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番外編
ep150 商いの猫娘①
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ウチはアミーナ・キャラット。
元気印の猫娘や!
もともとウチは、キャロル公国で商売やろう思うて来たんやけど、色々あって、コーロにぃとユイねぇと旅を共にすることになってん。
二人には色々助けてもろうて、ホンマ感謝してもしきれへん!
せやのに二人ともお礼はいらん言うて......それじゃウチの気持ちがおさまらへん!
せやから、なんかできんかな~と、ウチは東の街の通りをブラブラしとったんや。
そんな時...
「ニャー」
一匹の野良猫がウチの目の前に現れたんや。
「ニャー」
その子は茶トラ模様の妙に貫禄のある猫で、ニャーニャー言いながらウチの足元に寄って来たんや。
「おい」
「なんや?」
「オメーは猫娘だな?」
「そうやけど?それがどないしたんや?」
「オ、オメエ!俺と会話できんのか!?」
「できるで?びっくりしたか?」
あ、そうそう。
ウチは猫と会話できるんやで?
スゴいやろ?ニャハハ。
「ほんで、ウチになんか用なんか?」
ウチはしゃがんで目線を下げて、茶トラくんに訊ねた。
「いや~なに。イイ女だなぁと思って声かけたまでよ」
「ナンパか!」
「ねーちゃん。ちいとばかし俺に付き合わねーか?」
「どこ行くんや?」
「なーに、心配しねーでいい。いきなりホテルなんざ連れてかねーさ。俺は女も人生もプロセスを大事にしてーんだ」
「...コイツ何言うとんねん......」
「まあとにかく、黙って俺について来てくれ。大丈夫。俺は女をなかしたりしねぇ。なくのは麻雀だけさ」
「...ホンマこいつ何やねん......」
何だかようわからんまま、半ば面白半分で、ウチはこのわけわからん茶トラ野郎について行ってみたんや。
のっしのっしと歩いていく茶トラについて進んで行くと、やがて一軒の屋敷に辿り着きよった。
「ここだ」
「ここ?」
建物は古びていて、庭の草が伸び散らかし、人の気配がまったくなく、どうやら空家みたいやった。
「ここは俺たち茶虎家のマイホームだ」
「は?」
中に入ると...
「あっ!パパ~おかえり!」
「パパ~そのヒトだれぇ??」
「オヤジ!おせーぞ!」
「お父さん!」
大量の猫達でワラワラと賑わってたんや!
「ここはノラ達の猫屋敷なんか??」
「まあそんなところだ。でもよ、コイツらはみんなただのノラじゃねえ」
「?」
「全員俺の家族だ!」
「なんやて!?」
そこには全部で五十匹ばかりの猫達がおったんやが、どれも全部この茶トラの子どもだったんや!
「めっちゃ大家族やんか!」
「ああ。どいつも俺の自慢の子どもだぜ」
「ようこんだけつくりよったなぁ」
「おう。早撃ちミックとは俺のことよ」
「な、何言うとんねん!アホか!」
「ビッグダディと呼んでくれてもいいぜ」
「うっさいわボケ!」
とりあえずウチは大家族に挨拶して、しばらく子ども達と戯れてから、茶トラ親父に改めて訊ねた。
「なあ茶トラのおっさん。なんでウチをここに連れて来たんや?ただ連れて来たんちゃうやろ?」
「ああ、それなんだが、実はなぁ......」
「実は?」
「俺の愛しの妻、つまりガキどもの母親はもう死んじまってなぁ」
「そ、そうなんか」
「俺はさぁ。この世知辛い世の中で男一匹、ガキどもの面倒見てかなきゃならねえわけだが」
「うん」
「つまりアレだ」
「あれ?」
「......ああ、そうだ。つまり......金がねーんだよ!金が!養ってく金がよ!」
「か、金やって!?」
「そうだ!コイツらにメシ食わすのもバカにならねえんだよ!幸い屋根のある家はあるが、固定資産税も払わねーといけねーし!」
「おまえ猫のくせに固定資産税払っとるんか!?てかここお前のマイホームなんか??ノラちゃうやんか!!」
「ったりめーよ!納税は国民の義務だろーが!あと、ここは正真正銘のマイホームだからな!」
「おまえどんな猫やねん...」
「とにかく!俺には金が必要なんだ!」
「...ほんで、ウチに金をせびるつもりなんか?」
「そ、そんなつもりじゃねぇ!ただ、ねーちゃんは人間と猫の間みたいな存在だろ?だったら俺達ガチの猫と人間の間を繋いでウマイことマネタイズできる何かをやってくれんじゃねーかと思ってよ」
「そんなんできるんやったらとっくにやっとるわ!」
「そ、そんなこと言わねーでくれよ!」
「そんな都合良くいくか!お金稼ぐゆーんは大変な事なんや!いい大人が甘い考え持ったらアカン!」
「そんなぁ」
「ウチやって商売やるためにキャロル来て、色々あって頓挫して今に至るんや!......ん?商売?......あっ!」
「ど、どーしたんだ!?」
「......ええこと思いついたかもしれへん。これならお礼もできるんちゃうか...?」
「ねーちゃん?」
「......おい茶トラのおっさん。金稼ぐ良い方法、しかもウチらにしかできん方法......あるかもしれんで!?」
「マジか!!」
......
