88 / 167
魔剣使いの闘い~サンダース編
ep88 一方、シヒロたちは...(シヒロ視点)
しおりを挟む ◇
小説を書くために旅をしているぼくは、旅先で魔剣使いさまと出会いました。
そしてぼくは、その人に心を奪われてしまいました。
今ではその人と一緒に旅をしています。
魔剣使いさまとの旅はとても刺激的です。
それはぼくの好奇心を満たすに充分すぎます。
ですが、今回のそれは、ちょっといき過ぎたかもしれません......。
「ま、魔物!?」
「こんなところになぜ!?」
「こりゃあシャレにならんぜ!」
なんと、祭りに浮かれる街の上空を、翼を備えた大型の鳥獣系の魔物数頭が重々しく飛行しているのです。
さらに、街の建物の屋根の上には不穏な輩の姿がうようよと蠢いています。
「あ、あれは!」
「あの仮面......フリーダムだぜ!」
「どうなってんだ!?魔物とフリーダムが同時にだと!?」
平和祭の真っ只中、もっとも平和祭にふさわしくない者どもが現れました。
しかも、ちょうどクローさんが女の人と一緒にぼくらから離れていってしまっている時です。
「ど、どうしよう!」
ぼくはアワアワとして動けなくなります。
「嬢ちゃん!おれたちから離れんなよ!」
「大丈夫だ!きっとダンナは気づいているはずだ!」
トレブルさんとブーストさんは即座に手に持った酒を投げ捨てて、ぼくに言葉をかけてくれました。
「は、はい!でもどうするんですか?すぐに街を抜けることはできないと思いますし...」
「とりあえず身を守りつつ少しでも安全な場所に移動するぜ!」
「そんであとは時間待ちだな!」
「時間待ち?」
「ひとつはダンナ待ちだが、もうひとつは...」
「国際平和維持軍だ!」
「そ、そっか!さっき三人組の方もいましたもんね」
「平和祭の最中にフリーダムの連中と魔物の群れ。どう考えても勇者軍案件だぜ!」
「だな!下手すりゃあ隊長クラスが直々に来るかもしれねえ!」
「でも、そうなるとクローさんが!」
「そんなもんダンナは十二分に承知だろ!」
「おれたちは勇者軍とフリーダムがやり合ってる隙に逃げりゃあいい!切り抜け方はダンナが一番よくわかってんだろ!」
その時です。
ドガァァァン!という爆発音が街に鳴り響きました。
続いて別の方向からもドガァァァン!
また別の方向からもドガァァァン!
さらに別の方向からもドガァァァン!と爆発音が立て続けに鳴り渡りました。
「ま、魔法!?」
「もうおっ始めやがったか!」
「こりぁあさっさと移動し始めたほうが...」
ブーストさんが言いかけた時です。
「あっ!魔物が一頭、降ってきます!」
「ん?」
「人が、乗っているのか?」
一頭の巨大な鳥獣が降ってきたかと思うと、その上に立っている人間の姿が僕らの目に映ります。
「おーおー。くだらねえ祭りにうじゃうじゃいやがるなぁ」
吐き棄てるように言葉を放つその人は、フリーダムの仮面と服を纏い、片側だけに生やした紫色の長髪を風になびかせています。
「お、おい。あれ、まさか......」
「いや、うそだろ。マジかよ......」
トレブルさんとブーストさんがにわかにガタガタとおののき始めました。
「トレブルさん?ブーストさん」
「嬢ちゃん。ありゃあ多分......」
「キラースだ」
「そ、その人って!」
「元ダムドのボスで、現フリーダムの幹部だ」
「しかも相当イカれたな...」
明らかにトレブルさんとブーストさんの顔面が蒼白しています。
「そ、そんなに危ない人なんですか...?」
「あれは破壊が趣味みたいな人だ。しかもキラースと勇者軍がぶつかるってなれば...」
「完全に戦争だな。しかも今日は祭りで人がごった返してる。悲惨なことになるぜ」
小説を書くために旅をしているぼくは、旅先で魔剣使いさまと出会いました。
そしてぼくは、その人に心を奪われてしまいました。
今ではその人と一緒に旅をしています。
魔剣使いさまとの旅はとても刺激的です。
それはぼくの好奇心を満たすに充分すぎます。
ですが、今回のそれは、ちょっといき過ぎたかもしれません......。
「ま、魔物!?」
「こんなところになぜ!?」
「こりゃあシャレにならんぜ!」
なんと、祭りに浮かれる街の上空を、翼を備えた大型の鳥獣系の魔物数頭が重々しく飛行しているのです。
さらに、街の建物の屋根の上には不穏な輩の姿がうようよと蠢いています。
「あ、あれは!」
「あの仮面......フリーダムだぜ!」
「どうなってんだ!?魔物とフリーダムが同時にだと!?」
平和祭の真っ只中、もっとも平和祭にふさわしくない者どもが現れました。
しかも、ちょうどクローさんが女の人と一緒にぼくらから離れていってしまっている時です。
「ど、どうしよう!」
