90 / 198
【第二章・叛 逆 の 双 星】
Ж-21 踊る異世界議場 ~Cold Extrapiece~ ②
しおりを挟む「んでさ、 単刀直入に訊くけど、
爺ちゃん以外に “神託” の異能を持ってるヤツってどれくらい居る?
あとその精度っていうか、 具体的にどーゆー形態で預言が降りてくるの?
そこらへんはその当人からきっちり確認しておきたいんだけど」
単純に異能の 「説明」 だけならアビスで事足りる。
でもそこから派生する無数の 「因果関係」 は
当事者に直接訊かないと明確な結論は不可能。
おそらくもうオレらは (ってかオレが) お尋ね者だろうけど、
その存在が知られるのと実際に動くヤツはまた別。
預言だろうが予知だろうが、 まず 「居場所」 が解らないと話にならない。
「ふむ、 稀有な異能とは云われておりますが、
この世界もまた宏うございますからな。
偶発と呼べるほど数は少なくないと想われまする。
冒険者ギルドの上位クラン、 四大教団の中枢、 国家の諮問機関、
その何れにも属さぬ者、 ともあれ一定の富と権力を有する場所には、
居ると考えてよろしいかと」
事実上、 無制限ってわけね、 となると――
「はい、 ワシの場合は後天的に、 しかも慮外に得た異能故、
己の意志で制御する事は叶いませぬ。
いつも 「夢見」 の形態を以て心象へと顕れるのですが、
言葉、 声、 感覚を得る事は能わず、
明確な時の流れも分断されておりまする。
サーシャの姿とこの集落の幻像が在らねば、
この森にアナタ様がおられる事も解らなかったでしょうな」
ふむ、 なるほど、 サーシャみたいな小さい娘が一人で歩き回るには
危険過ぎると想ってたけど、 オレらと一緒にいる映像が
予め 『預言』 で視えてたわけね。
でも、 外れたらどうする気だったんだ? このジジイ。
「御老人」
それまで黙っていた相方が佇まいを直して訪うた。
「幼き娘を、 危険に晒してまで我々との接触を図ったのは、
当然アノ娘の身を案じての事であろうな?
同じ神託を持った者にも当然、 アノ娘の姿が視えている、 と」
核心を突いたのか、 長老、 ハクエイの発する気配が緊張を孕んだ。
「その、 通りで御座います。 英霊殿。
寿命が長い故、 ハーフ・エルフの幼子は、
畸人共の間で非常に高値で取り引きされておりまする。
エルフの奴隷売買は各星界の憲章で禁じられております故、
その 「代替品」 にと。
ワシは、 若き愚かな頃は冒険者などを生業としておりましてな。
ハーフ・エルフの集落は、 そやつらにとって
降って沸いた宝の山でしかないのです」
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
小さな村の魔道具職人リリィ
つきほ。
ファンタジー
この物語は、小さな村で魔道具職人として静かな日常を送っていたリリィの成長を描いた冒険譚です。
リリィは、見た目は小柄で愛らしい小人族の女性で、優れた技術を持ちながらも、物事に集中すると周囲のことを忘れてしまう癖を持っています。村では誰からも愛される存在であり、日々の修理作業に没頭する毎日が続いていました。
ある日、リリィは自らの技術をさらに高めるため、広い世界へと旅立つ決意を固めます。魔道具修理を学ぶための冒険が始まり、彼女は新しい街で他の職人たちと交流し、技術を磨いていきます。その過程で、リリィは他人との出会いや過去(前世)との向き合い方を学び、少しずつ自分を理解していく。
リリィの旅路には、家族との絆や村の人々との思い出が織り交ぜられ、どんな困難にも前向きに立ち向かう姿が描かれます。物語の中でリリィは、自分自身の力を信じることの大切さや、他人と繋がることの意味を学び、成長していきます。
異世界楽々通販サバイバル
shinko
ファンタジー
最近ハマりだしたソロキャンプ。
近くの山にあるキャンプ場で泊っていたはずの伊田和司 51歳はテントから出た瞬間にとてつもない違和感を感じた。
そう、見上げた空には大きく輝く2つの月。
そして山に居たはずの自分の前に広がっているのはなぜか海。
しばらくボーゼンとしていた和司だったが、軽くストレッチした後にこうつぶやいた。
「ついに俺の番が来たか、ステータスオープン!」
蓮華
釜瑪 秋摩
ファンタジー
小さな島国。 荒廃した大陸の四国はその豊かさを欲して幾度となく侵略を試みて来る。 国の平和を守るために戦う戦士たち、その一人は古より語られている伝承の血筋を受け継いだ一人だった。 守る思いの強さと迷い、悩み。揺れる感情の向かう先に待っていたのは――
小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします
藤なごみ
ファンタジー
※2024年10月下旬に、第2巻刊行予定です
2024年6月中旬に第一巻が発売されます
2024年6月16日出荷、19日販売となります
