【ＺＯＤＩＡＣ ＰＡＲＡＤＯＸ ＥＸＴＲＥＡＭ／ＣＨＡＯＳＰＨＥＲＥ！】 ～戯題・愛のままにわがままに 魔皇少女は異世界に屈しない！～

【第二章・叛 逆 の 双 星】

Ж－３５ 牙 刃 鳴 り ～Ambivalent Conflict～ ③

「そ、 そうだ！　俺の仲間を！　その戦果を侮辱する事ぁ許さねえ！」

「確かに俺は何も出来なかったが、 コイツの為なら今でも死ねるぜ！」

「仲間を想う気持ちに、 ランクなんて関係ない！」

「旦那しゃまに触れる事は、 このファムがゆるちゃないですニャ！」

「高位種こういしゅ足る我が命ずる。 下郎共、 我が伴侶はんりょを前にして頭が高い、
控ひかえろ！」

　他の三人も集まってきて私を中心に円陣のような戦形を執とる。
強い想いに誘発された魔氣と魔那に闘氣が反応したのか
煌めきが後光と成って空間に迸発ほうはつされる。
　其れだけでその光に触れた者は悉ことごとく、
膝が抜けて腰を落とし、 声も無く地面に蹲つくばった。
「覇〇色かよ！」 と魔皇友の声が聞こえた気がしたのは
幻聴だろう。
　まぁソレのバーゲン・セールだという事実に異論は無いが。



〘おおぉ……！　此れは正しく御屋形様の特質異能、
『破邪顕正はじゃけんしょう』 の御威光おんかがやき！
此の布都ふつ、 尊とおとき御姿みすがたを袂たもとで拝謁はいえつ出来る事、
恭悦至極きょうえつしごくに存じまする！　御屋形様！！〙

　後の説明と裡なる実感からすると、
此の異能は己の魔氣闘氣を放射状に展開する事により、
対象者の精神を 「鼓舞」 し潜在する力を押し上げると当時に
敵対者には逆にその精神を減衰させ戦闘不能状態に陥らせる事も可能らしい。
　無論格下相手にしか最大効力は発揮せぬが、
現状に於いては最良の異能で在った。
　無益な争いは此方も望まぬ故
よくぞこの 機 タイミングで目醒めてくれた。
　己が種属に感謝する、 盟友の感慨の混じった詳解に拠れば
会得に特定条件が絡むらしいが其れがこの者等と云った処か。
　私見を孕はらむが善良な者でなければ
恐らく発現は不可能で在っただろう。
　逢あえて良かった、 感謝する――。