【ＺＯＤＩＡＣ ＰＡＲＡＤＯＸ ＥＸＴＲＥＡＭ／ＣＨＡＯＳＰＨＥＲＥ！】 ～戯題・愛のままにわがままに 魔皇少女は異世界に屈しない！～

【第二章・叛 逆 の 双 星】

Ж－１８ 揺るぎないモノ一つ ～Only My Starlight～ ③

　さっきの鳥じゃなくて牛だねコレ。
　三日前オレが獲とってきたの捌さばいて貯蔵しといてくれたらしーけど
さっき朝飯喰ったばっかよ、 間食ブランチにしては重過ぎない？
　咄嗟とっさに魔導のプレート刃出して横で手伝うが
今度は邪険にされない、 ちょっと嬉しい。
　そしてオレが問うより先、 独り言のように呟いた。

「どうやらかなり空腹らしい。
必死に抑えてはいたが私の聴覚みみには聞こえてしまったのでな。
子供に遠慮をさせるような真似をしてはいけない。 そのつもりで」

　キャー、 イケメ～ン、 とオレも小声で囁ささやく。
　冒険者共から掻かっ剥ぱいだ調理道具が一式あるから料理が楽だ。　
　鉄板までありやがったから煉瓦れんがの上に乗せてスライスした肉を焼く。
　調味料や香辛料も何種類かあったが今回は使わないのが無難だな、
後で味見して使用法を考えよう。
　そうこうしてる内に耳長少女のドレスアップが終了、
フリル付のブラウスと黒のフレアスカートだ。
　似合うじゃん、 少なくともオレよりは。
　サイズがぴったりなのが気にかかったが、
魔導士ウィザード系の服にはある程度体形に合わせる
術式が施してあるんだってさ。

　そう言ってる矢先にどんどん焼けるから皿に乗っけてフォークごと渡す。
　流石に箸はしは使えんだろうからね、 あ、 やっぱり首振って拒否してきた。

「喰え、 冷ましたら殺す」

　だから紳士的に凄んで押し付けてきました♪
だぁ～って冷めた焼肉なんてただの牛のバラバラ死体じゃん。
死んだ牛サンに失礼という教育まで授けてあげる
オレって大人の鑑かがみ。
　相方の視線が痛いのは気のせいだろう、
オレは皿なんかに取らず塩ブッかけて鉄板から直にいく。
　んぅ～、 もう肉が甘いね柔らかいね、 何しろ三日熟成じゅくせいさせたからね。
だからなんぼでも食べられる、 焼肉は入る所が違うからね。
　耳長っ娘こが時折何か言いかけるが
その度に焼けた肉を押し付け口を塞ぐ。