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異世界の章:第一部 西のキャロル編
ep59 暗黒魔導師&勇者vs野犬集団
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ユイは静かに剣を抜いた。
コーロは魔力を練り始めた。
魔力を練ると、コーロは、頭と心が冷たく研ぎ澄まされていくのを感じた。
彼は歴戦の大魔導師の如く冷静になる。
獣どもはグルルルと唸りながらコーロ達の様子を伺っている。
が、一頭の気の早い獣が一足先に、獰猛な殺気を剥き出して彼らに襲い掛からんと飛び出した!
ユイが一歩前に出る!
獣はユイに向かい飛びかかる!
「問答無用のようね」
ズバッ!!
ユイはあっさりと剣の一振りで薙ぎ払った。
獣はドサッと地に沈んだ。
ユイは振るった剣をビュッと下に払うと、視線の先にいる四頭の獣をキッと睨んだ。
残りの獣どもは、自分達の目の前にいる者達が只者でない事を本能的に悟ったのか、距離を保ったまま動かない。
だが、獣どもには援軍がいた。
「どうやらまだいるみたいね」
「コーロ様!」
「さしずめ増援部隊ってところだな」
右から左から奥の方から、黒々とした野犬もどきの魔物の如き獣どもがゾロゾロと群がって来る。
獣の数はざっと三十頭となった。
コーロは獣集団の全体を確認するようにざっと見渡すと、一歩前に立つユイに話しかける。
「まず俺が魔法で奴らを押さえてみる。ユイはそれに合わせてくれ」
「え?ええ」
ユイは妙に落ち着いているコーロに若干戸惑いを見せた。
ユイは一歩下がり、コーロの横に立った。
コーロは獣どもに向かい両手をかざした。
次の瞬間、彼の両の手から一張ずつ、黒い光の波で形作られた弓矢が、闇の魔力を迸らせながら出現する。
『ダークアロー(暗黒の弓矢)』
闇の弓矢は、彼の意志だけで引かれ、放たれる!
獣どもに向かい空気を切り裂くように飛翔する二本の闇矢!宙でカーブを描きぐるんと左右に分かれると、それぞれのターゲットに吸い込まれるように命中した!
「ギャウゥ!!」
闇の矢はそれだけではおさまらない。
命中した一頭を貫き、そのまま他の獣の体も貫いた!
それでも闇の矢は飽きたらない。
次々と次々と獣どもを貫いていった!
「ギャウゥ!」「ギャウゥ!」「ギャウゥ!」「ギャウゥ!」「ギャウゥ!」「ギャウゥ!」「ギャウゥ!」「ギャウゥ!」
結局、たった二本の闇矢で、獣集団はほぼ壊滅状態に陥った。
それでも、生き残った三頭の獣がやぶれかぶれにコーロへ向かい飛びかかる!
ズバッ!!
勝敗は決した。
ユイがコーロの前にサッと躍り出て、三頭まとめて一閃のもとに斬り伏せた。
コーロはふ~っと大きく息を吐いた。
「片付いたな」
「さすがワタシのコーロ様です!」
自らのことのように喜んで感嘆するミッチー。
ユイは振り返ると、感心と驚きの眼差しでまざまざと彼を見た。
ーーー凄い。あの数を一瞬であっさりと。しかも的確に。疑っていたわけではないけれど、やっぱり本物の暗黒魔導師なのねーーー
「でも、こいつらは一体なんだったんだろう。何か妙な......(これは、他人の悪意?でもなんだろう。ハッキリはしないな......)」
コーロはいぶかしげに地に伏せた獣どもを見やりながら疑問を口にした。
「こんなのが街中に出るなんて普通じゃないわ。それにこの邪悪な気配......」
翌日。
コーロ達は再びタペストリに繰り出して黒猫調査に勤しんだ。
昨夜の野犬?退治で得た報酬もあり、コーロは上機嫌だった。
しかし、ユイは昨夜の事で一抹の言い知れぬ不安を覚えていた。
ーーー昨日の獣たち。あれはなんなの?何もなければいいけれど、何か嫌な予感がするーーー
コーロは魔力を練り始めた。
魔力を練ると、コーロは、頭と心が冷たく研ぎ澄まされていくのを感じた。
彼は歴戦の大魔導師の如く冷静になる。
獣どもはグルルルと唸りながらコーロ達の様子を伺っている。
が、一頭の気の早い獣が一足先に、獰猛な殺気を剥き出して彼らに襲い掛からんと飛び出した!