ぼくはアワアワとして動けなくなります。
「嬢ちゃん!おれたちから離れんなよ!」
「大丈夫だ!きっとダンナは気づいているはずだ!」
トレブルさんとブーストさんは即座に手に持った酒を投げ捨てて、ぼくに言葉をかけてくれました。
「は、はい!でもどうするんですか?すぐに街を抜けることはできないと思いますし...」
「とりあえず身を守りつつ少しでも安全な場所に移動するぜ!」
「そんであとは時間待ちだな!」
「時間待ち?」
「ひとつはダンナ待ちだが、もうひとつは...」
「国際平和維持軍だ!」
「そ、そっか!さっき三人組の方もいましたもんね」
「平和祭の最中にフリーダムの連中と魔物の群れ。どう考えても勇者軍案件だぜ!」
「だな!下手すりゃあ隊長クラスが直々に来るかもしれねえ!」
「でも、そうなるとクローさんが!」
「そんなもんダンナは十二分に承知だろ!」
「おれたちは勇者軍とフリーダムがやり合ってる隙に逃げりゃあいい!切り抜け方はダンナが一番よくわかってんだろ!」
その時です。
ドガァァァン!という爆発音が街に鳴り響きました。
続いて別の方向からもドガァァァン!
また別の方向からもドガァァァン!
さらに別の方向からもドガァァァン!と爆発音が立て続けに鳴り渡りました。
「ま、魔法!?」
「もうおっ始めやがったか!」
「こりぁあさっさと移動し始めたほうが...」
ブーストさんが言いかけた時です。
「あっ!魔物が一頭、降ってきます!」
「ん?」
「人が、乗っているのか?」
一頭の巨大な鳥獣が降ってきたかと思うと、その上に立っている人間の姿が僕らの目に映ります。
「おーおー。くだらねえ祭りにうじゃうじゃいやがるなぁ」
吐き棄てるように言葉を放つその人は、フリーダムの仮面と服を纏い、片側だけに生やした紫色の長髪を風になびかせています。
「お、おい。あれ、まさか......」
「いや、うそだろ。マジかよ......」
トレブルさんとブーストさんがにわかにガタガタとおののき始めました。
「トレブルさん?ブーストさん」
「嬢ちゃん。ありゃあ多分......」
「キラースだ」
「そ、その人って!」
「元ダムドのボスで、現フリーダムの幹部だ」
「しかも相当イカれたな...」
明らかにトレブルさんとブーストさんの顔面が蒼白しています。
「そ、そんなに危ない人なんですか...?」
「あれは破壊が趣味みたいな人だ。しかもキラースと勇者軍がぶつかるってなれば...」
「完全に戦争だな。しかも今日は祭りで人がごった返してる。悲惨なことになるぜ」
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説

最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
本当の仲間ではないと勇者パーティから追放されたので、銀髪ケモミミ美少女と異世界でスローライフします。
なつめ猫
ファンタジー
田中一馬は、40歳のIT会社の社員として働いていた。
しかし、異世界ガルドランドに魔王を倒す勇者として召喚されてしまい容姿が17歳まで若返ってしまう。
探しにきた兵士に連れられ王城で、同郷の人間とパーティを組むことになる。
だが【勇者】の称号を持っていなかった一馬は、お荷物扱いにされてしまう。
――ただアイテムボックスのスキルを持っていた事もあり勇者パーティの荷物持ちでパーティに参加することになるが……。
Sランク冒険者となった事で、田中一馬は仲間に殺されかける。
Sランク冒険者に与えられるアイテムボックスの袋。
それを手に入れるまで田中一馬は利用されていたのだった。
失意の内に意識を失った一馬の脳裏に
――チュートリアルが完了しました。
と、いうシステムメッセージが流れる。
それは、田中一馬が40歳まで独身のまま人生の半分を注ぎこんで鍛え上げたアルドガルド・オンラインの最強セーブデータを手に入れた瞬間であった!

八十神天従は魔法学園の異端児~神社の息子は異世界に行ったら特待生で特異だった
根上真気
ファンタジー
高校生活初日。神社の息子の八十神は異世界に転移してしまい危機的状況に陥るが、神使の白兎と凄腕美人魔術師に救われ、あれよあれよという間にリュケイオン魔法学園へ入学することに。期待に胸を膨らますも、彼を待ち受ける「特異クラス」は厄介な問題児だらけだった...!?日本の神様の力を魔法として行使する主人公、八十神。彼はその異質な能力で様々な苦難を乗り越えながら、新たに出会う仲間とともに成長していく。学園×魔法の青春バトルファンタジーここに開幕!
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる