君は『草相撲』を知らないんだね。
草相撲っていうのは、二人でやるもんなんだがね。
オオバコっていう草を引っこ抜いて、その茎と茎を絡ませ合い、互いに引っ張りっこするんだよ。
茎が切れた方が負け。
そんな単純な遊びなんだ。
ん?
やってみたい?
そうかいそうかい。
じゃぁ、ちょっと歩いた所に、河原があるだろう?
あそこにオオバコが沢山生えているから。
一緒に行ってみようか?
あぁ。
これだこれだ。
これが、オオバコっていう草なんだよ。
え?
道路にも生えている?
そうだね。
オオバコは強い草だから……
人に踏まれようが、車が通る道であろうが、踏みつけに強い草だから、どこにでも生えるんだよ。
じゃぁ、一緒に一度やってみようか。
ほら。
自分でオオバコを選んで、抜いてごらん。
あぁ。
とっても太くて強そうだ。
おじさんも負けちゃいられないなぁ。
あ、これにしよう。
あははは。
確かに、君のオオバコの茎の方が太いねぇ。
これじゃぁ、おじさん、負けちゃうかもなぁ。
さ、じゃぁ、おじさんの持ってる茎に、君のを絡めて……
よぉい……
のこったのこったのこった!
そうそう!
引っ張って!
ブチッ!
おやおや。
おじさん、勝っちゃったねぇ。
そんなに悔しがらないで。
これは仕方のない事なんだよ……
キキキキキキィィィィィィィィィ!
「うわぁぁぁぁ!」
ドン!
グチャァァァ……
オオバコはね。
別名「車前草」
車に踏みつけられても、力強く生える事から、そう言われているのだけれど……
ほら。
君は……“弱い”もの。
だから、仕方のない事なんだよ。
おじさん達の小さな頃っていうと、この辺も、こんな住宅地じゃなくて、畑や野原が広がっていてなぁ。
『オオバコ』っていう草が、よく生えていたものだよ。
え?
それが、相撲とどう関係があるんだって?
あぁ。
本当に、君は『草相撲』を知らないんだね。
草相撲っていうのは、二人でやるもんなんだがね。
オオバコっていう草を引っこ抜いて、その茎と茎を絡ませ合い、互いに引っ張りっこするんだよ。
茎が切れた方が負け。
そんな単純な遊びなんだ。
ん?
やってみたい?
そうかいそうかい。
じゃぁ、ちょっと歩いた所に、河原があるだろう?
あそこにオオバコが沢山生えているから。
一緒に行ってみようか?
あぁ。
これだこれだ。
これが、オオバコっていう草なんだよ。
え?
道路にも生えている?
そうだね。
オオバコは強い草だから……
人に踏まれようが、車が通る道であろうが、踏みつけに強い草だから、どこにでも生えるんだよ。
じゃぁ、一緒に一度やってみようか。
ほら。
自分でオオバコを選んで、抜いてごらん。
あぁ。
とっても太くて強そうだ。
おじさんも負けちゃいられないなぁ。
あ、これにしよう。
あははは。
確かに、君のオオバコの茎の方が太いねぇ。
これじゃぁ、おじさん、負けちゃうかもなぁ。
さ、じゃぁ、おじさんの持ってる茎に、君のを絡めて……
よぉい……
のこったのこったのこった!
そうそう!
引っ張って!
ブチッ!
おやおや。
おじさん、勝っちゃったねぇ。
そんなに悔しがらないで。
これは仕方のない事なんだよ……
キキキキキキィィィィィィィィィ!
「うわぁぁぁぁ!」
ドン!
グチャァァァ……
オオバコはね。
別名「車前草」
車に踏みつけられても、力強く生える事から、そう言われているのだけれど……
ほら。
君は……“弱い”もの。
だから、仕方のない事なんだよ。
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