92 / 167
魔剣使いの闘い~サンダース編
ep92 魔法剣(シヒロ視点)
しおりを挟む
「カレン隊長!そんなどこの馬の骨ともわからない連中に隊長自ら頼みこむなんて!」
「そうですよ!」
ここで二人の男性兵士が駆けつけて来ました。
「オイお前ら!これは国際平和維持軍の命令だ!」
「お前らは黙ってカレン隊長の言うとおりにすればいいんだ」
兵士たちは高圧的な態度で言葉を投げつけてきました。
これにはトレブルさんとブーストさんがカチンときます。
「ああ?なんだその言い方は?」
「そんなふうに言われる筋合いはねえぜ」
ふたりは兵士たちとバチバチとメンチを切り合います。
そんな時です。
魔法剣士さまの登場でいったん警戒して様子をうかがっていた上空の魔物たちが、
「ギィエェェェェ!!」
例のおぞましい咆哮をやかましく上げました。
次の瞬間、一頭の魔物がこちらへ向かい獰猛な鉤爪を立てて凄まじい勢いでガァァァァッ!と降下してきました。
「隊長!」
「カレン隊長!」
「お前達は退がれ!私が対処する!」
そう言い放って魔法剣士さまが一歩前に出て剣を構えました。
「ギィエェェェェ!」
「ハァァッ!」
ガギィィィン!
鉤爪と剣が交錯します。
魔法剣士さまの体勢は何事もなかったかのようにまったくブレません。
魔物は魔法剣士さまの剣で弾かれた格好となり再びぐーんと上昇していきます。
「お、おい、ブースト。お前が固有技能を使って弾くのにやっとだったのをあの女隊長は...」
「ああ。まるで問題にしちゃいねえ...」
トレブルさんとブーストさんは冷や汗をにじませて言いました。
その時です。
「......深淵なる万物万象の源泉よ。我が劤と為り、彼の者を燃やし尽くし給へ。
〔アルカーナ・フランマ〕」
魔法剣士さまが魔法を唱えました。
直後、ぼくは目を丸くして驚きます。
「け、剣が!?」
なんと、魔法剣士さまの手にある剣の刃にメラメラと炎が点ったのです!
しかし驚いている暇もありません。
またしても魔物は、
「ギィエェェェェ!」
やかましく吠え立てながらぎゅーんと急降下してきます。
人間などいとも簡単に殺生しうるであろう危険な鉤爪が頭上からガァァァッ!と魔法剣士に迫ります。
魔法剣士さまの双眼がキラッと光ると、炎の剣がザァァンッ!と振り抜かれました。
「固有技能〔魔動炎閃〕」
ゴオォォォォッ!と炎風が舞い上がると同時に魔物の脚がズバァァッと斬り払われると、そのまま魔物の躰が猛き炎に包まれます。
「ギャアァァァァァッ!!」
それは威嚇の咆哮じゃない。
断末魔の叫び!
魔物は炎に焼かれながら宙で痛ましくのたうち回ったあげく、
「ギ、ギィィィ......」
力尽きて地面にズゥーンと沈みました。
「一撃!?」
「す、スゲェ!」
「とんでもねえぞあの女隊長!」
仰天するぼくたち三人へ向かい、魔法剣士さまの部下二人がドヤ顔を見せます。
「カレン隊長にかかればこんなもんだ」
「あんなもんまだ本気でもないぞ隊長は」
魔法剣士さまは魔物が息絶えたのを確認すると、クルッとぼくらへ振り返ります。
「冒険者三人は私とともに来い!二人は私と別れて市民の保護にあたれ!」
「そうですよ!」
ここで二人の男性兵士が駆けつけて来ました。
「オイお前ら!これは国際平和維持軍の命令だ!」
「お前らは黙ってカレン隊長の言うとおりにすればいいんだ」
兵士たちは高圧的な態度で言葉を投げつけてきました。
これにはトレブルさんとブーストさんがカチンときます。
「ああ?なんだその言い方は?」
「そんなふうに言われる筋合いはねえぜ」
ふたりは兵士たちとバチバチとメンチを切り合います。
そんな時です。
魔法剣士さまの登場でいったん警戒して様子をうかがっていた上空の魔物たちが、
「ギィエェェェェ!!」
例のおぞましい咆哮をやかましく上げました。
次の瞬間、一頭の魔物がこちらへ向かい獰猛な鉤爪を立てて凄まじい勢いでガァァァァッ!と降下してきました。
「隊長!」
「カレン隊長!」
「お前達は退がれ!私が対処する!」
そう言い放って魔法剣士さまが一歩前に出て剣を構えました。
「ギィエェェェェ!」
「ハァァッ!」
ガギィィィン!
