取得霊感

富士

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ジョレイ

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『いやー!』

泣きながら怯えるササキ

『いい加減にしてよぉ!』

包丁を手に襲いかかってく女の霊


顔を刺されそうになるが間一髪、腕を掴み止めるササキ。

『ごめんなさい。やめてください。話しあいましょう!』

(あれ、触る事ができる。レベル1の霊感じゃ呪感レベル3の霊に触れる事はできないんじゃ…それよりこの状況をなんとかしなくては)

ササキの手を振り払いまた刺しにくる女の霊。

『いい加減にしなさいよぉ!毎日!毎日!』


『いやぁあ!』

ササキが刺されるその瞬間、緑色の炎が女の腕を燃やす。


『ぎゃあああ!』


女は包丁を手放しミライに抑えられる。

『大丈夫か?コゾウ』

『ミライさん!』

『こわかったぁ!ミライさん!僕は霊感を取得したんですか?』


『まぁそう言う事だな。一時的なものだが。』


『その霊は呪感レベル3なんですね。なんて恐ろしい。』


『yataの鏡を持ってきな。』


そう言われ鏡を女の霊にあてると鏡にはオレンジ色にうつっていた。

『あれ?オレンジ。オレンジって呪感レベル2ですよね?2って霊感レベル2じゃなきゃ見れませんよね?僕いつのまにレベル2まで…』

『成長はしてないぞ。』

『っえ?』

『君たちに呪いのDVDを見せただろう?
そのDVDの霊の能力はDVDを見た人間の霊感レベルを7日間レベル2まで上げる呪いをかけるのさ。そして霊感レベル2になった姿の見える人間を確実に殺す。この女の比じゃないぞ。呪感レベル3の霊は。』

『じゃあ僕ら7日後に殺されるんですか?本物なんですかあれ!』

『そう言う事だ!』


『いい加減にしなさいよぉ!』

放置されていた女の霊が急に怒り出す。

『おっと、まだこいつがすんでなかったな。おいコゾウ君!除霊ナイフを持ってこい。それでこいつを刺せ。』


『っえ?できませんよそんな事。』

『できない?なんのために君はこの協会に入ったんだ?まぁ最初から君は向いてないと思っていたが』

『できるわけないじゃないですか。人刺すのと変わりませんよ。』

『この女はストーカー被害にあってここで殺された霊さ。
今はレベル2でもこんな夢のあった若い女性の命がわけわからんストーカーなんかに奪われたんだ。
怨念もすごいものだ。
ほっといたら呪感レベル3になるだろう。
この女がレベル3になって人を殺して凶悪になったら躊躇なく刺せるのか?
今やってやるのがこの女にも救いだろ?
むしろそれ以外方法ない。』


『わかりました…』

ササキは除霊ナイフを手にし女の腹を刺した。

『ぎゃあああ。。。。 ……






なんで守ってくれないの。ホント弱い人だった。

あなたがもっと早くその気になってくれたらすぐわかったじゃない。
あなたの親友だったじゃない。』


そう言い残し女の霊は消えていった。

『これが僕がこれからやっていく仕事か…』

『また生まれ変わるさ。次は人間かわからんがな。ガチャみたいなもんさ。』


『ガチャって…』


『それと今回ここのオーナーからは報酬300万もらっている。まぁ今回は協会で取ってきた物件、そして私も手を貸している。君には10%の30万の報酬を払おう。』


『あ、ありがとうございます。』

『それとさっき話した事だが君達は呪いのDVDを見てしまったわけだ。期限までに決着をつけないとまずいんだ。
最終日の土曜日に協会に泊まれるようにしといてくれ。決して1人でいようとしない事だ。死ぬからな!』

『ミライさん、とんでもないものを見せてくれましたね。』

『ところでニャンコの名前はなんだ?』

『コジローです。』

『コジローかぁ。強そうな名前だ!』


笑顔でコジローを抱くミライだった。


カトウ宅


『トラ、飯だぞ。』

カトウはキタマクラに家電を壊されまくっていた。

ガチャ
ガチャガチャ

ドアノブをいじる音が聞こえた。

『来たか!もう我慢ならん!見えなくてもぶん殴る事はできるだろう!』

勾玉V-2を握りしめて玄関をあけるカトウ。

そこにはキタマクラとは別の痩せた男がたっていた。

『うわぁ!』

まさかの姿が見える事に驚くカトウ。

(ん?これは俺が霊感を取得してみえているのか?それとも生きているただの人なのか?)

