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第2章
32話 飛躍
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飛躍
「今は領地にいると思うのだけど、これからは王宮で働いて欲しい。ひとつの騎士団の全権利をアルフレッドに持ってもらいたいんだ。」
「「「「「「えっ!?」」」」」」
6人の声が重なる。
騎士団とは国家が保有している、武力機関で他国への対応や貴族たちへの牽制のために保持している。
その騎士団の権利を渡してしまうということがどれだけありえない事なのか分からない人も多いだろう。
貴族たちも私兵を持っているが数に決まりがあり、200~300程度だ。しかも、爵位などを持たないためなんでも許される訳ではないのだ。
それに比べ、騎士団に人数制限はなく全員に騎士爵という半貴族みたいなものが与えられるため平民とは区別されそれ相応の地位が与えられるのだ。
「反感など出てくると思うのだが?」
アルフレッドは、平民上がりの公爵でいくら英雄と言えど貴族主義の連中から反対意見が出るだろう。
それを、国王であるブレイブがわからないはずがない。なにか理由があるのではと、エミリアとアリティアは考えているがこれといった理由は思い浮かばなかった。
「これは、王国のためだよ。最近騎士の質が落ちているのは事実。それを解消するためにはアルフレッドとエミリアの力を借りざるを得ない。だから、協力して欲しい。」
ブレイブが申し訳なさそうにアルフレッドを見ていた。
「本音は?」
ニヤッとした顔のアルフレッドがそう言う。
「え?な、なんの事かな?」
ブレイブが一瞬狼狽える。それを見るとアルフレッドが言っていることが的を得ているのではないかと思う。
「そんなの、後で付けただけだろう?やり方は他にも色々あるはずだし。それがなにか分からないが何年一緒にいると思ってるんだ?」
「やっぱり適わないね。そうだよ。実は…」
ブレイブがアルフレッドに騎士団をひとつ任せようと思っているのには色々な思惑が渦巻いていた。
まず、貴族派が兵力強化に向け自分たちの所の私兵を増やすべきという考えを提出しようとしているみたいでこのままだとそれを承認するしかなくなる。それなら、悪用することはないだろう、アルフレッドに任せることで、強化をすることが出来て貴族派牽制もできる、貴族派と王族派のどちらから出したとしても揉めるだろうから、派閥に興味のないアルフレッドが適任であったらしい。
そして学園での実績などを考慮してグレン、シオンにも所属して欲しいというお願いだ。
「それは、大丈夫なのですか?」
アリティアが疑念を抱くのも仕方がない。
騎士団を作ってからやっぱり無理ではどうしようも無い。
「あぁ、任命権はこちらにある。周りの貴族たちにどうこう言う権利はないよ。」
「分かった。騎士団の件は任せてくれ。」
「すまないがよろしく。」
領地に戻る予定だったシオンたちも王都で暮らすことになったのだった。
########
感想ご指摘ありがとうございます!
とても励みになっています。
読みにくい、分かりにくい、話が飛びすぎ文が短い、ひとつの話が長いなどありましたら感想の方によろしくお願いします。
全て読ませて頂いております。
面白いと思った方はぜひお気に入り登録、感想よろしくお願いします!!!
「今は領地にいると思うのだけど、これからは王宮で働いて欲しい。ひとつの騎士団の全権利をアルフレッドに持ってもらいたいんだ。」
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その騎士団の権利を渡してしまうということがどれだけありえない事なのか分からない人も多いだろう。
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それに比べ、騎士団に人数制限はなく全員に騎士爵という半貴族みたいなものが与えられるため平民とは区別されそれ相応の地位が与えられるのだ。
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それを、国王であるブレイブがわからないはずがない。なにか理由があるのではと、エミリアとアリティアは考えているがこれといった理由は思い浮かばなかった。
「これは、王国のためだよ。最近騎士の質が落ちているのは事実。それを解消するためにはアルフレッドとエミリアの力を借りざるを得ない。だから、協力して欲しい。」
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「そんなの、後で付けただけだろう?やり方は他にも色々あるはずだし。それがなにか分からないが何年一緒にいると思ってるんだ?」
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まず、貴族派が兵力強化に向け自分たちの所の私兵を増やすべきという考えを提出しようとしているみたいでこのままだとそれを承認するしかなくなる。それなら、悪用することはないだろう、アルフレッドに任せることで、強化をすることが出来て貴族派牽制もできる、貴族派と王族派のどちらから出したとしても揉めるだろうから、派閥に興味のないアルフレッドが適任であったらしい。
そして学園での実績などを考慮してグレン、シオンにも所属して欲しいというお願いだ。
「それは、大丈夫なのですか?」
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「あぁ、任命権はこちらにある。周りの貴族たちにどうこう言う権利はないよ。」
「分かった。騎士団の件は任せてくれ。」
「すまないがよろしく。」
領地に戻る予定だったシオンたちも王都で暮らすことになったのだった。
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