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【絵による欺瞞】

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「涼宮ハルヒの憂鬱」という作品がある。
 だが「涼宮ハルヒの憂鬱」という面白いわけではない。
 ワタシも過去に勉強がてら読んだ事があるが、
特段、何も特筆すべき点はない凡庸な「ライトノベル」であった。
 しかし一時期はヒットした作品であると、
それなりの数の人に認知はされている。
 ソレは取りも直さず『京都アニメーション』という
作画アニメ」の御陰であり、その絵師のキャラデザが、
まぁそこそこ「一般受け」したという事の証左であろう。
ソコに『小説』は一切関係が無いが。

「作画ガチャ」なんて言葉が昨今あるように、
小説の『本質』と全く関係の無い要素が
ヒットに繋がる場合がある。
『本質』が無いからすぐに飽きられてオワコン化する。
「漫画」や「アニメ」は日々大量生産されて市場に流れているのだから
寧ろ当たり前の話と云えるだろう、
『絵』しか美点の無いライトノベルなど。

 故にワタシが心の底から唾棄するある駄作など、
『絵』が無かったら間違いなく第一巻で
打ち切られていると確信する。
ソレくらい「内容」は薄い、正に「残りカス」と云った様相を呈している。
『絵が良ければ内容も良い筈だ』
 この半ば“詐欺”にも等しい『錯覚』に、
多くの人が騙されてしまうのは問題だし
また困った話でもある。
『奴らはラーメンを食っているんじゃなく“情報”を食っている』
という言葉があるが、転じて
『彼らはライトノベルを読んでいるんじゃなく“挿絵”を読んでいる』
と云った具合であろうか。
“例え”が重複して悪いが、嘗て
『ライトノベルは “立ち食いソバ” だ』
と云った事がある。
 ソレに高級な食材や高度な技術を用いても意味が無い。
 ただし、【美味いか不味いか】だけはれっきとして存在する。
『不味いモノは不味い』とはっきりと言うべきだし認めるべきだ、
作者も読者も。
 幾ら『見本』が旨そうでも、
ソレは【内容】とは
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