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俺の彼氏が家出した
(5)-1
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期末テストが終わった。一学期の登校日も残すところ僅かになった。
榊の通う高校では毎回、テストが終わると掲示板に順位が張り出される。
先日、漫研仲間の斉藤に連れられ、見に行った。正直、榊は順位など気にしていなかったのだが。
「榊、安定の一位だね。おめでと」
「ああ、ありがとう」
「ところで雪は、どうだったのかな?」
いつの間にか斉藤の隣にいた南沢に、斉藤が茶化しながら聞く。
自分が教えた手前、それは気になるな。と、南沢の声に耳を傾ける。
「なんと!最高順位です!」
そう言って指で二とゼロの形を作っている。どうやら学年二十位だということらしい。
「やっぱり、榊に教えて貰ったから?!それなら私も次からお願いしようかな~」
「ダメです~榊先生は俺専用だから!」
「専用って初めて聞いたんだが」
「そ、れは今、初めて言ったからな?」
慌てて言う南沢が可愛く見えた。
そんなことがありつつ、終業式まで残り一日となった日だった。
いつものように登校すると、クラス中が異様な空気に包まれていた。
「どうかした?」
と、何気なく、斉藤に聞く。すると、腕を掴まれて非常階段の方へと連れて行かれた。
急いだ足取りで辿り着く。
「こんなとこまで来て話すことだったのか?」
そう言うと斉藤が神妙な面持ちになる。斉藤は周りが暗いときでもいつも明るい。その斉藤が言いにくそうに唇を噛みしめている。
(何があったんだ?)
推測し、けれど自分の推測などたかが知れていると頭を捻らせていると、斉藤が決心したように「あのね」と言う。
「私も今朝、知ったんだけど」
「うん」
「雪の良くない噂が流れちゃってるらしいのよ」
斉藤が言うには、南沢には交際している相手がいるという噂だった。
正直、胸が痛い。もしかしたら、と思っていたが、実際にそうだと聞けば何か大切なものを失ったような気持にすらなる。
(でも、付き合うなんてよくある話だよな)
冷静に考えると何もおかしいことはない。なのに、何が良くないのかと、答えを求めるように斉藤を見る。
「その相手が…他校の男子らしいって」
「男子?」
「つまり、雪が男の子と付き合ってるんじゃないかって噂よ」
榊の通う高校では毎回、テストが終わると掲示板に順位が張り出される。
先日、漫研仲間の斉藤に連れられ、見に行った。正直、榊は順位など気にしていなかったのだが。
「榊、安定の一位だね。おめでと」
「ああ、ありがとう」
「ところで雪は、どうだったのかな?」
いつの間にか斉藤の隣にいた南沢に、斉藤が茶化しながら聞く。
自分が教えた手前、それは気になるな。と、南沢の声に耳を傾ける。
「なんと!最高順位です!」
そう言って指で二とゼロの形を作っている。どうやら学年二十位だということらしい。
「やっぱり、榊に教えて貰ったから?!それなら私も次からお願いしようかな~」
「ダメです~榊先生は俺専用だから!」
「専用って初めて聞いたんだが」
「そ、れは今、初めて言ったからな?」
慌てて言う南沢が可愛く見えた。
そんなことがありつつ、終業式まで残り一日となった日だった。
いつものように登校すると、クラス中が異様な空気に包まれていた。
「どうかした?」
と、何気なく、斉藤に聞く。すると、腕を掴まれて非常階段の方へと連れて行かれた。
急いだ足取りで辿り着く。
「こんなとこまで来て話すことだったのか?」
そう言うと斉藤が神妙な面持ちになる。斉藤は周りが暗いときでもいつも明るい。その斉藤が言いにくそうに唇を噛みしめている。
(何があったんだ?)
推測し、けれど自分の推測などたかが知れていると頭を捻らせていると、斉藤が決心したように「あのね」と言う。
「私も今朝、知ったんだけど」
「うん」
「雪の良くない噂が流れちゃってるらしいのよ」
斉藤が言うには、南沢には交際している相手がいるという噂だった。
正直、胸が痛い。もしかしたら、と思っていたが、実際にそうだと聞けば何か大切なものを失ったような気持にすらなる。
(でも、付き合うなんてよくある話だよな)
冷静に考えると何もおかしいことはない。なのに、何が良くないのかと、答えを求めるように斉藤を見る。
「その相手が…他校の男子らしいって」
「男子?」
「つまり、雪が男の子と付き合ってるんじゃないかって噂よ」
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