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第3章
73話 力
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力
「君ほんとに人間かい?エルフが魔法で姿を変えていると言われても驚かないよ。」
本気で疑っているようにも見えなくない。
「何言っているんですかエルメス様。普通の人間ですよ。」
それを苦笑しながら返す。
「様を付ける必要も敬語もないよ。多分君の方が立場は上だろう。公爵家の嫡男ではないとはいえ、師匠のところだけは治外法権だからね。それで、話を戻すけど王都の方は大丈夫なの?師匠たちがいるけどさすがに公爵を最前線に出すことは出来ないし魔族の介入もあったのなら相当ひどい状態なんじゃない?」
「では、エルメスさんって呼ばせてもらいますね。敬語は年功序列でお願いします。大氾濫は、負傷者をほとんど出さずに鎮圧することができました。王城の魔族の方も僕の眷属たちがやってくれたので大丈夫だと思います。ですが、今回の件で少なからず腹は立ったので帝国の方には痛い目を見てもらう必要があると思いますが。」
ニヤッと悪い顔をしたのがバレたのかエルメスは大笑いしている。
「シオン君面白いね。でも、どうするんだい。あのメイドとの戦いで部下の強さも君の強さも理解したけど、武力だけではどうにもならない部分があるでしょ?
他国だから、公爵家のネームバリューも落ちてしまうしきちんとした役職でもない限りこちらも援護できないと思うよ。まぁ、公爵家の力で最悪どうにかなりそうではあるけど、それに、第二王女の婚約者みたいだから完全に手出しできないわけじゃないけどまさかその程度の案でどうにかしようとしているわけじゃないよね?」
エルメスは探るように聞いてくる。別に、隠すことは何もないのでエルメスがいない間の出来事を話す。
「それは、大丈夫です。先日、男爵になったので貴族として動けますし、実はSランクの冒険者でもあるんです。」
照れながらそう言うと、エルメスはまたしてもエルフではないかと疑いの目を向けてくる。
「君はほんとに次から次へと...さすがは師匠の子どもということか。」
無理やり納得するように自分に言い聞かせていた。
「そういうことなので、多分ですが大事にはなりますがそこまで問題にはならないと思いますので安心してください。」
何を安心したらいいのかと思うエルメスと、ちょっと抜けているシオンだった。
「君ほんとに人間かい?エルフが魔法で姿を変えていると言われても驚かないよ。」
本気で疑っているようにも見えなくない。
「何言っているんですかエルメス様。普通の人間ですよ。」
それを苦笑しながら返す。
「様を付ける必要も敬語もないよ。多分君の方が立場は上だろう。公爵家の嫡男ではないとはいえ、師匠のところだけは治外法権だからね。それで、話を戻すけど王都の方は大丈夫なの?師匠たちがいるけどさすがに公爵を最前線に出すことは出来ないし魔族の介入もあったのなら相当ひどい状態なんじゃない?」
「では、エルメスさんって呼ばせてもらいますね。敬語は年功序列でお願いします。大氾濫は、負傷者をほとんど出さずに鎮圧することができました。王城の魔族の方も僕の眷属たちがやってくれたので大丈夫だと思います。ですが、今回の件で少なからず腹は立ったので帝国の方には痛い目を見てもらう必要があると思いますが。」
ニヤッと悪い顔をしたのがバレたのかエルメスは大笑いしている。
「シオン君面白いね。でも、どうするんだい。あのメイドとの戦いで部下の強さも君の強さも理解したけど、武力だけではどうにもならない部分があるでしょ?
他国だから、公爵家のネームバリューも落ちてしまうしきちんとした役職でもない限りこちらも援護できないと思うよ。まぁ、公爵家の力で最悪どうにかなりそうではあるけど、それに、第二王女の婚約者みたいだから完全に手出しできないわけじゃないけどまさかその程度の案でどうにかしようとしているわけじゃないよね?」
エルメスは探るように聞いてくる。別に、隠すことは何もないのでエルメスがいない間の出来事を話す。
「それは、大丈夫です。先日、男爵になったので貴族として動けますし、実はSランクの冒険者でもあるんです。」
照れながらそう言うと、エルメスはまたしてもエルフではないかと疑いの目を向けてくる。
「君はほんとに次から次へと...さすがは師匠の子どもということか。」
無理やり納得するように自分に言い聞かせていた。
「そういうことなので、多分ですが大事にはなりますがそこまで問題にはならないと思いますので安心してください。」
何を安心したらいいのかと思うエルメスと、ちょっと抜けているシオンだった。
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