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魔剣使いの闘い~狂戦士編
eo155 戦争④
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よし。
まずはジェイズだ。
「ジェイズ!マーリスは街の反対側にいる!俺をそこまで弾いてくれ!」
「!」
ジェイズは一瞬驚いてからニヤリと返事した。
次はカレンだ。
「カレン!風魔法で俺を吹き飛ばせるか?」
「...!わかった!」
次はエレサとアイ。
「エレサ!アイ!この後は頼む!」
「うん!」
「任せろ!」
最後にシヒロ。
「シヒロ、大丈夫か?すぐに終わらせるからな。あとでみんなの治癒を頼めるか?」
「は、はい......」
シヒロは苦しみながらも笑顔で答えた。
「トレブル!ブースト!」
「ああ...嬢ちゃんは任せてくれ...!」
俺はジェイズとカレンに目で合図を送ると、ジェイズに向かってダッ!と跳躍して蹴りを放った。
スプリングのような物質に変化したジェイズの拳が俺の足と絶妙に接触する。
「いけオラァァァ!!」
転瞬、カレンがバッチリのタイミングで魔法を放った。
「〔アルカーナ・ヴェントス〕」
そして跳躍しながらしっかりと溜めを作っていた俺は発動する。
特殊技能と発閃の合わせ技を!
「特殊技能〔ニュンパラスレイション・γ」
ジェイズの錬金魔術に弾かれ、カレンの風魔法に吹き飛ばされ、錐揉み式のジェット機のように爆射しながら剣はありえない弧を描く。
謎の声の力で、まるで俺以外の時の流れが遅くなったような中、街全体を覆った毒の炎煙を俺は唸りを上げて消失させてゆく。
まるで高速のハリケーンが全てを巻き込みながらまっさらにしてゆくように。
あるいはブラックホールが何もかもを呑み込んで滅失させてゆくように。
「おっ?これはこれはさっきぶりだね~」
凄まじい疾さで街の逆端までたどり着いた俺の目の前にはマーリスがしれっと立っていた。
俺はそのままの勢いで間髪入れず、ズバァァァッ!と剣を振り抜いた。
「あっ...」
マーリスの首が飛んだ。
俺はザァァァッと着地した。
背後にゴロンと首が転がる音が聞こえた。
「手応えが......ない!?」
はっと振り向くと、首だけのマーリスがニヤニヤと笑っていた。
「キミ、オモシロイものを飼ってるね~?いや、飼われているのはキミかい?それはキミの魔導書と、キミの力と、関係しているのかい?」
コイツ......首だけで喋っている!?
死んでいないのか?
そうだ。あの時もそうだった。
首を刎ねたのにコイツは死ななかった。
「お前は......不死身なのか!?」
「そんなことよりさぁ?魔導書のヒミツ、知っているかい?」
「?」
「じゃあ、キミの中のソレのヒミツは、知っているのかい?」
コイツ、なにを言ってるんだ?
まさか...謎の声のことを言っているのか?
だとしたらなぜ知っている?
これまでの一連でバレたのか?
