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異世界の章:第一部 西のキャロル編
ep114 大怪鳥
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ブラックキャットは何かを決断するやいきなり、
「アォゥゥゥゥゥゥゥ」
遠吠えのような声を上げた。
「なんだ?」
「なんやなんや?」
少し離れた所でドガンと何かを突き破ったような音が響いたが、ブラックキャットにも周りにも、何も変わった形跡は見られない。
一瞬、水を打ったように静まり返る夜の公園。
すると...
「!」
何かを察知するコーロ。
「!」
猫耳をピクッとさせるアミーナ。
草木の影からガサガサと音が鳴り、虎のような獣と豹のような獣が合わせて二十頭ばかし現れる。
「獣?動物?なのか?」
コーロの言葉に答えるようにアミーナが口を開く。
「いや、ウチには獣の血が入っとるからわかる。あれはただの動物やない......」
ブラックキャットがうすら笑いを浮かべる。
「そうだ。あれは動物ではない。人工魔獣だ」
ーーーあれはオレの偽造魔法で作り出した人工魔獣のベータ版。
現段階ではオレがこうなった状態でしか使えない。
本当はあれにマイルスのマリオネット(魔人形)を組み合わせて、さらに強力にしながら且つ汎用性の高い兵器として完成させてから使う予定だったが......
仕方ない。今これで奴らを八つ裂きにしてやるーーー
グルルルル......
唸りながらコーロとアミーナの周囲をぐるぐると円を描くように歩く猛獣ども。
コーロとアミーナは背中合わせで身構える。
「アミーナ」
コーロは肩越しに呼びかける。
「なんや?」
「俺に考えがある。アミーナはそれに従って動いてくれないか?」
「ええよ?ほんでどうするん?」
「............」
「......わかったわ!」
「じゃあ行くぞ!」
コーロが手をかざした!
「闇の王たる我が名に於いて命ずる。出よ、大怪鳥プテラス!」
ズズズズズズズズズ!!
コーロの手から迸る闇の魔力と共に、大怪鳥が姿を現す!
「あの男の使役魔か!?」
ブラックキャットは目を見開いて叫んだ。
「...!グルルル......!」
警戒心を強める猛獣ども。
「これが大怪鳥か!ごっついわ!」
驚嘆するアミーナ。
「アミを助けた以上、遠慮なく暴れられるからな。フロワース警部は...まあ、大丈夫だろう...(たぶん)」
「ほな...」
「ああ!プテラス!アミーナを乗っけて飛んでくれ!そこからはアミーナの指示に従ってくれ!」
「承知。我が主よ」
アミーナは軽快にひゅっとプテラスに跳び乗った。
「プテラスはん!頼むで!」
「我に任せよ」
バサ~バサ~バサ~!
猫娘を乗せた大怪鳥は、浮上すると、戦場の上空に適切に位置付けた。
猛獣どもは皆、上方の大怪鳥に向けて唸り出す。
コーロはブラックキャットをキッと見据えた。
「行くぞ!ブラックキャット!」
「貴様なぞ捻り潰してくれる!」
ブラックキャットはギランッと眼を光らせた。
『狐火』
ボボボボボボッ!
ブラックキャットの周りに無数の火の玉が出現する!
ゆらゆらと宙に揺れながらメラメラとゆらめく無数の火の玉。
上空のアミーナ。
「...あれは狐の亜人固有の能力や!ブラックキャット、やっかいなやっちゃなホンマ!...ほなプテラスはん!ウチらで猛獣どもをコーロおにーちゃんから引き離すで!奴らに派手なの頼むわ!」
「承知」
プテラスは大きくガバァっと口を開き、ジジジジィィッと口内に青黒いエネルギー弾を生成し始めた!
ブラックキャットがハッとして上空を見上げる。
「あれは......そうか!あれで屋敷を爆撃したのだな!」
コーロもプテラスを見上げる。
「...よし。あれでうまいこと猛獣どもをやってくれれば。
俺はブラックキャットだけに集中できる。
プテラスは間違っても主の俺に誤射することはないだろう。
......うん、大丈夫だよな?あれ、なんか不安になってきた。
本当に、大丈夫だよな......?」
エネルギー弾、三個、生成完了。
『デストロイブレス(破壊の大息)』
ブヴォォォォーーーン!!!
ブヴォォォォーーーン!!!
ブヴォォォォーーーン!!!
青黒く光るエレルギー弾が、二つはコーロの左右の猛獣どもへ!
残り一つは......コーロとブラックキャットのちょうど間あたりに発射された!
常識的に考えて、ブラックキャットのみならずコーロも巻き込む距離である。
「!」
ブラックキャットは獣の俊敏さと跳躍で咄嗟に跳び退がる。
「え??」
コーロはそのまま...
