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異世界の章:第一部 魔物の森編
ep7 妖精の泉
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夜闇に黒々と生い茂る木々の中を、コーロは落ち着きなく周りにキョロキョロと視線を散らしながら歩を進めていた。
「なあミッチー。他の魔物の姿を見かけないよな」
「そうですね」
レオルドは前に進みながら頭だけ僅かにこちらに振り向き、その疑問に答える。
「その理由もすぐにわかるぜ、兄ちゃん」
しばらく進むと、コーロがこの世界に転移してすぐに見た湖のほとりの開けた場所に辿り着いた。
「ここは...」
レオルドは湖の前で立ち止まり、今度はしっかりとこちらに振り向き、二人に向かって示す。
「ここが妖精の泉だ」
「妖精の泉?」
コーロは驚いたように答えると、数時間前この世界にやって来たばかりの時に見たその広く美しい湖を、改めて、不思議そうに眺めた。
ミッチーは何かに気づいたような素振りを見せる。
「これはひょっとすると......」
それに反応するように、レオルドはニヤリと笑った。
「この湖はただの湖じゃあない。妖精主の魔力で作られた結界のゲートになっているんだ。
オレは今、そのゲートの『鍵』を持っている。
この『鍵』を持っている者、またその者に『招待』された者以外はここを通ることはできない。
兄ちゃんと本のネーちゃんは『招待者』としてここを通す。まあ、そのままオレについてきてくれや」
レオルドは湖の中へと進んでいく。
すると、彼の身体はモヤ~っと蜃気楼のようにボヤけ、消えていく虹のようにスーッとその姿を湖の中へと消した。
コーロは湖を見ながら顔を強張らせて、横にフワフワ漂うミッチーに確認するように話しかけた。
「行けって、ことだよな......」
「あら、また怖気付いているのですか?」
「だって...なんかコワイじゃん...」
「ああもうコーロ様!ならこう考えてみてください!ほらよくママリオとかアクションゲームでよくあるでしょう?水に落ちて死んだと思ったらそこにフィールドが続いてるってやつ。アレみたいなものですよ!」
「それ落ちる場所間違えたらフツーに死ぬよね?」
「1機死んだところで問題ないじゃないですかぁ」
「人生1機しかないから!」
「ああもう!さあ行きますよ!女は愛嬌、男は度胸!忍天堂はスイッチオンです!」
ミッチーは叱咤するように叫びながら、コーロの背中に全身をググ~っと押し付けた。
「わかったわかった!押さないでいいから!自分で行くから!」
コーロは覚悟を決め、意を決して、湖の中へと足を進めた。
そして、二人はモヤっとした霧のような薄い光に包まれ、彼らの体が陽炎のようにボヤけたかと思うと、そのままスーッと姿を消した。
......
「......ここは!?」
時間は一瞬だった。
気がつくと二人は湖のほとりに出ていた。
「湖に入ったのに、湖から出てきた!?」
コーロは辺りを見回す。
その風景は、元の森の姿と何も変わらないもの。
「どういうことなんだ??」
コーロが疑問を口にすると、少し離れた所からレオルドの声が響く。
「おい!兄ちゃん達!何やってんだぁ?このままじゃ置いていっちまうぞ?」
コーロはふっと声の方に視線を向ける。
レオルドはすでに森の中へ向かい歩き進んでいた。
「ほら、コーロ様がいちいち怖気付いているからですよ?さあ早く行きましょう!」
ミッチーはコーロの腕を押すように体を押し付け、前に進むよう促した。
「あ、ああ...わかってるよ。行こう」
コーロはレオルドに追いつくように、小走りに、自らも森の中へと進んでいった。
「なあミッチー。他の魔物の姿を見かけないよな」
「そうですね」
レオルドは前に進みながら頭だけ僅かにこちらに振り向き、その疑問に答える。
「その理由もすぐにわかるぜ、兄ちゃん」
しばらく進むと、コーロがこの世界に転移してすぐに見た湖のほとりの開けた場所に辿り着いた。
「ここは...」
レオルドは湖の前で立ち止まり、今度はしっかりとこちらに振り向き、二人に向かって示す。
「ここが妖精の泉だ」
「妖精の泉?」
コーロは驚いたように答えると、数時間前この世界にやって来たばかりの時に見たその広く美しい湖を、改めて、不思議そうに眺めた。
ミッチーは何かに気づいたような素振りを見せる。
「これはひょっとすると......」
それに反応するように、レオルドはニヤリと笑った。
「この湖はただの湖じゃあない。妖精主の魔力で作られた結界のゲートになっているんだ。
オレは今、そのゲートの『鍵』を持っている。
この『鍵』を持っている者、またその者に『招待』された者以外はここを通ることはできない。
兄ちゃんと本のネーちゃんは『招待者』としてここを通す。まあ、そのままオレについてきてくれや」
レオルドは湖の中へと進んでいく。
すると、彼の身体はモヤ~っと蜃気楼のようにボヤけ、消えていく虹のようにスーッとその姿を湖の中へと消した。
コーロは湖を見ながら顔を強張らせて、横にフワフワ漂うミッチーに確認するように話しかけた。
「行けって、ことだよな......」
「あら、また怖気付いているのですか?」
「だって...なんかコワイじゃん...」
「ああもうコーロ様!ならこう考えてみてください!ほらよくママリオとかアクションゲームでよくあるでしょう?水に落ちて死んだと思ったらそこにフィールドが続いてるってやつ。アレみたいなものですよ!」
「それ落ちる場所間違えたらフツーに死ぬよね?」
「1機死んだところで問題ないじゃないですかぁ」
「人生1機しかないから!」
「ああもう!さあ行きますよ!女は愛嬌、男は度胸!忍天堂はスイッチオンです!」
ミッチーは叱咤するように叫びながら、コーロの背中に全身をググ~っと押し付けた。
「わかったわかった!押さないでいいから!自分で行くから!」
コーロは覚悟を決め、意を決して、湖の中へと足を進めた。
そして、二人はモヤっとした霧のような薄い光に包まれ、彼らの体が陽炎のようにボヤけたかと思うと、そのままスーッと姿を消した。
......
「......ここは!?」
時間は一瞬だった。
気がつくと二人は湖のほとりに出ていた。
「湖に入ったのに、湖から出てきた!?」
コーロは辺りを見回す。
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「ほら、コーロ様がいちいち怖気付いているからですよ?さあ早く行きましょう!」
ミッチーはコーロの腕を押すように体を押し付け、前に進むよう促した。
「あ、ああ...わかってるよ。行こう」
コーロはレオルドに追いつくように、小走りに、自らも森の中へと進んでいった。
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