元気印の猫娘や!
もともとウチは、キャロル公国で商売やろう思うて来たんやけど、色々あって、コーロにぃとユイねぇと旅を共にすることになってん。
二人には色々助けてもろうて、ホンマ感謝してもしきれへん!
せやのに二人ともお礼はいらん言うて......それじゃウチの気持ちがおさまらへん!
せやから、なんかできんかな~と、ウチは東の街の通りをブラブラしとったんや。
そんな時...
「ニャー」
一匹の野良猫がウチの目の前に現れたんや。
「ニャー」
その子は茶トラ模様の妙に貫禄のある猫で、ニャーニャー言いながらウチの足元に寄って来たんや。
「おい」
「なんや?」
「オメーは猫娘だな?」
「そうやけど?それがどないしたんや?」
「オ、オメエ!俺と会話できんのか!?」
「できるで?びっくりしたか?」
あ、そうそう。
ウチは猫と会話できるんやで?
スゴいやろ?ニャハハ。
「ほんで、ウチになんか用なんか?」
ウチはしゃがんで目線を下げて、茶トラくんに訊ねた。
「いや~なに。イイ女だなぁと思って声かけたまでよ」
「ナンパか!」
「ねーちゃん。ちいとばかし俺に付き合わねーか?」
「どこ行くんや?」
「なーに、心配しねーでいい。いきなりホテルなんざ連れてかねーさ。俺は女も人生もプロセスを大事にしてーんだ」
「...コイツ何言うとんねん......」
「まあとにかく、黙って俺について来てくれ。大丈夫。俺は女をなかしたりしねぇ。なくのは麻雀だけさ」
「...ホンマこいつ何やねん......」
何だかようわからんまま、半ば面白半分で、ウチはこのわけわからん茶トラ野郎について行ってみたんや。
のっしのっしと歩いていく茶トラについて進んで行くと、やがて一軒の屋敷に辿り着きよった。
「ここだ」
「ここ?」
建物は古びていて、庭の草が伸び散らかし、人の気配がまったくなく、どうやら空家みたいやった。
「ここは俺たち茶虎家のマイホームだ」
「は?」
中に入ると...
「あっ!パパ~おかえり!」
「パパ~そのヒトだれぇ??」
「オヤジ!おせーぞ!」
「お父さん!」
大量の猫達でワラワラと賑わってたんや!
「ここはノラ達の猫屋敷なんか??」
「まあそんなところだ。でもよ、コイツらはみんなただのノラじゃねえ」
「?」
「全員俺の家族だ!」
「なんやて!?」
そこには全部で五十匹ばかりの猫達がおったんやが、どれも全部この茶トラの子どもだったんや!
「めっちゃ大家族やんか!」
「ああ。どいつも俺の自慢の子どもだぜ」
「ようこんだけつくりよったなぁ」
「おう。早撃ちミックとは俺のことよ」
「な、何言うとんねん!アホか!」
「ビッグダディと呼んでくれてもいいぜ」
「うっさいわボケ!」
とりあえずウチは大家族に挨拶して、しばらく子ども達と戯れてから、茶トラ親父に改めて訊ねた。
「なあ茶トラのおっさん。なんでウチをここに連れて来たんや?ただ連れて来たんちゃうやろ?」
「ああ、それなんだが、実はなぁ......」
「実は?」
「俺の愛しの妻、つまりガキどもの母親はもう死んじまってなぁ」
「そ、そうなんか」
「俺はさぁ。この世知辛い世の中で男一匹、ガキどもの面倒見てかなきゃならねえわけだが」
「うん」
「つまりアレだ」
「あれ?」
「......ああ、そうだ。つまり......金がねーんだよ!金が!養ってく金がよ!」
「か、金やって!?」
「そうだ!コイツらにメシ食わすのもバカにならねえんだよ!幸い屋根のある家はあるが、固定資産税も払わねーといけねーし!」
「おまえ猫のくせに固定資産税払っとるんか!?てかここお前のマイホームなんか??ノラちゃうやんか!!」
「ったりめーよ!納税は国民の義務だろーが!あと、ここは正真正銘のマイホームだからな!」
「おまえどんな猫やねん...」
「とにかく!俺には金が必要なんだ!」
「...ほんで、ウチに金をせびるつもりなんか?」
「そ、そんなつもりじゃねぇ!ただ、ねーちゃんは人間と猫の間みたいな存在だろ?だったら俺達ガチの猫と人間の間を繋いでウマイことマネタイズできる何かをやってくれんじゃねーかと思ってよ」
「そんなんできるんやったらとっくにやっとるわ!」
「そ、そんなこと言わねーでくれよ!」
「そんな都合良くいくか!お金稼ぐゆーんは大変な事なんや!いい大人が甘い考え持ったらアカン!」
「そんなぁ」
「ウチやって商売やるためにキャロル来て、色々あって頓挫して今に至るんや!......ん?商売?......あっ!」
「ど、どーしたんだ!?」
「......ええこと思いついたかもしれへん。これならお礼もできるんちゃうか...?」
「ねーちゃん?」
「......おい茶トラのおっさん。金稼ぐ良い方法、しかもウチらにしかできん方法......あるかもしれんで!?」
「マジか!!」
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