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異世界の章:第一部 魔物の森編
ep27 はじめての異世界人
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エルフォレスはやられたかのように見えた!
彼女自身もそう思った!
しかし、今度はすんでの所でコーロが暗黒魔法を発動して、その正体不明の者から彼女への攻撃を防いだ!
「『ダークシールド(暗黒の拒絶)』...何とか間に合った...」
......コーロの魔法はなぜ間に合ったのか?
それは、彼の暗黒魔導師としての能力による。
彼はその闇の魔力により、周囲の殺意や敵意や害意や悪意を、一早く察知することができたからだ。
(ちなみに先程の勇者からの攻撃は、魔法発動中の上にそれが勇者による特別な力のため察知しきれなかった)
それでも、この刹那に魔法を発動し見えない敵からの攻撃を防ぎ、妖精主を守った事は驚異と言えよう。
つまり、彼が暗黒魔導師として底知れぬ素質を秘めているその片鱗を垣間見せた訳である。
だが、彼の闇の深淵たる真の力を見るには、我々はもう少し待たねばならない......。
「エルフォレス様!大丈夫ですか!?」
「スヤザキ様!助かりました!」
「さすがコーロ様です!」
ミッチーは興奮気味に称賛する。
しかし状況は改善していない。
目の前には勇者。
そして、得体の知れない、騎士の姿をしているが、不気味な妖気を滲ませる、まるで人ならざる者のようなそれ。
ぬらりとしながら一旦その動きを止めているが...。
「なんなの?あれは?騎士の姿をしているけれど、あんな者は討伐軍にはいなかったわ。それに何だかとても、邪悪な気配を感じる...」
ユイリスは底知れぬ寒気を覚える。
おもむろにコーロが勇者に訊ねた。
「お、おい!...えっと、勇者...ユイリス!?あいつはあんたらの仲間か!?」
「ち、違うわ!というか貴方も何者なの?妖精主様の仲間なの?その魔力は何なの?魔族なの?」
「えっと、俺は、その、須夜崎行路。人間だ!」
コーロは初めての異世界人との対話にぎこちなさがまざまざと表出した。
そんな彼を見てミッチーが口を挟む。
「ちょっとコーロ様!もっとシャキっとしてください!」
「えええ??本がしゃべった!?」
ユイリスがびっくりして声を上げる。
「あれ、さっきも喋ってましたよ?気づきませんでしたか?あ、ご挨拶遅れて申し訳ありません、勇者様。ワタシ、ミッチーと申します」
「あ、ああ貴女?もなんなの?魔法なの?」
「ミッチーです」
「ちょっとこの本は何なの?」
「だからミッチーです」
ブレないミッチー。
「いやミッチー、おまえが喋るとややこしくなるから黙っててくれ...」
「ええ~?ワタシも喋りたいですぅ!もっと出番欲しいですぅ!シリアス展開続いて出番減るの勘弁して欲しいですぅ!」
「マジでそのノリ今は勘弁してくれ...」
「えええ~??」
「ああもうおまえは...!!」
コーロは、バッとミッチーを引っ掴んで無理矢理ジャケットの懐にしまい込んだ。
「(モゴモゴ!!)」
「...とそんな事より、勇者ユイリス!」
「な、なに?」
「エルフォレス様の言った事は本当なんだ。そして黒幕は別にいるらしいんだ。俺達はそいつをあぶり出そうとしているんだ」
「黒幕?妖精主様の言った、本当の敵ということ?」
「そうだ。だからあんたとは争う理由はないはずなんだよ」
「そうです。勇者ユイリス様。スヤザキ様の言うとおり、わたくし達で争っている場合ではないのです。それは、あの目の前にいる不気味な者を見ればもうおわかりでしょう」
「で、ですが...私はどうすれば......」
「ちょっとちょっとユイ!なんで敵とそんなに悠長に話しているんだい?」
「...エヴァンス!?」
彼女自身もそう思った!
しかし、今度はすんでの所でコーロが暗黒魔法を発動して、その正体不明の者から彼女への攻撃を防いだ!
「『ダークシールド(暗黒の拒絶)』...何とか間に合った...」
......コーロの魔法はなぜ間に合ったのか?
それは、彼の暗黒魔導師としての能力による。
彼はその闇の魔力により、周囲の殺意や敵意や害意や悪意を、一早く察知することができたからだ。
(ちなみに先程の勇者からの攻撃は、魔法発動中の上にそれが勇者による特別な力のため察知しきれなかった)
それでも、この刹那に魔法を発動し見えない敵からの攻撃を防ぎ、妖精主を守った事は驚異と言えよう。
つまり、彼が暗黒魔導師として底知れぬ素質を秘めているその片鱗を垣間見せた訳である。
だが、彼の闇の深淵たる真の力を見るには、我々はもう少し待たねばならない......。
「エルフォレス様!大丈夫ですか!?」
「スヤザキ様!助かりました!」
「さすがコーロ様です!」
ミッチーは興奮気味に称賛する。
しかし状況は改善していない。
目の前には勇者。
そして、得体の知れない、騎士の姿をしているが、不気味な妖気を滲ませる、まるで人ならざる者のようなそれ。
ぬらりとしながら一旦その動きを止めているが...。
「なんなの?あれは?騎士の姿をしているけれど、あんな者は討伐軍にはいなかったわ。それに何だかとても、邪悪な気配を感じる...」
ユイリスは底知れぬ寒気を覚える。
おもむろにコーロが勇者に訊ねた。
「お、おい!...えっと、勇者...ユイリス!?あいつはあんたらの仲間か!?」
「ち、違うわ!というか貴方も何者なの?妖精主様の仲間なの?その魔力は何なの?魔族なの?」
「えっと、俺は、その、須夜崎行路。人間だ!」
コーロは初めての異世界人との対話にぎこちなさがまざまざと表出した。
そんな彼を見てミッチーが口を挟む。
「ちょっとコーロ様!もっとシャキっとしてください!」
「えええ??本がしゃべった!?」
ユイリスがびっくりして声を上げる。
「あれ、さっきも喋ってましたよ?気づきませんでしたか?あ、ご挨拶遅れて申し訳ありません、勇者様。ワタシ、ミッチーと申します」
「あ、ああ貴女?もなんなの?魔法なの?」
「ミッチーです」
「ちょっとこの本は何なの?」
「だからミッチーです」
ブレないミッチー。
「いやミッチー、おまえが喋るとややこしくなるから黙っててくれ...」
「ええ~?ワタシも喋りたいですぅ!もっと出番欲しいですぅ!シリアス展開続いて出番減るの勘弁して欲しいですぅ!」
「マジでそのノリ今は勘弁してくれ...」
「えええ~??」
「ああもうおまえは...!!」
コーロは、バッとミッチーを引っ掴んで無理矢理ジャケットの懐にしまい込んだ。
「(モゴモゴ!!)」
「...とそんな事より、勇者ユイリス!」
「な、なに?」
「エルフォレス様の言った事は本当なんだ。そして黒幕は別にいるらしいんだ。俺達はそいつをあぶり出そうとしているんだ」
「黒幕?妖精主様の言った、本当の敵ということ?」
「そうだ。だからあんたとは争う理由はないはずなんだよ」
「そうです。勇者ユイリス様。スヤザキ様の言うとおり、わたくし達で争っている場合ではないのです。それは、あの目の前にいる不気味な者を見ればもうおわかりでしょう」
「で、ですが...私はどうすれば......」
「ちょっとちょっとユイ!なんで敵とそんなに悠長に話しているんだい?」
「...エヴァンス!?」
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