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【第二章・叛 逆 の 双 星】
Ж-39 光 輝 齎 す 者 ~How are you? Bastard~ ⑤
しおりを挟むザシュッッ!!
実際に音はしなかったんだけど感覚的にはそんなカンジだね。
裸足のつま先で大地を蹴ったと同時に突き出した手刀が
山刀を担いだ男の胸ド真ん中を貫いてる。
まぁ爪伸ばしたからね、 骨ごとサックリいっちゃってるわ。
それにしても全然反応出来てなかったぞ、
盗賊ってのは素早いんじゃないの? クソ雑魚じゃねーか。
まぁいーや、 残りの莫迦共もいま漸く気づいたトコ。
『凍血惨爪ッッ!!』
鈍い脳神経にやっと痛みが届いたって処、
でも悲鳴と血が噴き出す前にソレは全部凍り出す。
バキバキバキッ! ってね。
うんうん大体目論見通り、 ソレと良い事だ。
屑の腹ン中とかブッちゃけ汚物と変わンねーから。
新しい異能の 「実験台」 としては最適だったか。
遣えるネ、 “氷結属性” 伸びる爪との相性はバッチリだ。
文句はねーよな? お前らがしようとしてたコト鑑みれば
可愛いモンだろ? え?
眼前で起きた惨状にくだらない恐慌が伝播する前に
影のようにオレは凍った爪を振り翳して襲い掛かる。
ソフィアもロッドで空中に逃れて臨戦態勢。
数は七か、 平均よりちと多いね。
ま、 カンケーないけど。
首斬り、 撫で斬り、 三段斬り、
雑魚相手に技の取捨は必要ない。
代わりに凍結速度と精度を測る、
刎ねた首が噴き出した血と繫がって落ちてこないから
若干遅延が在るのか、 触れてなきゃ当たり前か。
ほい、 こっちは片付いた、 最後の一人は滅多斬りにして
値が付かなそうな氷像にしてやったい。
で――?
『雷迅蒼海斬魔導ッッ!!』
おぉ! やるねぇ~。
周囲に放電が迸り、 凍った樹林を白く染める。
兎に失礼だが脱兎の如く逃げ出してた屑共の背後から
電撃を滞留させた水の刃が縦横無尽に飛来し
その肉を骨格ごと裂く。
流石は “賢者” 水棲生物の 「弱点」 とされる電撃を
逆に利用して威力を増強させたってワケか。
ドサドサと落ちる焼け焦げた肉塊。
最後まで一度も振り向かなかったわ。
屑共とはいえ人間を殺す事に躊躇いが無かったから、
ソッチの破瓜は散らしてるのね、
まぁ殺らなきゃ殺られる世界で生きてりゃ当たり前か。
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