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【エヴァンゲリオンの功罪】

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 俗にエヴァンゲリオン以前、以後等と言われたりし、
『厨二病』の語源となったモノでもあるが
明らかにこの作品の後、所謂「ヘタレ系主人公」が
雨後の筍のように増殖したように想える。
 男らしくなくて良い。うじうじずっと悩んでて良い。
中途半端で良い。優柔不断で良い。成長しなくて良い。
戦わなくて良い。責任を持たなくて良い。
女の着替えを覗いて良い。寝ている女を襲って良い。
欲情したらその場で〇〇して良い。
最後はヒロインの首を締めても良い。

 

 この『免罪符』を世のオタクに与えてしまったのが
大きな【功罪】であり、以後ライトノベルも含めて
『倫理観』や『人の尊厳』という概念は重視されなくなった。
 世間一般の感覚はどうでも良い、
ソレを観た【創る側】がどう受け取るかである。
「ツンデレ」という言葉が流行り出したのもちょうどこの頃であろう。
 ライトノベルにも口が悪く身勝手で頭のオカシイ女が
ヒロインとしてのさばるようになり、
加えて無口、無表情で髪のい女が必ず配置されるようになる。
 主人公は完全に「碇 シンジ」の【劣化コピー】で
何なら名前まで似てる〇迦もいる。
 作者も意味が解ってない、難解なSF用語や専門用語が
多用されストーリーが支離滅裂になるのもこの頃だし、
安易にクラシックを作中で流すようになるのもこの頃だ。

 

 表題の作品が後の「ライトノベル」に与えた【影響】は決して小さくない。
 アスカっぽくない、綾波っぽくない、というラノベヒロインがいるのなら
どうか連れてきて欲しい。
 絶対上記の何れかに当て嵌まっているから。
 ソレはとどのつまり、“書いてる者” が
『エヴァンゲリオン』観ていないからである。


PS
この場合の『エヴァンゲリオン』とは、
あくまで【アニメ版】の方を差す。
『漫画版、貞本版』は一切当該事象に含まれていない。
全くの『別モノ』で在るので。
ワタシが前者は【嫌い】で後者は『好き』だと言えば
大体解るであろう。

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