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異世界の章:第一部 西のキャロル編
ep106 侵入
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ーーーーーー
フロワースが公園に到着した時、コーロはすでにブラックファイナンス本部敷地内に降り立っていた。
プテラスを戻したコーロは邸内庭地を駆ける。
「プテラスがあんなに過激な奴だとは......いや、あの見た目ならそうなのか...。
いざとなったら強力な味方なのは確かだけど、あれじゃうかつに出せないな......。
さて、これからどうしたもんか。アミは屋敷内のどこかにいるはずなんだが...」
「スヤザキ様!」
羽根から声が響く。
「エルフォレス様?」
「導きの欠片の反応は、深い所から感じます」
「深い所...地下か!...ん!?」
コーロは何かに気づき歩を緩めると、庭木の影にサッと隠れた。
「おい!敵はどこなんだ!?」
「何人いるんだ!?」
「わからない!」
「侵入はされてないよな!?」
「クソ!よりによってカイソー部長もゲアージさんもいない時に!」
「しらみ潰しに探し出せ!必ず近くにいる!」
屋敷からドタドタと敵が表へ飛び出して行った。
建物内の敵の数は半減したと思われる。
が、警護体制はより厳重になっているとも考えられる。
コーロはどうする?
「......ダークナイトを使うか?いや、さっきの爆撃の混乱でアミがどうなっているかわからない。
もし逃げ出そうとしていたのならかえってマズイ。
いや待てよ?地下にいるのなら爆撃の影響は及んでいないはず。
ならば建物内の敵の数が減った今は絶好のタイミングなんじゃ......」
コーロは即座に闇の魔力を練り上げ、魔法を唱えた。
『ダークナイト(暗黒の闇夜)』
屋敷を含めた公園一帯が、一気にブワァッと漆黒の闇に包まれる!
「な、なんだ!?真っ暗になったぞ!?」
「おい!何も見えない!」
「これはなんなんだ!?」
視界を奪われたブラックファイナンスは慌てふためく!
「これが......スヤザキさんの魔法か...!」
身を隠しながら屋敷付近に接近してきていたフロワースが呟く。
「社長!これは!?」
「これは...魔法か!?敵には魔導師がいる!!さっきの爆撃とこの目眩し、ということは......」
部下達同様、突如おとずれた暗黒の世界に面食らっていたブラックキャットだったが、すぐに思考を冷静に切り替える。
ーーー爆撃は一発。部下共の半数は表に出た。続いてこの漆黒による視界封じ。
以上から考えられる次なる手は...侵入か?
暗殺が目的ならばここまで派手にはやらないであろう。
つまり敵はおそらく......我々から何かを奪おうとしている!?
もし勇者の協力者なら猫娘だろうが......ここまで来ればあれは殺してしまってもいい。
そうすればアレとしても使えるしな。だが、そうでなかった場合は......
まさか隠し金庫?いや、それを知っている者がオレとカイソー以外にいるのか?
......漏れた?あるいはなんらかの魔法で知り得たと?
可能性はある。あそこにはオレの積み上げた財産が......オレの野望の軍資金となる大事な資産が......!
それだけは絶対に阻止する!
...落ち着け。
いずれにせよ、命知らずの馬鹿を仕留めねばな。
このブラックキャット様から奪うことなどできない。
逆にお前の命を奪って捻り潰してやるーーー
ブラックキャットは間髪入れず魔力を練り上げ魔法を唱える。
『トリックラビリンス(偽造迷宮)』
ギュウゥゥゥゥン......
フロワースが公園に到着した時、コーロはすでにブラックファイナンス本部敷地内に降り立っていた。
プテラスを戻したコーロは邸内庭地を駆ける。
「プテラスがあんなに過激な奴だとは......いや、あの見た目ならそうなのか...。
いざとなったら強力な味方なのは確かだけど、あれじゃうかつに出せないな......。
さて、これからどうしたもんか。アミは屋敷内のどこかにいるはずなんだが...」
「スヤザキ様!」
羽根から声が響く。
「エルフォレス様?」
「導きの欠片の反応は、深い所から感じます」
「深い所...地下か!...ん!?」
コーロは何かに気づき歩を緩めると、庭木の影にサッと隠れた。
「おい!敵はどこなんだ!?」
「何人いるんだ!?」
「わからない!」
「侵入はされてないよな!?」
「クソ!よりによってカイソー部長もゲアージさんもいない時に!」
「しらみ潰しに探し出せ!必ず近くにいる!」
屋敷からドタドタと敵が表へ飛び出して行った。
建物内の敵の数は半減したと思われる。
が、警護体制はより厳重になっているとも考えられる。
コーロはどうする?
「......ダークナイトを使うか?いや、さっきの爆撃の混乱でアミがどうなっているかわからない。
もし逃げ出そうとしていたのならかえってマズイ。
いや待てよ?地下にいるのなら爆撃の影響は及んでいないはず。
ならば建物内の敵の数が減った今は絶好のタイミングなんじゃ......」
コーロは即座に闇の魔力を練り上げ、魔法を唱えた。
『ダークナイト(暗黒の闇夜)』
屋敷を含めた公園一帯が、一気にブワァッと漆黒の闇に包まれる!
「な、なんだ!?真っ暗になったぞ!?」
「おい!何も見えない!」
「これはなんなんだ!?」
視界を奪われたブラックファイナンスは慌てふためく!
「これが......スヤザキさんの魔法か...!」
身を隠しながら屋敷付近に接近してきていたフロワースが呟く。
「社長!これは!?」
「これは...魔法か!?敵には魔導師がいる!!さっきの爆撃とこの目眩し、ということは......」
部下達同様、突如おとずれた暗黒の世界に面食らっていたブラックキャットだったが、すぐに思考を冷静に切り替える。
ーーー爆撃は一発。部下共の半数は表に出た。続いてこの漆黒による視界封じ。
以上から考えられる次なる手は...侵入か?
暗殺が目的ならばここまで派手にはやらないであろう。
つまり敵はおそらく......我々から何かを奪おうとしている!?
もし勇者の協力者なら猫娘だろうが......ここまで来ればあれは殺してしまってもいい。
そうすればアレとしても使えるしな。だが、そうでなかった場合は......
まさか隠し金庫?いや、それを知っている者がオレとカイソー以外にいるのか?
......漏れた?あるいはなんらかの魔法で知り得たと?
可能性はある。あそこにはオレの積み上げた財産が......オレの野望の軍資金となる大事な資産が......!
それだけは絶対に阻止する!
...落ち着け。
いずれにせよ、命知らずの馬鹿を仕留めねばな。
このブラックキャット様から奪うことなどできない。
逆にお前の命を奪って捻り潰してやるーーー
ブラックキャットは間髪入れず魔力を練り上げ魔法を唱える。
『トリックラビリンス(偽造迷宮)』
ギュウゥゥゥゥン......
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