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魔剣使いの闘い~狂戦士編
eo153 戦争②
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戦闘が始まった。
喚声と衝撃音が鳴り渡る。
土煙が舞い上がり地響きのような音が重々しく響く。
「特殊技能〔ニュンパグレイズ〕」
俺は嵐の如く縦横無尽に次から次へと敵を斬り払う。
物量ではこちら側が圧倒的に不利だが、俺たちはまったく引けをとらない。
まずヘッドフィールドのギャングたちはどいつもタフな連中だった。
圧倒的な数の魔物軍団に対してもまったく臆することがない。
個々の気迫もそうだが、何よりもそれを支えるのは...やはり〔狂戦士〕。
「オラァァッ!!」
ジェイズ自らが暴風のように暴れ回りながらゴーレム軍団は鋼鉄の躰ごと敵へ突っ込んでいく。
一体この男はたった一人でどれだけの戦力を誇るのだろうか?
計り知れないにもほどがある。
そして彼だけじゃない。
「固有技能〔魔動炎閃〕」
カレンは見事なまでの魔法剣で華麗に敵を薙ぎ払っていく。
これが世界最高の魔法剣士の本領か。
心強いなんてもんじゃない。
世界を救った勇者の妹の強さは疑いようのない本物だ。
「特殊技能〔モルス・インベル〕」
エレサの闇の力も凄まじかった。
彼女の放つ闇の刃は敵全体にまで及ぶぐらいに広範囲へ降り注ぐ。
凄い。これがダークエルフの真の実力なのか。
もはやキラースに怯えていた哀しい姿はそこになかった。
「おいおいおい......調子にノッてんじゃねえぞ!!」
その時、上空から鳥獣に乗ったキラースが叫んだ。
相変わらずムカつく声。
「テメーらにはコイツをブチ込んでやる。
特殊技能〔クラスターボム〕」
鳥獣の口がパックリと開き、ズズズズッと危険な魔力弾が生成される。
「あれはマズイぞ!!」
カレンが声を上げた。
咄嗟にバッと俺が動きだす。
「あれの対処は俺が一番適している!」
ところがピタッと足を止めた。
俺の目に入ってきたのは颯爽と現れた女盗賊、アイ。
彼女は屋根上からカササギのように身軽にパァッと跳躍すると、
「特殊技能〔ディプライブ〕」
魔術を発動した。
それは一体どんな魔術なのか?
なんと、鳥獣の口内に生成された魔力弾がパッと消失した。
「はぁ!?なにしやがったテメェ!!」
キラースも何が起こったのか理解できない。
アイが地面にスタッと着地すると、彼女の右手には弾となった魔力の塊が握られていた。
「魔法を奪った」
そう言うとアイは俺に視線を投げてきた。
ピンと来た俺は彼女へ向かって走りこんでいくと、その手に握られた物をスパッと斬り払った。
魔力の塊はあっさりと滅失した。
「これがあたしの偸盗術だ。だが、奪うことはできてもそれを放てるとは限らない。今の魔法は放つのは危険だと判断した」
「魔法を盗るって......驚いたな」
「スゲェだろ?うちのアイちゃんは」
ジェイズがドヤ顔で言った。
納得だ。本当に凄い。
......数では劣る俺たちだけど、ジェイズもカレンもエレサもアイも、まさに一騎当千の実力者。
彼らだけでも万の軍に匹敵するといっていいかもしれない。
俺は彼らを見まわして改めて感嘆した。
「調子ノリすぎだぞクソがぁぁ!!」
逆上したキラースが鳥獣ごと俺とアイのところへ突っ込んできた。
ハッキリ言って無謀な突進だ。
俺は魔法を斬り裂けるしアイは魔法を奪える。
ただ向かってくるだけなら俺の剣で斬り伏せるだけ。
「なーんちゃって」
キラースは馬鹿にするように舌を出して鳥獣をぐーんと上昇させた。
次の瞬間、背後の上空から別の鳥獣数体が一気に迫ってきたと思ったら、
「ガウゥゥゥゥッ!!」
