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『ファイナル・ファンタジーⅢ』 【リクエスト・完結編】

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 さて、此処まで当該作品を称賛してきたが、
やはりその『凋落』も描かないと公正フェアではないであろう。
 最初の段階で当該シリーズの『10-2』と云ったが、
以降のシリーズは好きではないのか? 
と問われれば答えは『YES』である。
 というのにも理由があり、同シリーズの『原作者』である、
【坂口 博信】氏が、製作に関わっていたのは
正しく『10-2』までだからである。
(「12」にも多少関わっているようだが
その表記は「スペシャルサンクス」である)

『原作者』が変わればそのクオリティーが
著しく劣化するというのは
創作ジャンルを問わずよくある事。
映画の「エイリアン3」や「ターミネーター3」を
例に出せばよくお解りになると想う。
 よって『原作者』である坂口氏のいない
『ファイナル・ファンタジー』は、
最早「同名」を介しただけの【形骸】
ソレはユーザーの『評価』と『市場利益』という点で
残酷なまでに表れてしまっている。
 逆に比較対象として出した
『ドラゴンクエスト』は、
現在も『原作者』である堀井雄二氏が
メインを務め続けているのでその人気は
今を以て全く衰えていないのである。
(キャラクターデザインの鳥山明氏、
故人となってしまったが音楽のすぎやまこういち氏
が「落りて」いないという点も大きいだろうが)
 故に「13」以降の同作品には、ワタシは全く手をつけていない。
 ごくたまに過去作品のリメイク版などに手を出す程度である。

 何やら創作に於ける一つの『時代』が終わってしまったようで
寂しい限りだが、如何に【過去の栄光】が在ろうと
続く作品が【つまらなければ】そんなモノは
何の役にも立たないというのが創作の『残酷性』でも在る。
 しかし一つの「可能性」としては、
坂口氏の抜けた「12」や「13」のストーリーを
『再構成』して作品に活かす、
というコトは可能であるように想える。
 無論【アレンジャー】としての能力が不可欠となってくるが、
「12」「13」共にダメだという話で、
それでも『良い部分』の一つや二つはあった筈である。
 ともあれ【栄光と凋落】の在った作品を“比較対象”して、
『良かった部分』と『悪くなった部分』を分析、解析して
【自身の創作】に活かそうとするのは悪い事ではない。
 開発元の企業自身が現状、
『過去の名作のリメイク』でしかそのブランドを護る術が無い為、
そういう意味でも正に【ファイナル・ファンタジー最後の幻想】なのであろう。

≪終劇≫
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