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魔剣使いの闘い~ロットン編
ep75 次なる敵
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シヴィスの言うとおり、〔フリーダム〕の幹部は強者揃いなのだろう。
今回の戦いも一歩間違えばやられていたかもしれない。
俺は一日でも早く、今以上に〔魔導剣士〕の力を使いこなせるようにならなければならない。
ましてやもう俺には残された人生の時間が少ないんだ。
俺は改めて気を引き締めた。
「......さあもう行くぞ。国際平和維持軍が来る前にな。トレブル、ブースト。道を案内しろ!」
「だ、ダンナ!」
「じゃあオッケーってことで...」
「そうだ!早くしろ!」
「ああ!」
「こっちだ!」
俺たちが動きだそうとしたその時。
「クローさん!!」
突然、シヒロが何かを知らせるように叫んだ。
俺は反射的に、
〔グラディウス〕
魔導剣を顕現させていた。
転瞬、禍き光を纏った無数の矢が、天から月明かりに混じってザァァァァッと黒雨のように降り注いできた。
「みんな伏せろ!!
特殊技能〔ニュンパ・グレイズ〕」
俺は天に向かって旋風の如く無数の剣閃を複雑に描く。
「シィィィィッ!!」
突如として訪れた災厄を神使が振り祓うように、黒矢の雨あられをズババババッ!と片っぱしから斬り払った。
「い、今のはなんなんだ!?」
「魔法の矢!?」
周りをグルグルと見まわしながら疑問の声を上げるトレブルとブースト。
「シヒロ」
俺は剣をおろすとシヒロに呼びかける。
「よく気づいたな」
「クローさん!今のは多分、無言魔術です!しかも...闇の魔力の!」
「闇の魔力?ということは...」
「人間ではありません!魔族かあるいは...」
『クロー様。あちらです』
謎の声が俺にある方向を示した。
俺は瞬時にそちらへ視線をはこぶ。
数十メートル先の建物。屋根の上。ゆらりと黒い人影が映った。
「あれは...?」
気づいた瞬間、人影はサッと闇に消えた。
「クックック......ありゃあ多分、ヤツんとこのオモチャだな。ありゃあやべーなぁ......クックック......」
シヴィスが苦痛に歪みながら嘲笑った。
俺はシヴィスに剣を向けて問いただすが、
「今のはなんだ?何者の仕業だ?」
「近々、サンダースで祭りがある......まっ、興味あるんなら行ってみるんだな......クックック......」
「どういう意味だ?」
「クックック......」
まったく要領を得ない。
「クローさん!もう行かないと!」
シヒロが焦りながら袖を引っぱってきた。
「そうだぜダンナ!」
「国際平和維持軍が来ちまう!おれたちもアレはゴメンだ!」
トレブルとブーストも重ねてきた。
「......わかった。行こう」
俺は剣を納めて退避に移行した。
「さあダンナ!嬢ちゃん!こっちだ!」
俺とシヒロは、トレブルとブーストに促され戦場を後にした。
夜空には月が妙にありありと浮かんでいる。
そんな夜の屋根の上で、なぜかあの人影は闇に埋もれていた。
次の敵は、いったい何者なのだろうか。
ロットン編
[完]
今回の戦いも一歩間違えばやられていたかもしれない。
俺は一日でも早く、今以上に〔魔導剣士〕の力を使いこなせるようにならなければならない。
ましてやもう俺には残された人生の時間が少ないんだ。
俺は改めて気を引き締めた。
「......さあもう行くぞ。国際平和維持軍が来る前にな。トレブル、ブースト。道を案内しろ!」
「だ、ダンナ!」
「じゃあオッケーってことで...」
「そうだ!早くしろ!」
「ああ!」
「こっちだ!」
俺たちが動きだそうとしたその時。
「クローさん!!」
突然、シヒロが何かを知らせるように叫んだ。
俺は反射的に、
〔グラディウス〕
魔導剣を顕現させていた。
転瞬、禍き光を纏った無数の矢が、天から月明かりに混じってザァァァァッと黒雨のように降り注いできた。
「みんな伏せろ!!
特殊技能〔ニュンパ・グレイズ〕」
俺は天に向かって旋風の如く無数の剣閃を複雑に描く。
「シィィィィッ!!」
突如として訪れた災厄を神使が振り祓うように、黒矢の雨あられをズババババッ!と片っぱしから斬り払った。
「い、今のはなんなんだ!?」
「魔法の矢!?」
周りをグルグルと見まわしながら疑問の声を上げるトレブルとブースト。
「シヒロ」
俺は剣をおろすとシヒロに呼びかける。
「よく気づいたな」
「クローさん!今のは多分、無言魔術です!しかも...闇の魔力の!」
「闇の魔力?ということは...」
「人間ではありません!魔族かあるいは...」
『クロー様。あちらです』
謎の声が俺にある方向を示した。
俺は瞬時にそちらへ視線をはこぶ。
数十メートル先の建物。屋根の上。ゆらりと黒い人影が映った。
「あれは...?」
気づいた瞬間、人影はサッと闇に消えた。
「クックック......ありゃあ多分、ヤツんとこのオモチャだな。ありゃあやべーなぁ......クックック......」
シヴィスが苦痛に歪みながら嘲笑った。
俺はシヴィスに剣を向けて問いただすが、
「今のはなんだ?何者の仕業だ?」
「近々、サンダースで祭りがある......まっ、興味あるんなら行ってみるんだな......クックック......」
「どういう意味だ?」
「クックック......」
まったく要領を得ない。
「クローさん!もう行かないと!」
シヒロが焦りながら袖を引っぱってきた。
「そうだぜダンナ!」
「国際平和維持軍が来ちまう!おれたちもアレはゴメンだ!」
トレブルとブーストも重ねてきた。
「......わかった。行こう」
俺は剣を納めて退避に移行した。
「さあダンナ!嬢ちゃん!こっちだ!」
俺とシヒロは、トレブルとブーストに促され戦場を後にした。
夜空には月が妙にありありと浮かんでいる。
そんな夜の屋根の上で、なぜかあの人影は闇に埋もれていた。
次の敵は、いったい何者なのだろうか。
ロットン編
[完]
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