鉤爪と剣が交錯します。
魔法剣士さまの体勢は何事もなかったかのようにまったくブレません。
魔物は魔法剣士さまの剣で弾かれた格好となり再びぐーんと上昇していきます。
「お、おい、ブースト。お前が固有技能を使って弾くのにやっとだったのをあの女隊長は...」
「ああ。まるで問題にしちゃいねえ...」
トレブルさんとブーストさんは冷や汗をにじませて言いました。
その時です。
「......深淵なる万物万象の源泉よ。我が劤と為り、彼の者を燃やし尽くし給へ。
〔アルカーナ・フランマ〕」
魔法剣士さまが魔法を唱えました。
直後、ぼくは目を丸くして驚きます。
「け、剣が!?」
なんと、魔法剣士さまの手にある剣の刃にメラメラと炎が点ったのです!
しかし驚いている暇もありません。
またしても魔物は、
「ギィエェェェェ!」
やかましく吠え立てながらぎゅーんと急降下してきます。
人間などいとも簡単に殺生しうるであろう危険な鉤爪が頭上からガァァァッ!と魔法剣士に迫ります。
魔法剣士さまの双眼がキラッと光ると、炎の剣がザァァンッ!と振り抜かれました。
「固有技能〔魔動炎閃〕」
ゴオォォォォッ!と炎風が舞い上がると同時に魔物の脚がズバァァッと斬り払われると、そのまま魔物の躰が猛き炎に包まれます。
「ギャアァァァァァッ!!」
それは威嚇の咆哮じゃない。
断末魔の叫び!
魔物は炎に焼かれながら宙で痛ましくのたうち回ったあげく、
「ギ、ギィィィ......」
力尽きて地面にズゥーンと沈みました。
「一撃!?」
「す、スゲェ!」
「とんでもねえぞあの女隊長!」
仰天するぼくたち三人へ向かい、魔法剣士さまの部下二人がドヤ顔を見せます。
「カレン隊長にかかればこんなもんだ」
「あんなもんまだ本気でもないぞ隊長は」
魔法剣士さまは魔物が息絶えたのを確認すると、クルッとぼくらへ振り返ります。
「冒険者三人は私とともに来い!二人は私と別れて市民の保護にあたれ!」
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。
飼猫タマ
ファンタジー
訳あって、冒険者をしている没落騎士の娘、アナ·アナシア。
ダンジョン探索中、フロアーボスの付き人悪魔Bに捕まり、恥辱を受けていた。
そんな折、そのダンジョンのフロアーボスである、残虐で鬼畜だと巷で噂の悪魔Aが復活してしまい、アナ·アナシアは死を覚悟する。
しかし、その悪魔は違う意味で悪魔らしくなかった。
自分の前世は人間だったと言い張り、自分は童貞で、SEXさせてくれたらアナ·アナシアを殺さないと言う。
アナ·アナシアは殺さない為に、童貞チェリーボーイの悪魔Aの筆下ろしをする契約をしたのだった!
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
僕のギフトは規格外!?〜大好きなもふもふたちと異世界で品質開拓を始めます〜
犬社護
ファンタジー
5歳の誕生日、アキトは不思議な夢を見た。舞台は日本、自分は小学生6年生の子供、様々なシーンが走馬灯のように進んでいき、突然の交通事故で終幕となり、そこでの経験と知識の一部を引き継いだまま目を覚ます。それが前世の記憶で、自分が異世界へと転生していることに気付かないまま日常生活を送るある日、父親の職場見学のため、街中にある遺跡へと出かけ、そこで出会った貴族の幼女と話し合っている時に誘拐されてしまい、大ピンチ! 目隠しされ不安の中でどうしようかと思案していると、小さなもふもふ精霊-白虎が救いの手を差し伸べて、アキトの秘めたる力が解放される。
この小さき白虎との出会いにより、アキトの運命が思わぬ方向へと動き出す。
これは、アキトと訳ありモフモフたちの起こす品質開拓物語。
魔境へ追放された公爵令息のチート領地開拓 〜動く屋敷でもふもふ達とスローライフ!〜
西園寺若葉
ファンタジー
公爵家に生まれたエリクは転生者である。
4歳の頃、前世の記憶が戻って以降、知識無双していた彼は気づいたら不自由極まりない生活を送るようになっていた。
そんな彼はある日、追放される。
「よっし。やっと追放だ。」
自由を手に入れたぶっ飛んび少年エリクが、ドラゴンやフェンリルたちと気ままに旅先を決めるという物語。
- この話はフィクションです。
- カクヨム様でも連載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる