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【第二章・叛 逆 の 双 星】
Ж-34 至 宝 の 一 玉 ~Primal One~ ②
しおりを挟む「先刻、 斃した氷河の竜を、 「換金」 出来る処に案内願えまいか。
実は路銀が尽きておる。 早急に解決して於きたい」
「だ、 旦那しゃま!? 欲しい物がおありゅで!?
それならファムが出しますですニャ!」
「私の預金で店舗ごと買い取ります。
何卒御用命を」
「連れねぇなぁ~、 恩人。
何か要り様なら言ってくれよ。 良い店紹介するぜ。
無論、 代金もな」
「ちょっと待ちなさい! 私だって!」
我が魔皇風に言うなら「オレがやるよ!」「オレがやるよ!」
状態になっている。
「どうぞどうぞ×100」 とオチがつかぬ故埒が開かぬな。
「可及的速やかに、 しかも恒久的に要るのだ。
一過性で済む問題ではない」
周囲を探れば、 小麦や香料等の作物も豊富に在る。
精製していない種籾ごと大量に買い付けられれば、
集落の作付も増える道理。
魔物を討伐する事に一体何の意味が在ろう?
子供等の喜悦無くして英霊の存在意義など皆無。
「わ、 解った。 “深淵” にもちゃんと 【ギルド】 はあるから安心しろよ。
それにしてもアンタ、 とんでもねぇ腕なのに何にも知らねーんだなぁ。
まるでA級の猛者とF級の子供が同時にいるみてーだ」
「すまぬが名前を出す事は控えて戴きたい。
諸々の理由が在って素性を明かすわけには往かぬのだ」
「わかりましたですニャ♪ 旦那しゃま♪」
「承ります。 我が伴侶」
猫族の少女が敬礼し白の少女が片手を上げる。
〘御屋形様。 何たる恩情と慈しみ。
この布都、 身を知る雨に溺れそうに御座りまする。
我に涙腺は御座いませぬが〙
菓子を買うのに何故こんなに苦労せねばならぬのか、
私は疾く集落に帰りたいだけなのだが。
そう想いながら中央に位置する、
最初からイヤでも目立っていた建物に入る。
元の世界では視ない質感の鉱物で築造された五階建ての家屋。
広い通路は機能的に絡み合っている。
病院や学校を想い起すな、 中の賑わいも外とは段違いだ。
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