「お前はいったい...」
「魔剣使いくん。明日...いや明後日...でも早いかぁ。よし。三日後の西日のさす夕方。この先ヘッドフィールドを出てニキロ地点に一箇所だけずどんと突き出た岩場がある。そこで待っているよ」
「は?」
「そこでぼくの知っていることを教えてあげるよ。魔導書とか、魔剣使いのこととかね」
「!」
「おっ?驚いてる驚いてる。リアクションは正直だね~」
「お前がなにを知っているっていうんだ?」
「だからそれを教えてあげるって言ってるんじゃないか」
「......なにが目的だ?」
「いいかい?ひとりで来るんだよ?本当のことを知りたかったらね。じゃないと教えられないよ。これは重要機密だからね~」
「だからお前の目的は...」
「じゃあまた三日後に...」
シュウゥゥゥゥ......とマーリスの首は跡形もなく風に霧散してしまった。
気がつけばヤツの胴体も忽然と消えていた。
「ヤツは何者なんだ?それに本当のことって......」
まずはジェイズだ。
「ジェイズ!マーリスは街の反対側にいる!俺をそこまで弾いてくれ!」
「!」
ジェイズは一瞬驚いてからニヤリと返事した。
次はカレンだ。
「カレン!風魔法で俺を吹き飛ばせるか?」
「...!わかった!」
次はエレサとアイ。
「エレサ!アイ!この後は頼む!」
「うん!」
「任せろ!」
最後にシヒロ。
「シヒロ、大丈夫か?すぐに終わらせるからな。あとでみんなの治癒を頼めるか?」
「は、はい......」
シヒロは苦しみながらも笑顔で答えた。
「トレブル!ブースト!」
「ああ...嬢ちゃんは任せてくれ...!」
俺はジェイズとカレンに目で合図を送ると、ジェイズに向かってダッ!と跳躍して蹴りを放った。
スプリングのような物質に変化したジェイズの拳が俺の足と絶妙に接触する。
「いけオラァァァ!!」
転瞬、カレンがバッチリのタイミングで魔法を放った。
「〔アルカーナ・ヴェントス〕」
そして跳躍しながらしっかりと溜めを作っていた俺は発動する。
特殊技能と発閃の合わせ技を!
「特殊技能〔ニュンパラスレイション・γ」
ジェイズの錬金魔術に弾かれ、カレンの風魔法に吹き飛ばされ、錐揉み式のジェット機のように爆射しながら剣はありえない弧を描く。
謎の声の力で、まるで俺以外の時の流れが遅くなったような中、街全体を覆った毒の炎煙を俺は唸りを上げて消失させてゆく。
まるで高速のハリケーンが全てを巻き込みながらまっさらにしてゆくように。
あるいはブラックホールが何もかもを呑み込んで滅失させてゆくように。
「おっ?これはこれはさっきぶりだね~」
凄まじい疾さで街の逆端までたどり着いた俺の目の前にはマーリスがしれっと立っていた。
俺はそのままの勢いで間髪入れず、ズバァァァッ!と剣を振り抜いた。
「あっ...」
マーリスの首が飛んだ。
俺はザァァァッと着地した。
背後にゴロンと首が転がる音が聞こえた。
「手応えが......ない!?」
はっと振り向くと、首だけのマーリスがニヤニヤと笑っていた。
「キミ、オモシロイものを飼ってるね~?いや、飼われているのはキミかい?それはキミの魔導書と、キミの力と、関係しているのかい?」
コイツ......首だけで喋っている!?
死んでいないのか?
そうだ。あの時もそうだった。
首を刎ねたのにコイツは死ななかった。
「お前は......不死身なのか!?」
「そんなことよりさぁ?魔導書のヒミツ、知っているかい?」
「?」
「じゃあ、キミの中のソレのヒミツは、知っているのかい?」
コイツ、なにを言ってるんだ?
まさか...謎の声のことを言っているのか?
だとしたらなぜ知っている?
これまでの一連でバレたのか?
「お前はいったい...」
「魔剣使いくん。明日...いや明後日...でも早いかぁ。よし。三日後の西日のさす夕方。この先ヘッドフィールドを出てニキロ地点に一箇所だけずどんと突き出た岩場がある。そこで待っているよ」
「は?」
「そこでぼくの知っていることを教えてあげるよ。魔導書とか、魔剣使いのこととかね」
「!」
「おっ?驚いてる驚いてる。リアクションは正直だね~」
「お前がなにを知っているっていうんだ?」
「だからそれを教えてあげるって言ってるんじゃないか」
「......なにが目的だ?」
「いいかい?ひとりで来るんだよ?本当のことを知りたかったらね。じゃないと教えられないよ。これは重要機密だからね~」
「だからお前の目的は...」
「じゃあまた三日後に...」
シュウゥゥゥゥ......とマーリスの首は跡形もなく風に霧散してしまった。
気がつけばヤツの胴体も忽然と消えていた。
「ヤツは何者なんだ?それに本当のことって......」
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