その上から何頭ものサンドウルフが牙を剥いてガーッと飛び降りてきた。
意表を突かれた。
といっても、俺が本当に意表を突かれたのは別のことだ。
「アルカーナ・ヴェントゥス」
突如、サンドウルフどもにブワァァァッ!と狙い澄ましたような突風が襲いかかりヤツらを吹き飛ばした。
そこへアイがわかっていたようにすかさずビュッ!とクナイを投げつけてトドメを刺した。
俺はハッとして振り向く。
「クローさぁぁぁん!!」
シヒロが走ってきた。
そうか。
アイが連れてきてくれたんだな。
「す、少しは役立ちましたか?」
シヒロの言葉でやっと理解した。
「今の風魔法はシヒロがやったのか」
「は、はい!そうです!」
「攻撃魔法は苦手だって言ってたよな」
「そ、そんなことも、言ってられないですよね?」
俺はシヒロの手が若干震えているのを見てとった。
しかし彼女はすぐに歯を食いしばると、キッと表情を変える。
「ぼ、ぼくも魔法で戦います!」
彼女の純粋な瞳からは本気の覚悟が見えた。
俺はこくっと頷き、一言だけ添えた。
「無理はするなよ」
「は、はい!」
今度はそこへトレブルとブーストが駆けこんで来た。
「嬢ちゃん!」
俺はふたりを一瞥して無言で命令した。
シヒロを守ってくれと。
「ダンナ!任せときな!」
彼らは即座に察してくれた。
俺は目で返事をすると、敵に向かってダッ!と飛び出した。
この戦いに勝つために、シヒロたちを守るために......俺は敵をぶっ潰す!
「まだギアを上げんのか!?やっぱりテメーはおもしれえ!」
「このまま押し切るぞ!」
「わたしもまだまだいける!」
「さて、あたしも本格的に混ざるか」
俺の勢いに呼応するように一同は俄然盛り上がった。
この戦争に...勝利するために!
戦闘が始まった。
喚声と衝撃音が鳴り渡る。
土煙が舞い上がり地響きのような音が重々しく響く。
「特殊技能〔ニュンパグレイズ〕」
俺は嵐の如く縦横無尽に次から次へと敵を斬り払う。
物量ではこちら側が圧倒的に不利だが、俺たちはまったく引けをとらない。
まずヘッドフィールドのギャングたちはどいつもタフな連中だった。
圧倒的な数の魔物軍団に対してもまったく臆することがない。
個々の気迫もそうだが、何よりもそれを支えるのは...やはり〔狂戦士〕。
「オラァァッ!!」
ジェイズ自らが暴風のように暴れ回りながらゴーレム軍団は鋼鉄の躰ごと敵へ突っ込んでいく。
一体この男はたった一人でどれだけの戦力を誇るのだろうか?
計り知れないにもほどがある。
そして彼だけじゃない。
「固有技能〔魔動炎閃〕」
カレンは見事なまでの魔法剣で華麗に敵を薙ぎ払っていく。
これが世界最高の魔法剣士の本領か。
心強いなんてもんじゃない。
世界を救った勇者の妹の強さは疑いようのない本物だ。
「特殊技能〔モルス・インベル〕」
エレサの闇の力も凄まじかった。
彼女の放つ闇の刃は敵全体にまで及ぶぐらいに広範囲へ降り注ぐ。
凄い。これがダークエルフの真の実力なのか。
もはやキラースに怯えていた哀しい姿はそこになかった。
「おいおいおい......調子にノッてんじゃねえぞ!!」
その時、上空から鳥獣に乗ったキラースが叫んだ。
相変わらずムカつく声。
「テメーらにはコイツをブチ込んでやる。
特殊技能〔クラスターボム〕」
鳥獣の口がパックリと開き、ズズズズッと危険な魔力弾が生成される。
「あれはマズイぞ!!」
カレンが声を上げた。
咄嗟にバッと俺が動きだす。
「あれの対処は俺が一番適している!」
ところがピタッと足を止めた。
俺の目に入ってきたのは颯爽と現れた女盗賊、アイ。
彼女は屋根上からカササギのように身軽にパァッと跳躍すると、
「特殊技能〔ディプライブ〕」
魔術を発動した。
それは一体どんな魔術なのか?
