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しおりを挟む自分の家で、村上ミライは頭を抱えながら一人ネットを使って能力について調べていた。
どうも最近頭痛がひどい。
この前医者に見てもらったが、詳しいことはわからずただの寝不足と診断された。
寝不足なら寝ればいい。だが、寝れないのだ。
目をつぶると毎回過去のつらい体験が夢にでて俺に襲いかかる。
別のことを考えながらも、村上の手はネットサーフィンを続けていた。
あの事件の前にも調べようとしたことがあったが、図書館にもネットにも予知能力に関する情報は一切なかった。
オカルト雑誌を除いて。
しかし載っているのは都市伝説のような内容で、どうも信憑性に欠けるものばかりだった。
村上はため息をついて横になった。
今回も見つけられそうにないな。
この広い世界で能力を持って生まれた者はこの俺とさえだけらしい。
現段階で生きてるのは俺だけか。
座り直してパソコンを閉じようとしたとき、1つの記事に目が行った。
<「予知能力を持つ者が表れるのは珍しいことではない。生物系の進化において、充分にありえる仮説だ。もしそのような人物が現れたら、タイムスリップも可能となるであろう」中島孝太郎氏はこう語る>
中島孝太郎??聞いたことあるな。
村上は<中島孝太郎>で検索した。
すると、芝浦大学教授とある。
村上は机の上に置いてあったスマホをとると、パソコン画面の写真を撮った。
いい情報が手に入った。
タイムスリップ?どういうことだろうか。
明らかにぶっとんでいる話なのは確かだ。でも、今の自分に他に相談できる相手がいるわけでもない。せっかくだし、話を聞いてみるとするか。
それにしても、
授かった力を有効に使えってなんだよ。
さっきから斉藤の言葉が脳裏に張り付いて離れない。
あいつは完全に俺を英雄視してる。
たしかに友人が特別な力を持ってたら羨ましいかもしれない。
でもこれはそんなんじゃないんだ。
超能力をもって良いことをするってのは漫画や映画の話なんだ。
ビジョンをもっていても災いしかない。
そう、災いしか...
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