家族もチート！？な貴族に転生しました。

第2章

34話 貴族派side

貴族派side


「皆の者、私から1つだけ報告をしようと思う。先ほど決めたのだがこの国は兵力の低下が著しい。それを補うため施策を実施することにした。その施策は、アルフレッド・エヴァンズに1つの騎士団を作りその騎士団の全権利を託すというものだ。これは、わが国の民の安心と安全を保ち権力の集中を防ぐためのものでもある。また、剣をアルフレッド・エヴァンズが、魔法を奥方であるエミリア夫人に頼むつもりだ。以上のことを報告しておく。」

ある男は、この報告を聞いて猛烈に焦っていた。
「おい、どうなっているんだ！？」
同じ貴族派の手下たちに八つ当たりをする。

「これは、早急に計画を改めなければならないのでは？」
「陛下にこの計画がバレていたのか？」
「エヴァンズ家が騎士団をとなるとこちらも容易に手が出せなくなるが...」
貴族派の人間は、自分たちの地位を上げるべくいろいろ手を尽くしていたのにも関わらず一瞬にして壊れてしまったことに苛立ちを隠せないでいた。

そのせいで、声が大きくなっていることにも気が付かず、貴族派同士で話をしていた。もちろん、大きな声で話をしているのに周りに聞こえないはずもなく王族派の人間は笑みをこぼした。

パーティーが終わった後、貴族派の面々が一室に集まり話をしていた。
「結局、勝手に決められてしまったがこれからどうするべきなのでしょう。」
貴族の1人が呟くようにそう言った。

「魔物たちをおびき寄せたのではなかったか？あれはどうなったのだ！！」
貴族派の中心であろう男が声を荒げる。
「えぇ、報告によると100体もの魔物たちが陛下たちの馬車を襲ったと聞いています。ただ、何やらエヴァンズ家の連中が絡んでいるみたいで。」
「なんだと？それは本当か？」
「はい。陛下たちが帰ってきた日、アリティア夫人が王宮に乗り込んできたというような噂を耳にしました。それ以上は、何一つ証拠等は無い状態です。」
それを聞いて顔を顰めるほかなかった。どんな作戦でも、エヴァンズ家が関わってくるとなると話が別である。
「ということは、もしかしたらエヴァンズ家の者が陛下たちを助けたということか？」
「はい。だと思われます。これも噂ですが今日お披露目に来ていた三男が助けたという情報も入っておりますが以前その他のことはわかりません。」
「それは...」

「三男について調べさせろ。他の貴族たちもエヴァンズ家に注意しておけ。また、計画を立て直して報告する。」
その言葉を機に貴族たちが席を立った。

「おい、」
おもむろに声をかけると男の後ろに影が出現する。
「いかがしました。エヴァンズ家の三男を調べろ。害がありそうなら至急処分をするように。」
「それは、難しいと思われますが。」
「なんでもいいからするんだよ！！！」
難しいと言われたことに怒り怒鳴りつける。影は、ため息をついて“了解しました。”とだけいい消えていった。

この選択が間違っていたと気付くのはもう少し後である。