なんと、鳥獣の口内に生成された魔力弾がパッと消失した。
「はぁ!?なにしやがったテメェ!!」
キラースも何が起こったのか理解できない。
アイが地面にスタッと着地すると、彼女の右手には弾となった魔力の塊が握られていた。
「魔法を奪った」
そう言うとアイは俺に視線を投げてきた。
ピンと来た俺は彼女へ向かって走りこんでいくと、その手に握られた物をスパッと斬り払った。
魔力の塊はあっさりと滅失した。
「これがあたしの偸盗術だ。だが、奪うことはできてもそれを放てるとは限らない。今の魔法は放つのは危険だと判断した」
「魔法を盗るって......驚いたな」
「スゲェだろ?うちのアイちゃんは」
ジェイズがドヤ顔で言った。
納得だ。本当に凄い。
......数では劣る俺たちだけど、ジェイズもカレンもエレサもアイも、まさに一騎当千の実力者。
彼らだけでも万の軍に匹敵するといっていいかもしれない。
俺は彼らを見まわして改めて感嘆した。
「調子ノリすぎだぞクソがぁぁ!!」
逆上したキラースが鳥獣ごと俺とアイのところへ突っ込んできた。
ハッキリ言って無謀な突進だ。
俺は魔法を斬り裂けるしアイは魔法を奪える。
ただ向かってくるだけなら俺の剣で斬り伏せるだけ。
「なーんちゃって」
キラースは馬鹿にするように舌を出して鳥獣をぐーんと上昇させた。
次の瞬間、背後の上空から別の鳥獣数体が一気に迫ってきたと思ったら、
「ガウゥゥゥゥッ!!」
その上から何頭ものサンドウルフが牙を剥いてガーッと飛び降りてきた。
意表を突かれた。
といっても、俺が本当に意表を突かれたのは別のことだ。
「アルカーナ・ヴェントゥス」
突如、サンドウルフどもにブワァァァッ!と狙い澄ましたような突風が襲いかかりヤツらを吹き飛ばした。
そこへアイがわかっていたようにすかさずビュッ!とクナイを投げつけてトドメを刺した。
俺はハッとして振り向く。
「クローさぁぁぁん!!」
シヒロが走ってきた。
そうか。
アイが連れてきてくれたんだな。
「す、少しは役立ちましたか?」
シヒロの言葉でやっと理解した。
「今の風魔法はシヒロがやったのか」
「は、はい!そうです!」
「攻撃魔法は苦手だって言ってたよな」
「そ、そんなことも、言ってられないですよね?」
俺はシヒロの手が若干震えているのを見てとった。
しかし彼女はすぐに歯を食いしばると、キッと表情を変える。
「ぼ、ぼくも魔法で戦います!」
彼女の純粋な瞳からは本気の覚悟が見えた。
俺はこくっと頷き、一言だけ添えた。
「無理はするなよ」
「は、はい!」
今度はそこへトレブルとブーストが駆けこんで来た。
「嬢ちゃん!」
俺はふたりを一瞥して無言で命令した。
シヒロを守ってくれと。
「ダンナ!任せときな!」
彼らは即座に察してくれた。
俺は目で返事をすると、敵に向かってダッ!と飛び出した。
この戦いに勝つために、シヒロたちを守るために......俺は敵をぶっ潰す!
「まだギアを上げんのか!?やっぱりテメーはおもしれえ!」
「このまま押し切るぞ!」
「わたしもまだまだいける!」
「さて、あたしも本格的に混ざるか」
俺の勢いに呼応するように一同は俄然盛り上がった。
この戦争に...勝利するために!
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