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魔剣使いの闘い~サンダース編
ep107 魔剣使い&魔法剣士vs爆破魔術師&ダークエルフ⑤
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「魔剣使い!貴様ぁ!」
カレンの怒声が聞こえた。
「さすが魔剣使いだぜ!いっさいの躊躇がねえ!だが残念!さっきオレが言ったことはウソじゃねえが、死んじまうのは最後の起爆のトリガーなんだなぁ!!つまり殺したってムダ!無理ゲーだよなぁ!!ギャッハッハァ!!」
キラースの不快な声も聞こえた。
だか、俺にはそれらの声よりも、
「ま、まけん......つかい......」
目の前の女の虫の息の声のほうが重要だった。
俺は彼女に剣を突き通したままで、その躰をグッと抱きよせて着地した。
それから彼女を抱きかかえて即座にある方向へむかいダッ!と飛びだす。
「シヒロ!」
俺はシヒロたちのいる所へ全速力で翔ける。
「く、クローさん!!」
「ダンナぁ!」
「その女...!」
まもなく遠目で一部始終を見ていたシヒロたちのもとへたどり着くと、俺が抱える血塗れのダークエルフを見て彼らはあっと絶句する。
「シヒロ!」
俺はシヒロへ切迫に呼びかけた。
「は、はい!」
シヒロはひどく緊張して返事した。
「この娘の傷を治してくれ!」
「こ、この傷を...ですか!?できるかな......いや、や、やります!やらせてください!」
シヒロはできるかできないかは言わなかった。
ただやるとだけ言った。
「じゃあすぐにやってくれ!」
「はい!あっ、で、でも、剣は抜かないんですか?」
「引き抜けばそのまますぐに失血死してしまう可能性がある。それに剣については考えがある」
「わ、わかりました!で、では...」
俺は瀕死のダークエルフをそっと地面に寝かせた。
シヒロは彼女に向かって両手をかざし魔法の詠唱を始める。
「深淵なる万物万象の源泉よ。我が劤と為り、彼の者を癒し給へ。
〔アルカーナ・サナーレ〕」
シヒロの魔法が発動され、その治癒のエネルギーがダークエルフの身体へ流れだしたことを確認すると、
「〔グラディウス〕」
俺は〔魔導剣〕を引っ込めた。
「そ、そうか!」
「ダンナは剣を自由に出し入れできるからそれを利用したってわけか!」
トレブルとブーストがなるほどと反応した。
とはいえ、致命傷を与えたのは事実。
あとはシヒロ頼みといったところか。
「シヒロ。なんとかなりそうか?」
「し、正直、わかりません......でも、がんばります...!」
シヒロは懸命に魔法の治療を施した。
俺はその魔力の力強くもあたたかく美しい白光を見つめながらよく理解した。
シヒロの持つ力の非凡さを。
「す、すげぇ!あれだけの傷が......!」
「ダークエルフの生命力がすげえってのも聞いたことあるが......さすが嬢ちゃんだぜ!おれたちを治療したのもダテじゃなかったってわけだ!」
トレブルとブーストも感嘆を漏らした。
「く、クローさん!」
突如、シヒロがなにかを訴えるような声を上げた。
カレンの怒声が聞こえた。
「さすが魔剣使いだぜ!いっさいの躊躇がねえ!だが残念!さっきオレが言ったことはウソじゃねえが、死んじまうのは最後の起爆のトリガーなんだなぁ!!つまり殺したってムダ!無理ゲーだよなぁ!!ギャッハッハァ!!」
キラースの不快な声も聞こえた。
だか、俺にはそれらの声よりも、
「ま、まけん......つかい......」
目の前の女の虫の息の声のほうが重要だった。
俺は彼女に剣を突き通したままで、その躰をグッと抱きよせて着地した。
それから彼女を抱きかかえて即座にある方向へむかいダッ!と飛びだす。
「シヒロ!」
俺はシヒロたちのいる所へ全速力で翔ける。
「く、クローさん!!」
「ダンナぁ!」
「その女...!」
まもなく遠目で一部始終を見ていたシヒロたちのもとへたどり着くと、俺が抱える血塗れのダークエルフを見て彼らはあっと絶句する。
「シヒロ!」
俺はシヒロへ切迫に呼びかけた。
「は、はい!」
シヒロはひどく緊張して返事した。
「この娘の傷を治してくれ!」
「こ、この傷を...ですか!?できるかな......いや、や、やります!やらせてください!」
シヒロはできるかできないかは言わなかった。
ただやるとだけ言った。
「じゃあすぐにやってくれ!」
「はい!あっ、で、でも、剣は抜かないんですか?」
「引き抜けばそのまますぐに失血死してしまう可能性がある。それに剣については考えがある」
「わ、わかりました!で、では...」
俺は瀕死のダークエルフをそっと地面に寝かせた。
シヒロは彼女に向かって両手をかざし魔法の詠唱を始める。
「深淵なる万物万象の源泉よ。我が劤と為り、彼の者を癒し給へ。
〔アルカーナ・サナーレ〕」
シヒロの魔法が発動され、その治癒のエネルギーがダークエルフの身体へ流れだしたことを確認すると、
「〔グラディウス〕」
俺は〔魔導剣〕を引っ込めた。
「そ、そうか!」
「ダンナは剣を自由に出し入れできるからそれを利用したってわけか!」
トレブルとブーストがなるほどと反応した。
とはいえ、致命傷を与えたのは事実。
あとはシヒロ頼みといったところか。
「シヒロ。なんとかなりそうか?」
「し、正直、わかりません......でも、がんばります...!」
シヒロは懸命に魔法の治療を施した。
俺はその魔力の力強くもあたたかく美しい白光を見つめながらよく理解した。
シヒロの持つ力の非凡さを。
「す、すげぇ!あれだけの傷が......!」
「ダークエルフの生命力がすげえってのも聞いたことあるが......さすが嬢ちゃんだぜ!おれたちを治療したのもダテじゃなかったってわけだ!」
トレブルとブーストも感嘆を漏らした。
「く、クローさん!」
突如、シヒロがなにかを訴えるような声を上げた。
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