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異世界の章:第一部 魔物の森編
ep22 開戦
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レオルドは身構える。
エルフォレスは森の中へスーッと姿を消す。
「妖精主が消えたぞ?」
「賢者様に見透かされて幻術を解いたんだな!」
「お前達!森の守護獣はここでやる気のようだ!」
副騎士長マイルスが臨戦の声を上げると、兵士達は戦闘態勢に入る。
ユイリスも構えた。
エヴァンスは何かを考えながら森と守護獣を見ていた。
次の瞬間、レオルドが咆哮する!
「グルアァァァァァァ!!!」
一帯が震える!
草木は怯えたように激しくざわめく!
レオルドは、いつ襲いかからんとする殺気を滲ませる。
討伐軍は臨戦態勢。
一触即発の空気が張り詰める...!
エヴァンスとマイルスが横目でチラッと視線を交わすと、マイルスは戦闘の号令をかけようとする...が、その時!
なんと、レオルドは敵に背を向け森の中へ走り出した!
「なんだ!?」
「逃げるのか?」
ユイリスは落ち着いて警告する。
「これは、誘っているのね。地の利は彼らにある。下手に突っ込まない方が...」
ところが、間髪入れずにマイルスが号令をかける。
「お前達!奴を追え!」
「マイルス殿?これは明らかに敵の罠なのでは...!?」
「ユイ。確かにこれは誘いだろうね。でも、このままここにいても埒があかないのも事実。
ここはマイルス様の指揮に従おう。
それに、そもそもこの任務は副騎士長様の指揮下。それは僕とユイも例外ではないのだから」
「でもここで全員で進軍するのは...」
「確かにね。でも大丈夫。何せあの魔王を倒した勇者であるユイと賢者の僕もいるのだからね。それにいざとなったらユイ、君の事も僕が守るよ」
「ちょっとエヴァンス!こんな時に何ふざけているの?もうっ!」
「やあゴメンゴメン!じゃあ僕達も遅れないように行こうか」
騎兵部隊と歩兵部隊を合わせた全討伐軍は、マイルスの号令の下、森の中へと突入した。
ユイリスとエヴァンスもそれに続いて進んで行った。
蹄音と足音が森内に物々しく鳴り響く。
レオルドを追い、徐々に深く生い茂ってゆく森を進軍する討伐軍。
しかし、ふいに先頭集団からそのスピードが衰え始める。
「なんだ!?」
「あれ?おかしいな?」
次第に騎兵部隊の馬が走る事をやめてしまい、その足を止めてしまう。
「どういう事なんだ?」
「怯えて、いるのか?」
「エヴァンス、これは?」
「どうやら馬達は何かに酷く怯えているようだね。いくら鞭打ってもダメみたいだ。これでは馬から降りるしかないようだね」
騎兵部隊は仕方なく下馬し、全軍歩兵による進軍に切り替えた。
「本当にこのまま進んでいいのかしら...」
「ユイ。ここまで来て怖気付くなんて君らしくない」
「そういうのじゃ...!」
「大丈夫。敵が何をして来ようとも、僕とユイがいれば問題ないさ」
エルフォレスは森の中へスーッと姿を消す。
「妖精主が消えたぞ?」
「賢者様に見透かされて幻術を解いたんだな!」
「お前達!森の守護獣はここでやる気のようだ!」
副騎士長マイルスが臨戦の声を上げると、兵士達は戦闘態勢に入る。
ユイリスも構えた。
エヴァンスは何かを考えながら森と守護獣を見ていた。
次の瞬間、レオルドが咆哮する!
「グルアァァァァァァ!!!」
一帯が震える!
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なんと、レオルドは敵に背を向け森の中へ走り出した!
「なんだ!?」
「逃げるのか?」
ユイリスは落ち着いて警告する。
「これは、誘っているのね。地の利は彼らにある。下手に突っ込まない方が...」
ところが、間髪入れずにマイルスが号令をかける。
「お前達!奴を追え!」
「マイルス殿?これは明らかに敵の罠なのでは...!?」
「ユイ。確かにこれは誘いだろうね。でも、このままここにいても埒があかないのも事実。
ここはマイルス様の指揮に従おう。
それに、そもそもこの任務は副騎士長様の指揮下。それは僕とユイも例外ではないのだから」
「でもここで全員で進軍するのは...」
「確かにね。でも大丈夫。何せあの魔王を倒した勇者であるユイと賢者の僕もいるのだからね。それにいざとなったらユイ、君の事も僕が守るよ」
「ちょっとエヴァンス!こんな時に何ふざけているの?もうっ!」
「やあゴメンゴメン!じゃあ僕達も遅れないように行こうか」
騎兵部隊と歩兵部隊を合わせた全討伐軍は、マイルスの号令の下、森の中へと突入した。
ユイリスとエヴァンスもそれに続いて進んで行った。
蹄音と足音が森内に物々しく鳴り響く。
レオルドを追い、徐々に深く生い茂ってゆく森を進軍する討伐軍。
しかし、ふいに先頭集団からそのスピードが衰え始める。
「なんだ!?」
「あれ?おかしいな?」
次第に騎兵部隊の馬が走る事をやめてしまい、その足を止めてしまう。
「どういう事なんだ?」
「怯えて、いるのか?」
「エヴァンス、これは?」
「どうやら馬達は何かに酷く怯えているようだね。いくら鞭打ってもダメみたいだ。これでは馬から降りるしかないようだね」
騎兵部隊は仕方なく下馬し、全軍歩兵による進軍に切り替えた。
「本当にこのまま進んでいいのかしら...」
「ユイ。ここまで来て怖気付くなんて君らしくない」
「そういうのじゃ...!」
「大丈夫。敵が何をして来ようとも、僕とユイがいれば問題ないさ」
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