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【善(ただ)しく悪(あ)ろうとする心】

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 よくある、主人公が“テンプレ的”な熱血漢だったりする場合、
ソレが作中では典型的な『偽善者』に堕していて
読んでるこちらははらわたが煮えくり返る想いをさせられる事がままある。
 当たり前と言えば当たり前の話で、
『偽善者』即ち【最大の悪】とは、
“己がただしいと想っている者” の末路だからである。
 昨今のSNSなどでも、【炎上】を引き起こし、
ソレがいつまで経っても鎮火せず未だに燃え続けているのは、
「謝罪」も「反省」もせず
見苦しい『自己正当化』を続けているからである。
 自分は『正しい』のだから【間違った事(悪)】など犯す筈が無い、
この“思い込み”が強固に出来上がっているから
『正当な批判』も中傷だと撥ね付け、
【現実の方を歪めてしまう】のだ。
 去年「同盟国」に遁走した〇〇二人と云えば大体解るであろう。
 そのいずれも『正しく生きよう』とした結果である。
逆説的かも知れないがほど【悪】には陥り易い。
 自分の『過ち(悪)』を認める事が出来ないからだ。
 ソレに“無知無学” “一般常識が無い” “無駄にプライドが高い”
などのオプションが付けば事態は更に醜悪を極める結果となる。
 例え世界中が彼らを糾弾しても、
最後まで自分は『正しい』と言い続けるであろう。
悪い意味での“ロミオとジュリエット効果”もここで働いている。

 真に恐ろしいのは「無能な凡人」ではなく
『やる気のある莫迦』とはよく云ったモノ。
 カルト宗教のテロ行為や、革命運動の破壊活動など、
全て『正しい』事を行おうとした希求の帰結である。
『正しい』事を行おうとするのは大いに結構、
しかし自分の【悪 (過ち) 】を認められない
狭量さと内省の欠如では、他人をも巻き込んだ大惨事を起こす事
必定となる。
『善』とはただの“快楽行為”ではなく寧ろその“逆”
困難、苦難、至難が必ず付いてくるモノであり、
ソレから逃げた者は必然、【偽善】へと堕する。
『善』を「お手軽」なモノと想い込んでいる者ほど
この悪路にはまる。   
 よって努々ゆめゆめ、『正義感の強い熱血主人公』など描かない事だ。
「萌えも燃えも~」で大失敗している〇〇が既にいるのだから。
 ソレでも描くなら、下記の言葉を胸に刻んで慎重に『創作』を行って欲しい。
 人間、昇るのは大変だが、堕ちる時はアッという間だからだ。


【性悪説】
人間の本性は悪であり、たゆみない努力・修養によって
善の状態へと達することができる。
ー荀子ー 
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