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異世界の章:第一部 西のキャロル編
ep76 サロン
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ーーーーーー
翌日。
コーロ達はキース捜索およびブラックファイナンスを探るため、アミーナを伴いタペストリの街へ来ていた。
やはり昨日のフロワース警部を含めた警備局に信を置けなかったコーロの判断である。
「なあアミーナ?昨日の今日で大丈夫か?」
「うん。だって、キースも心配やし......」
「悪いな。俺が無理言ったばっかりに」
「そ、そんなん!そもそも、巻き込んでしまっとるのはウチやし...」
「いいのよアミーナ、気にしないで。これは私達のわがままでもあるのだから」
「そ、そんなこと......!」
そう言うとアミーナは突然ピタッと立ち止まった。
「どうしたんだ?」
コーロが訊ねる。
「ほ、ホンマに......コーロにーちゃんも、ユイおねーちゃんも、ありがとう......」
アミーナは感極まったように感謝を示した。
コーロとユイは互いに顔を見合わし、すぐにアミーナの方に向き直って微笑んだ。
「アミーナ。これは俺達がやりたくてやっている事なんだ。だから恩に感じる必要もないんだ」
「そうよ。私達は私達のすべき事をしているの」
「......う、うん。じゃ、じゃあ...」
アミーナは急に二人を見ながらモジモジしだす。
「?」
「コーロおにーちゃんとユイおねーちゃんは、もうウチにとって、大切な友達やから......」
コーロとユイはアミーナの言葉を聞き、穏やかな笑みを浮かべた。
「そうね。それは、私達にとってもよね?」
ユイは手を後ろに組み、くるっとコーロに体を向けて可憐に問いかけた。
「そうだな。だからアミ。もう何も気にしないでいいから、ガツンとキース君捜索をやろう!もちろん、最終的にはきっちり金も取り返すぞ!」
アミーナは大きな瞳を泉のように潤ませながら元気よく笑顔で返事をした。
「......うん!!」
ここで、日中の街路にもかかわらずコーロの懐からミッチーがバッと飛び出す。
「お、おい!?ミッチー!?」
コーロは慌てて声を上げる。
「ちょっとアミーナさん!?ワタシは??ワタシは??ハブですか??ハブなんですか??」
ミッチーは必死に問いただす。
「あ、本のおね......ミッチーも、もちろん友達やで!!」
アミーナは焦って取ってつけたように答えた。
「ワタシだけブロックとか絶対にナシですよ??ワタシこう見えて寂しがり屋なんですよ??承認欲求強いんですよ??いいね欲しさに一日最大五百ツイートしたことあるんですよ??」
「それ何の話だよ!?てかスゴイな!」
コーロは思わずツッコんだ。
「じゃあアミ様。ワタシ達はずっともですね!!」
「ず、ずっとも...?」
「もう人目につくからおまえは!」
コーロはミッチーをバッと引っ掴んでジャケットの懐に無理矢理押し込んだ。
「(モゴモゴ!!!)」
......彼らの戦いは、これから本格的になっていくこととなる。
しかし、彼らは少しずつ、目に見えない力強いものを、あたたかく築き上げていた。
さて、コーロ達が再びタペストリに降り立ったのには理由があった。
アミーナには(フロワース警部には黙っていた)キースの行方についての当てがひとつだけあったからだ。
「たぶんここや。キースが起業のことでよく相談してたってゆう先輩がおるサロンは」
そこはなんの変哲もない、木造二階建ての一階の酒場だった。
ただ、中に入ると、妙に奥行きがあり外観よりもずっと広い。
入店した彼らのもとへ、やけに身なりの整った酒場の店員らしからぬ、やや小太りの体格の良い若い男性が近寄って来た。
「いらっしゃいませ」
翌日。
コーロ達はキース捜索およびブラックファイナンスを探るため、アミーナを伴いタペストリの街へ来ていた。
やはり昨日のフロワース警部を含めた警備局に信を置けなかったコーロの判断である。
「なあアミーナ?昨日の今日で大丈夫か?」
「うん。だって、キースも心配やし......」
「悪いな。俺が無理言ったばっかりに」
「そ、そんなん!そもそも、巻き込んでしまっとるのはウチやし...」
「いいのよアミーナ、気にしないで。これは私達のわがままでもあるのだから」
「そ、そんなこと......!」
そう言うとアミーナは突然ピタッと立ち止まった。
「どうしたんだ?」
コーロが訊ねる。
「ほ、ホンマに......コーロにーちゃんも、ユイおねーちゃんも、ありがとう......」
アミーナは感極まったように感謝を示した。
コーロとユイは互いに顔を見合わし、すぐにアミーナの方に向き直って微笑んだ。
「アミーナ。これは俺達がやりたくてやっている事なんだ。だから恩に感じる必要もないんだ」
「そうよ。私達は私達のすべき事をしているの」
「......う、うん。じゃ、じゃあ...」
アミーナは急に二人を見ながらモジモジしだす。
「?」
「コーロおにーちゃんとユイおねーちゃんは、もうウチにとって、大切な友達やから......」
コーロとユイはアミーナの言葉を聞き、穏やかな笑みを浮かべた。
「そうね。それは、私達にとってもよね?」
ユイは手を後ろに組み、くるっとコーロに体を向けて可憐に問いかけた。
「そうだな。だからアミ。もう何も気にしないでいいから、ガツンとキース君捜索をやろう!もちろん、最終的にはきっちり金も取り返すぞ!」
アミーナは大きな瞳を泉のように潤ませながら元気よく笑顔で返事をした。
「......うん!!」
ここで、日中の街路にもかかわらずコーロの懐からミッチーがバッと飛び出す。
「お、おい!?ミッチー!?」
コーロは慌てて声を上げる。
「ちょっとアミーナさん!?ワタシは??ワタシは??ハブですか??ハブなんですか??」
ミッチーは必死に問いただす。
「あ、本のおね......ミッチーも、もちろん友達やで!!」
アミーナは焦って取ってつけたように答えた。
「ワタシだけブロックとか絶対にナシですよ??ワタシこう見えて寂しがり屋なんですよ??承認欲求強いんですよ??いいね欲しさに一日最大五百ツイートしたことあるんですよ??」
「それ何の話だよ!?てかスゴイな!」
コーロは思わずツッコんだ。
「じゃあアミ様。ワタシ達はずっともですね!!」
「ず、ずっとも...?」
「もう人目につくからおまえは!」
コーロはミッチーをバッと引っ掴んでジャケットの懐に無理矢理押し込んだ。
「(モゴモゴ!!!)」
......彼らの戦いは、これから本格的になっていくこととなる。
しかし、彼らは少しずつ、目に見えない力強いものを、あたたかく築き上げていた。
さて、コーロ達が再びタペストリに降り立ったのには理由があった。
アミーナには(フロワース警部には黙っていた)キースの行方についての当てがひとつだけあったからだ。
「たぶんここや。キースが起業のことでよく相談してたってゆう先輩がおるサロンは」
そこはなんの変哲もない、木造二階建ての一階の酒場だった。
ただ、中に入ると、妙に奥行きがあり外観よりもずっと広い。
入店した彼らのもとへ、やけに身なりの整った酒場の店員らしからぬ、やや小太りの体格の良い若い男性が近寄って来た。
「いらっしゃいませ」
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