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ep7 雲ケ畑糸緒莉⑤
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「いやぁ!!」
女性は娘に覆いかぶさるようにうずくまる。
母娘にむかい暴走回転した軽トラックが無遠慮に落下しようとしている。
この時、周囲の人々の耳に、
シュィィィィン
なにかがとてつもない疾さで翔けぬける音が響く。
「えっ??」
次の瞬間、軽トラックの落下点には消えたように誰もいなくなっていた。
あの母娘はどこへ?
「......あっ!」
彼女らは、天狗に抱きかかえられて十メートルほど移動していた。
天狗は二人をそっと地面におろすと、すぐにパッと振りかえった。
「車は!?て、音がしない?」
軽トラックは、逆さまになって歩道に着地していた。
だが、おかしい。
まるで誰かにそ~っと置かれでもしたように、静かにその状態となったようである。
「どういうことなんだ......ん?あれは...!」
天狗になったナゴムは軽トラックを凝視すると、なにか細い強力な糸のようなモノが、車とそのまわりに貼りつき、張りめぐらされているのを確認した。
「あ、あれって......」
その糸のようなモノはなんなのか?
ナゴムは糸の出どころをたどっていくと......
「えっ??糸緒莉さん??」
なんと、それは雲ヶ畑糸緒莉の両の手から放たれていた。
「なんとか惨事を防げて良かった......て、山田くん!」
その糸の正体は......
女郎蜘蛛の糸だった!
実は、雲ヶ畑糸緒莉も、妖だったのである。
彼女は、女郎蜘蛛の妖だった!
ナゴムと糸緒莉は、互いに唖然としていた。
が、すぐにふたりはワナワナとして口をひらく。
「...糸緒莉さんって、あやかしなの!?」
「...山田くんって、あやかしなの!?」
その時、ウゥーというサイレンの音とともに、パトカーが迫ってきていた。
女性は娘に覆いかぶさるようにうずくまる。
母娘にむかい暴走回転した軽トラックが無遠慮に落下しようとしている。
この時、周囲の人々の耳に、
シュィィィィン
なにかがとてつもない疾さで翔けぬける音が響く。
「えっ??」
次の瞬間、軽トラックの落下点には消えたように誰もいなくなっていた。
あの母娘はどこへ?
「......あっ!」
彼女らは、天狗に抱きかかえられて十メートルほど移動していた。
天狗は二人をそっと地面におろすと、すぐにパッと振りかえった。
「車は!?て、音がしない?」
軽トラックは、逆さまになって歩道に着地していた。
だが、おかしい。
まるで誰かにそ~っと置かれでもしたように、静かにその状態となったようである。
「どういうことなんだ......ん?あれは...!」
天狗になったナゴムは軽トラックを凝視すると、なにか細い強力な糸のようなモノが、車とそのまわりに貼りつき、張りめぐらされているのを確認した。
「あ、あれって......」
その糸のようなモノはなんなのか?
ナゴムは糸の出どころをたどっていくと......
「えっ??糸緒莉さん??」
なんと、それは雲ヶ畑糸緒莉の両の手から放たれていた。
「なんとか惨事を防げて良かった......て、山田くん!」
その糸の正体は......
女郎蜘蛛の糸だった!
実は、雲ヶ畑糸緒莉も、妖だったのである。
彼女は、女郎蜘蛛の妖だった!
ナゴムと糸緒莉は、互いに唖然としていた。
が、すぐにふたりはワナワナとして口をひらく。
「...糸緒莉さんって、あやかしなの!?」
「...山田くんって、あやかしなの!?」
その時、ウゥーというサイレンの音とともに、パトカーが迫ってきていた。
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