発売に伴い、題名を「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、元気いっぱいに無自覚チートで街の人を笑顔にします~」→「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします~」
中世ヨーロッパに似ているようで少し違う世界。
数少ないですが魔法使いがが存在し、様々な魔導具も生産され、人々の生活を支えています。
また、未開発の土地も多く、数多くの冒険者が活動しています
この世界のとある地域では、シェルフィード王国とタターランド帝国という二つの国が争いを続けています
戦争を行る理由は様ながら長年戦争をしては停戦を繰り返していて、今は辛うじて平和な時が訪れています
そんな世界の田舎で、男の子は産まれました
男の子の両親は浪費家で、親の資産を一気に食いつぶしてしまい、あろうことかお金を得るために両親は行商人に幼い男の子を売ってしまいました
男の子は行商人に連れていかれながら街道を進んでいくが、ここで行商人一行が盗賊に襲われます
そして盗賊により行商人一行が殺害される中、男の子にも命の危険が迫ります
絶体絶命の中、男の子の中に眠っていた力が目覚めて……
この物語は、男の子が各地を旅しながら自分というものを探すものです
各地で出会う人との繋がりを通じて、男の子は少しずつ成長していきます
そして、自分の中にある魔法の力と向かいながら、色々な事を覚えていきます
カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しております
【完結】見返りは、当然求めますわ
楽歩
恋愛
王太子クリストファーが突然告げた言葉に、緊張が走る王太子の私室。
伝統に従い、10歳の頃から正妃候補として選ばれたエルミーヌとシャルロットは、互いに成長を支え合いながらも、その座を争ってきた。しかし、正妃が正式に決定される半年を前に、二人の努力が無視されるかのようなその言葉に、驚きと戸惑いが広がる。
※誤字脱字、勉強不足、名前間違い、ご都合主義などなど、どうか温かい目で(o_ _)o))
ワンダラーズ 無銘放浪伝
旗戦士
ファンタジー
剣と魔法、機械が共存する世界"プロメセティア"。
創国歴という和平が保証されたこの時代に、一人の侍が銀髪の少女と共に旅を続けていた。
彼は少女と共に世界を周り、やがて世界の命運を懸けた戦いに身を投じていく。
これは、全てを捨てた男がすべてを取り戻す物語。
-小説家になろう様でも掲載させて頂きます。
「残念でした~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~ん笑」と女神に言われ異世界転生させられましたが、転移先がレベルアップの実の宝庫でした
御浦祥太
ファンタジー
どこにでもいる高校生、朝比奈結人《あさひなゆいと》は修学旅行で京都を訪れた際に、突然清水寺から落下してしまう。不思議な空間にワープした結人は女神を名乗る女性に会い、自分がこれから異世界転生することを告げられる。
異世界と聞いて結人は、何かチートのような特別なスキルがもらえるのか女神に尋ねるが、返ってきたのは「残念でした~~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~~ん(笑)」という強烈な言葉だった。
女神の言葉に落胆しつつも異世界に転生させられる結人。
――しかし、彼は知らなかった。
転移先がまさかの禁断のレベルアップの実の群生地であり、その実を食べることで自身のレベルが世界最高となることを――
転生先は上級貴族の令息でした。元同級生たちと敵対しつつスローライフで戦記します。人気者への道は遠いよ。オタノリのまま貴族生活を満喫したい。
川嶋マサヒロ
ファンタジー
僕は中学二年生、自称中流人間の左近孝朗(さこん たかよし)少年です。
ある日の放課後、教室で僕とヤツらは戦いを始め、そして異世界に転生してしまった。
気が付けば僕は伯爵貴族の赤ん坊で、産まれたてほやほやの男児。
中流改め、上級人生となっていた。
仲良く喧嘩してばかりのお父さん、お母さん。僕赤ちゃんを可愛がりしてくれる令嬢様。お爺ちゃん、お婆ちゃんたちに優しく持ち上げられていたが、元同級生たちが幸せな暮らしに魔の手を伸ばす。
敵は魔獣と魔人の軍団(たぶん魔王もいる)。
それと何かと僕のお邪魔をする、謎のクマさん【アバター】。
スキル【統率】を使い、異世界を支配するとか何とかしつこくホザいている謎の同級生。
家族と令嬢たちを守るため、「ぼくのかんがえた」最強無双の異世界戦記が始まった。
ユルてん【ユルユル異世界クラス転移】~スローライフで成長する赤ん坊だけど、アバターでユルユル戦記もします。~
ちょっとは戦いますか。異世界だし。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる