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異世界の章:第一部 西のキャロル編
ep139 帰還
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「コーロ!?」
「おにーちゃん!?」
「ん?」
「スヤザキさん?」
ユイとアミーナは慌てて膝をつきコーロに触れる。
「ちょっとどうしたの?ねえ?コーロ?」
「どないしたんや?コーロおにーちゃん?」
「二人とも退がんな」
だしぬけにスラッシュが言った。
「え?」
「え?」
ユイとアミーナはスラッシュを見上げて一歩退がった。
スラッシュは雷色の眼で這いつくばるコーロをギロッと凝視する。
「......こりぁあれだ。一気に魔力使い過ぎたんだろ。とりあえずゆっくり休ませな。そうすりゃ明日には戻んだろ」
「わ、わかったわ!」
「ほな!」
ユイとアミーナは協力してコーロを抱き起こす。
スラッシュは頭をポリポリかきながら三人を見て、軽くニッと笑った。
「しゃーねーな。そんじゃあユイリスちゃん、カレシにもよろしく伝えといてくれや」
「わ、わわわかったわ!」
再び顔を火照らずユイ。
「それと猫娘ちゃん」
スラッシュはアミーナに視線を移した。
「...ウチ?なんや?」
きょとんとするアミーナ。
「あのキースとかいうお友達は、たぶん猫娘ちゃんが思ってるよりずっと強い男だぜ?だから余計な事は考えんな」
スラッシュはそう言い放ち、クルッときびすを返して歩き出した。
「じゃーな。......行くぞフロー」
フロワースはユイとアミーナに抱えられるコーロをじっと見つめてから、
「......という訳でさようなら。スヤザキさんによろしく」
二人に別れの挨拶をし、スラッシュに続いて歩いて行った。
......
コーロを抱えるユイとアミーナ。
「......はぁ。助かったわ...」
「......あのスラッシュとかいう人。ええ人なんかなぁ」
「...とにかく、早くコーロをしっかり休ませないと!」
「せ、せやな!」
ーーーーーー
暗闇。
何も見えないはずなのに...
......なんだ?
誰かが、いる?
そこにいるのは、誰だ?
ーーー闇は馴染んだか?
そちも気づいたじゃろう?
強力な暗黒魔法を使い、さらに闇を深めたことを。
屍体人形どもをまとめて葬り、黒狐の死に様を目の当たりにし、さらに闇が深まった事を。
良いぞ。良いぞ。
それでこそ、導かれし暗黒魔導師。
妾はそちを、待っておるーーー
......この声は
あの時の......
ーーーーーー
時計の針が何周もした頃......。
コーロは目覚めた。
窓の方に目をやると、カーテン越しの陽射しの加減から、すでに昼間であることを悟った。
「起きたのね。おはよう、コーロ」
ベッドの横の椅子に座っていたユイが優しく微笑みかける。
コーロはむくりと上半身を起こすと、ユイに顔を向ける。
「おはよう、ユイ。......俺、いつ寝たんだ?」
「こっちに戻って来て、宿屋の前でいきなり倒れた事、覚えてないの?」
「......あ、そういえば。その時、なんか......ユイに何かを言われたような......」
「なっ!ななな何も言ってないわ!!」
急に顔を火照らせて慌てるユイ。
「......ユイ?」
その時、廊下からドタドタドタっと音が聞こえて来たかと思うと、部屋のドアがバン!と開いた。
「コーロおにーちゃん!もう起きたんか!?」
「...アミ!」
それから三人は階下の食堂で食事を済ませると、再びコーロの部屋に集合した。
(ちなみに、コーロとユイの関係についてのアミーナの誤解は、すでにユイによる必死の弁明によって解かれていた事を補足しておこう...)
「おにーちゃん!?」
「ん?」
「スヤザキさん?」
ユイとアミーナは慌てて膝をつきコーロに触れる。
「ちょっとどうしたの?ねえ?コーロ?」
「どないしたんや?コーロおにーちゃん?」
「二人とも退がんな」
だしぬけにスラッシュが言った。
「え?」
「え?」
ユイとアミーナはスラッシュを見上げて一歩退がった。
スラッシュは雷色の眼で這いつくばるコーロをギロッと凝視する。
「......こりぁあれだ。一気に魔力使い過ぎたんだろ。とりあえずゆっくり休ませな。そうすりゃ明日には戻んだろ」
「わ、わかったわ!」
「ほな!」
ユイとアミーナは協力してコーロを抱き起こす。
スラッシュは頭をポリポリかきながら三人を見て、軽くニッと笑った。
「しゃーねーな。そんじゃあユイリスちゃん、カレシにもよろしく伝えといてくれや」
「わ、わわわかったわ!」
再び顔を火照らずユイ。
「それと猫娘ちゃん」
スラッシュはアミーナに視線を移した。
「...ウチ?なんや?」
きょとんとするアミーナ。
「あのキースとかいうお友達は、たぶん猫娘ちゃんが思ってるよりずっと強い男だぜ?だから余計な事は考えんな」
スラッシュはそう言い放ち、クルッときびすを返して歩き出した。
「じゃーな。......行くぞフロー」
フロワースはユイとアミーナに抱えられるコーロをじっと見つめてから、
「......という訳でさようなら。スヤザキさんによろしく」
二人に別れの挨拶をし、スラッシュに続いて歩いて行った。
......
コーロを抱えるユイとアミーナ。
「......はぁ。助かったわ...」
「......あのスラッシュとかいう人。ええ人なんかなぁ」
「...とにかく、早くコーロをしっかり休ませないと!」
「せ、せやな!」
ーーーーーー
暗闇。
何も見えないはずなのに...
......なんだ?
誰かが、いる?
そこにいるのは、誰だ?
ーーー闇は馴染んだか?
そちも気づいたじゃろう?
強力な暗黒魔法を使い、さらに闇を深めたことを。
屍体人形どもをまとめて葬り、黒狐の死に様を目の当たりにし、さらに闇が深まった事を。
良いぞ。良いぞ。
それでこそ、導かれし暗黒魔導師。
妾はそちを、待っておるーーー
......この声は
あの時の......
ーーーーーー
時計の針が何周もした頃......。
コーロは目覚めた。
窓の方に目をやると、カーテン越しの陽射しの加減から、すでに昼間であることを悟った。
「起きたのね。おはよう、コーロ」
ベッドの横の椅子に座っていたユイが優しく微笑みかける。
コーロはむくりと上半身を起こすと、ユイに顔を向ける。
「おはよう、ユイ。......俺、いつ寝たんだ?」
「こっちに戻って来て、宿屋の前でいきなり倒れた事、覚えてないの?」
「......あ、そういえば。その時、なんか......ユイに何かを言われたような......」
「なっ!ななな何も言ってないわ!!」
急に顔を火照らせて慌てるユイ。
「......ユイ?」
その時、廊下からドタドタドタっと音が聞こえて来たかと思うと、部屋のドアがバン!と開いた。
「コーロおにーちゃん!もう起きたんか!?」
「...アミ!」
それから三人は階下の食堂で食事を済ませると、再びコーロの部屋に集合した。
(ちなみに、コーロとユイの関係についてのアミーナの誤解は、すでにユイによる必死の弁明によって解かれていた事を補足しておこう...)
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