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魔剣使いの闘い~狂戦士編

ep160 収監②

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 *

 捕まって三日目......。

 結局、あれから何度呼びかけても謎の声の反応は一切ない。
 それになぜだろうか。
 疲労感がハンパない。
 身体は重いし頭も重い......。

「......今ごろみんなはどうしているだろうか」

 心配かけてしまったかな。
 いや、俺なんかを心配するだろうか。

「でも...シヒロは純粋で優しい女の子だ」

 シヒロだったら俺なんかのことも心配してくれているんだろうな。
 彼女のおかげで、俺も少し変わった気がする。
 シヒロには、自分自身の夢を諦めないで叶えてほしい。
 俺との出会いがその夢に多少なりとも役立つことがあれば、嬉しい。

「トレブルとブーストはどうだろうか」

 アイツらはお調子モンだしな。
 なんだかんだうまいことやっていくだろう。
 決して悪い奴らでもないしな。

「エレサは...いったい俺のどこが好きなんだろうか」

 助けたって言ったって、それが俺だったというだけ。
 もちろん、俺の力でエレサを救えたことは本当に良かった。
 ただ俺は彼女の想いに応えることはできない。
 だけど、エレサには幸せになってほしい。
 
「カレンは...なぜ俺を助けようと動いているんだろう」

 ついこの前までは俺を捕らえようとしていたはずだ。
 どうせ捕まえられるのなら、勇者よりも、妹のカレンのほうが良かったな...て何を言ってるんだ俺は。
 カレンはこれからも人々のために戦い、勇者とともに多くの人を守っていくのだろう。

「ジェイズは、マジで強かったな」

 あれはバケモンだ。
 今さらよくあんなのと戦ったなと思う。
 でも、もし俺にもっと時間があったなら、いい関係になれたかもしない。
 男の俺から見ても、魅力的な男だ。

「なんだかんだ、みんな良い連中だったよな......」

 ......どうしたんだ?俺。
 なんで急に、しみじみとこんなことを思っているんだ?
 なんか変だな。
 
「疲れているのかな......」

 ここ最近の戦闘での負担が祟ったんだな。
 でも、後悔はない。
 街の人達を、あいつらを守れたから。
 ......事後についても、できるかぎりのことはやっておけたし。
 
「わずかな期間だったけど、俺にしては頑張ったかな......」

 ああ、眠くなってきた。
 横になろう。
 ぐっすりと、眠れそうな気がする......。
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