そう思っていると痩せた男が勝手に家に入り込んできた。

『おい!なんだお前は!勝手に入るな!』

『お前が彼女を殺したのか!』

急に怒鳴りこまれるカトウ。

『なんだ貴様は!彼女だぁ?知らねーぞ俺は!』

『お前かぁ!!!』

話しを聞かずに痩せた男が襲いかかってきた。

カトウは勾玉V-2を握りしめてカウンターを入れる。

殴られた事に焦って家を飛びだす痩せた男。

『くそなんなんだあいつは。』

そしてその時着信がなる。

『おう。カトウか!私だ。』

『あぁ。ミライさんか。ちょうど今変なやつが来て霊なのかわかんなかったとこだ。俺は霊感を取得したのか?』

『あぁ。一時的にな!』

『一時的?』

『説明がめんどくさいからざっくり言うな!とりあえず今お前の霊感レベルは2だ!今来た男はレベル2の霊だ!その家はな、あるOLのストーカーの容疑者が住んでいた。そのストーカーが女を殺してな。彼氏が復讐に来たんだが返り討ちに合いそこで死んだ。その霊が今だにそこの住人をストーカーと思い襲ってしまうんだ。除霊してくれ!』

『レベル2なのか俺は!?除霊って急にそんな事いわれてもどうすればいんだ?今すぐ来てくれよ。ミライさん!』

『協会から支給されたアイテムがあるだろう!君ならできる!』

『この除霊ナイフとかいうので霊を殺すのか!』

『今お前は殴って追い返したみたいだがすぐにでもまた凶器をもって現れるだろう。大丈夫。君のほうが圧倒的にケンカは強そうだ。』

『そういう問題か?除霊って喧嘩なのか?』

『生きてる者と死んでる者の殺しあいだ。』

急な事で焦っているカトウ。

ガチャ

ガチャガチャ

『おい!ミライさん来れないのか!今きたぞさっきのやつ!』

『いけないゴメンネカトウ。』

可愛く電話を切るミライ。

ミライはラーメンを食べていた。

ワダから着信がある。

『ミライさん。カトウは大丈夫ですか?行ってあげたほうがよろしいのでは?』


『カトウなら大丈夫さ。それにあの彼氏ゲキヨワだ。』




くそぅあの女めちゃくちゃだ。

どうするか戦うか

ガチャ

ガチャガチャ

無視するわけにもいかねぇか。

トラを押し入れに入れる。

『ちょっと待っててなトラ。』

ドアを開けるカトウ。

『お前かぁー!ユリをユリをかえせぇ!』

襲いかかってくる痩せた男』

しかしカウンターで殴り返すカトウ。

『お前、武器を持ってきたわけじゃないのか!』

『うわぁぁあ』
逃げる男。


『まて!』

外にでて霊を追いかけるカトウ。

『ついてくるなぁ!』


『ハァ、ハァ、霊にスタミナ切れはないのか。ここで逃すとまた来やがる。ケリをつけてやる。』

逃げる霊だがすれちがった男に足を引っかけられ転ぶ。

『うわぁあ』


『ハァ、ハァ、ハァ、捕まえたぞ、このやろう。』

馬のりになるカトウ。

『ありがとう。助かった、ってあんた確か協会のワダさん?』


『期待しているよ。カトウ君』

そう言ってワダは立ち去っていった。


『おいお前。覚悟はいいか?』

『くそ!くそ!俺は守れなかった!せめてせめて。』

『詳しい話しはわかんねーけどお前も悲しい思いをしてんだな。しかしお前みたいに弱い奴なんて素手でいったら返り討ちに合うぞ?』

『親友だったんだ。彼女を殺したのは!彼女が殺されるまで犯人が親友だとは気づけなかった。』

『なんだと?』

『殺すつもりなんてなかった。あいつが逮捕される前にどうしても一発殴りたかった。せめて…』

『…』

カトウは腰につけていた除霊ナイフを出した。

『ありがとう。それで俺を消してくれ。ユリは俺みたいな霊になっていないだろうか…。まちがった事をする前に誰か俺みたいに成仏させてくれてないだろうか。』

除霊ナイフを投げ捨てるカトウ。

『俺もナイフなんて使わねーよ。お前が親友を殴れなかった分、俺と死ぬまで殴り合おう。』

『君が死ぬかもしれないぞ?俺は強いぞ?』

『そん時はそん時だ。』

男の記憶が蘇る。

『また家にこんな手紙が届いたわ。気持ち悪い。たまに家の前にも夜中きてるわよきっと。』

『警察に相談しよう。何かあってからじゃ遅い。なぁユリ』

『こんなんじゃ警察は真剣に対応してくれない。あなが守ってよ!』

『俺も守るさ。でも警察にも相談しよう。』


中学の同級生でもある親友に相談した。
ユリも同じ中学でこの親友とは仲がよかった。
『ユリがストーカーの被害にあってるんだ。』


『お前が守ってやれよ!それとも弱気なお前を試してるんじゃないかぁ?ユリは。』

『ははっ実は俺もそんな気がしてさぁ』


そしてユリは自宅で殺された。

俺の携帯に親友からメールが入った。


『ごめんな。
本当にごめんな。
俺もユリが好きで好きでしょうがなかった。』







カトウとの殴り合いでだんだん消えていく男の霊。

『じゃあな。』

カトウが喉元を殴るときめ細かい光で男の霊は完全に消えていった。





『あの人何やってるんだろう。』

『酔っ払いだろ!』

通行人はおかしな人だと思いカトウをみていた。

それを見ていたワダはもうちょっと人気がないところで足を引っ掛けるべきだったと反省していた。


カトウが家に帰ると家電を壊しているキタマクラがいた。

『っえ?』

焦るキタマクラ

『お前かぁ!』

怒るカトウ

『ちょっと、なんで!なんで見えるの!』

勾玉V-2の力でぶん殴られるキタマクラだった。


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