家族もチート!?な貴族に転生しました。

夢見

文字の大きさ
上 下
6 / 84
第1章

5話 お勉強Part4

しおりを挟む
お勉強Part4


ダイニングに着くと両親ともすでに座っておりシオンも急いで席に着いた。
「おはようございます。遅くなりました。」
「おはよう。大丈夫だ。父さんも今来たところだからね。」
「おはようシオン。気にする必要はないわよ。」
相変わらず2人ともシオンに甘かった。
「それじゃあ、神々の恵みに感謝を。」
「「感謝を。」」
宗教染みているかもしれないがこれがこの世界のいただきますである。最初は、違和感を覚えたシオンも今では、何一つ違和感がなくご飯を食べる前の挨拶になっていた。

「シオン。ご飯を食べ終わったら動きやすい服に着替えて中庭においで。」
アルフレッドはいつにも増してご飯を早く食べ、ダイニングを出ていった。それを見てエミリアが、クスクスと笑っている。
「どうしたのですか?」
シオンは不思議に思い、エミリアに質問した。
「お父様は、シオンとたくさん剣術の練習をしたいからと今日やるはずの仕事を昨日急いで終わらせたのよ。そして、今は、明日の分をやっているのよ。」
アルフレッドが、急いでいる理由はご飯をゆっくり食べる時間さえないくらい仕事が忙しいのではなく、シオンとたくさん剣術の鍛錬をしたいというだけであった。アルフレッドのわがままともいえる行動に付き合わされる文官たちは少し可哀そうだとも思うがシオン自身少しでもたくさん剣術を学ぶことが出来、そしてアルフレッドと何かできることがうれしかった。
「凄くありがたいけど、ご飯くらい一緒にゆっくり食べたいな。」
ポロッとつぶやいたその一言をエミリアは聞いており、アルフレッドに伝えた次の日からゆっくりと食べるようになったのは内緒である。

「そろそろ、お父様も仕事を終えて剣術の鍛錬を始めると思うから準備しに向かった方がいいと思うわよ。」
ゆっくりと紅茶を楽しんでいたシオンにそう伝えるとシオンはハッとして慌ててダイニングから出ていった。
「あの人に似たのね。」
楽しそうにシオンが出ていった方を眺めクスリと笑い紅茶を静かな朝のひと時を楽しむエミリアであった。

シオンは、部屋に戻ると急いで動きやすい服に着替え中庭に向かった。
「よし、シオン来たな。体力づくりのためにまずは少しランニングをしようか。」
「はい。お父様。」
2人は、中庭を出発して裏庭や屋敷の正面玄関の前などを走った。アルフレッドはいつも屋敷の左奥にある山を走っているのだがシオンとのランニングということで危なくないよう敷地内でランニングを行った。
そこらの5歳児より体力はあったもののやはり英雄と呼ばれたアルフレッドとは天と地ほどの差があった。
「この辺で、少し休憩をしようか。」
2人は、裏庭の芝生の上に座りメイドに準備してもらったお茶を飲みながら話をした。
「シオン。この生活楽しいかい?まだ、一度も屋敷を出たことがないし、シオンにはたくさん我慢をさせているんじゃないかと思うのだけど。」
アルフレッドはシオンを心配そうに見つめた。
「大丈夫ですよ。お父様。使用人のみんなも優しいしお父様やお母様とのお勉強も始まりワクワクが止まりません。」
本心をそのまま伝える。こういう時は、そのまま伝えるべきだと前世のじっちゃんが言っていた...気がする。
「そうか。それなら良かったよ。シオンは上2人が5歳だった時に比べても大人びているからな。わがままも言わないし、自慢の息子であることは間違いないが少し寂しくも思うな。」
寂しそうに笑う父にシオンは本当のことを伝えたい。そう思ってしまった。
「お父様。今日の夜ご飯の時お話があります。」
そう言ってしまった。後に引くことが出来なくなったが引く気は一切ないのであまり関係ないだろう。
「ん?なんだ?楽しみに待っているよ。」
アルフレッドはさっきの寂しそうな笑顔とは裏腹にとてもうれしそうに笑みをこぼした。
「よし、休憩もしたし、もう少しランニングするか!」
アルフレッドは、そう言って走り出した。
「お父様。待ってくださいよ!!」
シオンも楽しそうに走り出したのだった。




########
やっと話が進みそうです。
話の展開を速くしようとグダグダ書かないようにしているのですがもう少し詳しく書いた方がいいという意見も頂いたので内容盛りだくさん(?)でした!

次回、カミングアウト
お楽しみに✨


まだ書いてないのでどうなるかは分かりません

########
しおりを挟む
感想 124

あなたにおすすめの小説

職業賢者、魔法はまだない ~サバイバルから始まる異世界生活~

渡琉兎
ファンタジー
 日本の高校に通っていた天川賢斗(あまかわけんと)は、突如振り出した豪雨にさらされると落雷を浴びてしまい即死してしまう。  意識だけの存在になった賢斗に女神と名乗るアステアから異世界転生をさせる代わりに、世界を救ってほしいとお願いされる。  ゲーム大好き人間だった賢斗は即答で了承すると、転生時の職業を【賢者】にしてくれると約束してくれた。  ──だが、その約束は大きな間違いを伴っていた。  確かに職業は【賢者】だった。きっともの凄い魔法が使えるのだろう。だけど、だけどさあ…………レベル1だから超強い魔法が魔力不足で使えないんですけど!?  魔法欄には現代魔法の最高峰やら、忘れ去られたであろう古代魔法やらがずらりと並んでいるのだが、レベル1で魔力5しかない賢斗には全く、何も使えなかった!  これは、レベル1の最弱賢者がレベリングに躍起になる、そんなお話。  ……あれ、世界を救うとかなんとかって、どうなった? ※カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。

神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく

霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。 だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。 どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。 でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!

異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。

桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。 だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。 そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま) 神々がくじ引きで決めた転生者。 「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」 って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう… まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。 そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。 その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~

冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。  俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。 そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・ 「俺、死んでるじゃん・・・」 目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。 新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。  元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

処理中です...