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魔剣使いの闘い~サンダース編
ep97 魔法剣士vs爆破魔術師②(シヒロ視点)
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「妙だな」
ふいにトレブルさんが言いました。
「どうかしたんですか?」
「あの上空からの攻撃......避難する市民を狙っているように見えて、すべて女隊長さんが間に合う位置へ間に合うように発射しているようにも見える」
「えっ?それって...」
「キラースの狙い......ま、まさか!」
「あの魔法剣士か!」
ブーストさんが勢いよく反応しました。
「ど、どういうことなんですか!?」
質問するぼくを見て、トレブルさんが冷や汗を垂らしながら口をひらきます。
「キラース。ヤツは......基本的には相手を見境なく理不尽にブッ殺しまくる狂人だが、あえて殺さず生かしとくこともあると聞く。その場合は自分のオモチャにするとかで、その方法はわからねえが......。
つまり、天下の魔法剣士さまを痛めつけるだけ痛めつけてから自分のオモチャにしようとしてるんじゃねえかってことだ。あくまで可能性だが」
「あのカレンさんを!?」
「だからこそだよ。なんせあの勇者様の妹君だ。手に入りゃあこんなにいいもんはねえだろうぜ。当然、政治的な道具としても使えるしな」
「えっ、待ってください!もしそうなら、その目的を達成するためだけに、祭り中のサンダースに魔物まで引き連れてきてこんなメチャクチャなことをしているってことですか!?」
「ヤツならあり得る。そもそも、平和祭の最中にあんなに目立つ格好で空から魔物まで引き連れて来ている時点で、国際平和維持軍に出てきてくれって言っているようなもんだぜ。
この平和なご時世に空からあんな魔物がうじゃうじゃ現れりゃあ、天下の魔法剣士さまも出てくるだろうよ。あるいはあの女隊長が小部隊で近隣エリアにいることも事前に知っていたのかもしれねえ」
「か、カレンさんは、負けないですよね?」
「いくらキラースがイカれていて強いっていったってよ?そりゃあ実力じゃあ魔法剣士さまの方が断然上だろ。だからこそ、あんなやり方で仕掛けているんじゃねえの?」
「じゃあカレンさんは勝つんですね!」
「......どうだろうな。そればっかりはわからねえ。人の命をなんとも思ってねえキラースと人々を守りたい魔法剣士。どう考えても今この状況はキラースに有利だろ」
「そ、そんな!」
「とにかくおれたちは良いタイミングでズラかるってことだけだ」
「クローさんは!?クローさんが来てくれればあんなヤツなんか!」
「だがそうなるとまたややこしくなるかもな。だって勇者軍もダンナを狙ってんだろ?てことはヘタすりゃ三つ巴だぜ。ダンナからすりゃあ、キラースよりも魔法剣士さまの方が厄介かもしれねえぜ」
「そ、そうかもしれないですけど......(クローさんは今どこで何をしているんですか?ぼくはクローさんこそ救世主だと思っているのに......)」
ふいにトレブルさんが言いました。
「どうかしたんですか?」
「あの上空からの攻撃......避難する市民を狙っているように見えて、すべて女隊長さんが間に合う位置へ間に合うように発射しているようにも見える」
「えっ?それって...」
「キラースの狙い......ま、まさか!」
「あの魔法剣士か!」
ブーストさんが勢いよく反応しました。
「ど、どういうことなんですか!?」
質問するぼくを見て、トレブルさんが冷や汗を垂らしながら口をひらきます。
「キラース。ヤツは......基本的には相手を見境なく理不尽にブッ殺しまくる狂人だが、あえて殺さず生かしとくこともあると聞く。その場合は自分のオモチャにするとかで、その方法はわからねえが......。
つまり、天下の魔法剣士さまを痛めつけるだけ痛めつけてから自分のオモチャにしようとしてるんじゃねえかってことだ。あくまで可能性だが」
「あのカレンさんを!?」
「だからこそだよ。なんせあの勇者様の妹君だ。手に入りゃあこんなにいいもんはねえだろうぜ。当然、政治的な道具としても使えるしな」
「えっ、待ってください!もしそうなら、その目的を達成するためだけに、祭り中のサンダースに魔物まで引き連れてきてこんなメチャクチャなことをしているってことですか!?」
「ヤツならあり得る。そもそも、平和祭の最中にあんなに目立つ格好で空から魔物まで引き連れて来ている時点で、国際平和維持軍に出てきてくれって言っているようなもんだぜ。
この平和なご時世に空からあんな魔物がうじゃうじゃ現れりゃあ、天下の魔法剣士さまも出てくるだろうよ。あるいはあの女隊長が小部隊で近隣エリアにいることも事前に知っていたのかもしれねえ」
「か、カレンさんは、負けないですよね?」
「いくらキラースがイカれていて強いっていったってよ?そりゃあ実力じゃあ魔法剣士さまの方が断然上だろ。だからこそ、あんなやり方で仕掛けているんじゃねえの?」
「じゃあカレンさんは勝つんですね!」
「......どうだろうな。そればっかりはわからねえ。人の命をなんとも思ってねえキラースと人々を守りたい魔法剣士。どう考えても今この状況はキラースに有利だろ」
「そ、そんな!」
「とにかくおれたちは良いタイミングでズラかるってことだけだ」
「クローさんは!?クローさんが来てくれればあんなヤツなんか!」
「だがそうなるとまたややこしくなるかもな。だって勇者軍もダンナを狙ってんだろ?てことはヘタすりゃ三つ巴だぜ。ダンナからすりゃあ、キラースよりも魔法剣士さまの方が厄介かもしれねえぜ」
「そ、そうかもしれないですけど......(クローさんは今どこで何をしているんですか?ぼくはクローさんこそ救世主だと思っているのに......)」
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