ユイが一歩前に出る!
獣はユイに向かい飛びかかる!
「問答無用のようね」
ズバッ!!
ユイはあっさりと剣の一振りで薙ぎ払った。
獣はドサッと地に沈んだ。
ユイは振るった剣をビュッと下に払うと、視線の先にいる四頭の獣をキッと睨んだ。
残りの獣どもは、自分達の目の前にいる者達が只者でない事を本能的に悟ったのか、距離を保ったまま動かない。
だが、獣どもには援軍がいた。
「どうやらまだいるみたいね」
「コーロ様!」
「さしずめ増援部隊ってところだな」
右から左から奥の方から、黒々とした野犬もどきの魔物の如き獣どもがゾロゾロと群がって来る。
獣の数はざっと三十頭となった。
コーロは獣集団の全体を確認するようにざっと見渡すと、一歩前に立つユイに話しかける。
「まず俺が魔法で奴らを押さえてみる。ユイはそれに合わせてくれ」
「え?ええ」
ユイは妙に落ち着いているコーロに若干戸惑いを見せた。
ユイは一歩下がり、コーロの横に立った。
コーロは獣どもに向かい両手をかざした。
次の瞬間、彼の両の手から一張ずつ、黒い光の波で形作られた弓矢が、闇の魔力を迸らせながら出現する。
『ダークアロー(暗黒の弓矢)』
闇の弓矢は、彼の意志だけで引かれ、放たれる!
獣どもに向かい空気を切り裂くように飛翔する二本の闇矢!宙でカーブを描きぐるんと左右に分かれると、それぞれのターゲットに吸い込まれるように命中した!
「ギャウゥ!!」
闇の矢はそれだけではおさまらない。
命中した一頭を貫き、そのまま他の獣の体も貫いた!
それでも闇の矢は飽きたらない。
次々と次々と獣どもを貫いていった!
「ギャウゥ!」「ギャウゥ!」「ギャウゥ!」「ギャウゥ!」「ギャウゥ!」「ギャウゥ!」「ギャウゥ!」「ギャウゥ!」
結局、たった二本の闇矢で、獣集団はほぼ壊滅状態に陥った。
それでも、生き残った三頭の獣がやぶれかぶれにコーロへ向かい飛びかかる!
ズバッ!!
勝敗は決した。
ユイがコーロの前にサッと躍り出て、三頭まとめて一閃のもとに斬り伏せた。
コーロはふ~っと大きく息を吐いた。
「片付いたな」
「さすがワタシのコーロ様です!」
自らのことのように喜んで感嘆するミッチー。
ユイは振り返ると、感心と驚きの眼差しでまざまざと彼を見た。
ーーー凄い。あの数を一瞬であっさりと。しかも的確に。疑っていたわけではないけれど、やっぱり本物の暗黒魔導師なのねーーー
「でも、こいつらは一体なんだったんだろう。何か妙な......(これは、他人の悪意?でもなんだろう。ハッキリはしないな......)」
コーロはいぶかしげに地に伏せた獣どもを見やりながら疑問を口にした。
「こんなのが街中に出るなんて普通じゃないわ。それにこの邪悪な気配......」
翌日。
コーロ達は再びタペストリに繰り出して黒猫調査に勤しんだ。
昨夜の野犬?退治で得た報酬もあり、コーロは上機嫌だった。
しかし、ユイは昨夜の事で一抹の言い知れぬ不安を覚えていた。
ーーー昨日の獣たち。あれはなんなの?何もなければいいけれど、何か嫌な予感がするーーー
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