ドガァーーーーーーン!!!
直撃。
「アォゥゥゥゥゥゥゥ」
遠吠えのような声を上げた。
「なんだ?」
「なんやなんや?」
少し離れた所でドガンと何かを突き破ったような音が響いたが、ブラックキャットにも周りにも、何も変わった形跡は見られない。
一瞬、水を打ったように静まり返る夜の公園。
すると...
「!」
何かを察知するコーロ。
「!」
猫耳をピクッとさせるアミーナ。
草木の影からガサガサと音が鳴り、虎のような獣と豹のような獣が合わせて二十頭ばかし現れる。
「獣?動物?なのか?」
コーロの言葉に答えるようにアミーナが口を開く。
「いや、ウチには獣の血が入っとるからわかる。あれはただの動物やない......」
ブラックキャットがうすら笑いを浮かべる。
「そうだ。あれは動物ではない。人工魔獣だ」
ーーーあれはオレの偽造魔法で作り出した人工魔獣のベータ版。
現段階ではオレがこうなった状態でしか使えない。
本当はあれにマイルスのマリオネット(魔人形)を組み合わせて、さらに強力にしながら且つ汎用性の高い兵器として完成させてから使う予定だったが......
仕方ない。今これで奴らを八つ裂きにしてやるーーー
グルルルル......
唸りながらコーロとアミーナの周囲をぐるぐると円を描くように歩く猛獣ども。
コーロとアミーナは背中合わせで身構える。
「アミーナ」
コーロは肩越しに呼びかける。
「なんや?」
「俺に考えがある。アミーナはそれに従って動いてくれないか?」
「ええよ?ほんでどうするん?」
「............」
「......わかったわ!」
「じゃあ行くぞ!」
コーロが手をかざした!
「闇の王たる我が名に於いて命ずる。出よ、大怪鳥プテラス!」
ズズズズズズズズズ!!
コーロの手から迸る闇の魔力と共に、大怪鳥が姿を現す!
「あの男の使役魔か!?」
ブラックキャットは目を見開いて叫んだ。
「...!グルルル......!」
警戒心を強める猛獣ども。
「これが大怪鳥か!ごっついわ!」
驚嘆するアミーナ。
「アミを助けた以上、遠慮なく暴れられるからな。フロワース警部は...まあ、大丈夫だろう...(たぶん)」
「ほな...」
「ああ!プテラス!アミーナを乗っけて飛んでくれ!そこからはアミーナの指示に従ってくれ!」
「承知。我が主よ」
アミーナは軽快にひゅっとプテラスに跳び乗った。
「プテラスはん!頼むで!」
「我に任せよ」
バサ~バサ~バサ~!
猫娘を乗せた大怪鳥は、浮上すると、戦場の上空に適切に位置付けた。
猛獣どもは皆、上方の大怪鳥に向けて唸り出す。
コーロはブラックキャットをキッと見据えた。
「行くぞ!ブラックキャット!」
「貴様なぞ捻り潰してくれる!」
ブラックキャットはギランッと眼を光らせた。
『狐火』
ボボボボボボッ!
ブラックキャットの周りに無数の火の玉が出現する!
ゆらゆらと宙に揺れながらメラメラとゆらめく無数の火の玉。
上空のアミーナ。
「...あれは狐の亜人固有の能力や!ブラックキャット、やっかいなやっちゃなホンマ!...ほなプテラスはん!ウチらで猛獣どもをコーロおにーちゃんから引き離すで!奴らに派手なの頼むわ!」
「承知」
プテラスは大きくガバァっと口を開き、ジジジジィィッと口内に青黒いエネルギー弾を生成し始めた!
ブラックキャットがハッとして上空を見上げる。
「あれは......そうか!あれで屋敷を爆撃したのだな!」
コーロもプテラスを見上げる。
「...よし。あれでうまいこと猛獣どもをやってくれれば。
俺はブラックキャットだけに集中できる。
プテラスは間違っても主の俺に誤射することはないだろう。
......うん、大丈夫だよな?あれ、なんか不安になってきた。
本当に、大丈夫だよな......?」
エネルギー弾、三個、生成完了。
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ブヴォォォォーーーン!!!
ブヴォォォォーーーン!!!
ブヴォォォォーーーン!!!
青黒く光るエレルギー弾が、二つはコーロの左右の猛獣どもへ!
残り一つは......コーロとブラックキャットのちょうど間あたりに発射された!
常識的に考えて、ブラックキャットのみならずコーロも巻き込む距離である。
「!」
ブラックキャットは獣の俊敏さと跳躍で咄嗟に跳び退がる。
「え??」
コーロはそのまま...
ドガァーーーーーーン!!!
直撃。
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