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魔剣士誕生編
ep24 襲来
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そんな時......。
窓越しの空の向こうに、ゆらゆらと煙が立ちこめているのが目に映る。
風向きのせいか、何処からこちらの方へ流れてきているようだ。
俺は椅子に沈みながら、なにを思うでもなくボンヤリと眺める。
「......」
しばらくすると、煙はおさまるどころかますますこちらへ流れてくる。
相変わらずボ~っとしていた俺が、なんとなくそれを気になり始めた時......。
突如、窓の外からピカッと閃光が瞬いたかと思うと、ドガァァァン!という凄まじい爆撃音とともに屋敷が大きく震える。
「!!」
俺は椅子ごとドタンと床に転げた。
なにが起こったのかさっぱりわからない俺は、咄嗟に頭を抱えてうずくまる。
「...!」
なんだ?
なにが起こったんだ?
「......」
間もなく謎の衝撃がおさまると、俺はおそるおそるゆっくりと頭を上げる。
「終わった......のか?」
窓に目をやる。
すると、今度は明らかに屋敷近辺から煙が上がっているのが確認できる。
「隕石でも落ちてきたのか......?」
茫然としていると、俺の目を一気に醒まさせる勢いで部屋のドアがバン!と開く。
「ぼっちゃま!」
あらゆる心配を詰め込んで凝縮したような形相のパトリスが、俺のもとへ駆け込んでくる。
「ご無事ですか!?」
「あ、ああ。でも、いったいなにが起きたんだ?」
「これはおそらく......」
なにかを言いかけた時、パトリスはふと窓の方を見てギョッとする。
俺は「?」となり、自らも窓へ目をやると...
「えっ??ひと??」
怪しい仮面を被った何者かが窓へへばりついていた。
そいつは片手にハンマーを持っていて、それを振り上げる。
「ぼっちゃま!窓から離れてください!」
パトリスが叫んで俺の腕を引いた瞬間、ガシャーン!と窓が叩き割られて破片が飛びちる。
俺とパトリスはギリギリでガラスの破片から逃れる。
「な、なんなんだ!?」
ダメだ。
次から次へとわけがわからない。
俺の頭は完全に混乱してしまっている。
混乱してしまっているが......これだけはわかる。
頭にはドレッドヘアーがのぞき、無機質な人顔をかたどった怪しい仮面をへばりついたように被り、白いつなぎのような服を着た得体の知れぬ者......
すなわち、目の前にいる、叩き割られた窓の格子に足をついてしゃがんだまま、じぃっとこちらを見ているそいつが、危険な存在であるということ!
「ぼっちゃま。お逃げください」
パトリスがそいつに視線を向けたまま言った。
今度は妙に落ち着いた口調で。
それが俺に、今がいかに危機的状況であるのかを瞬時に悟らせた。
「あ、ああ」
俺はすぐに立ち上がってドアまで駆けだす。
とその時。
「魔導書は、どこ?」
そいつが言った。
俺は思わずピタリと立ち止まり、肩越しにそいつを見る。
「魔導書、と言ったのか?それがここにあるかと聞いているのか?」
パトリスが問い返した。
そいつは頷きもせず首を振るもせず、
「どうも、はじめまして。ぼくたちは〔フリーダム〕です」
挨拶の言葉を発した。
はたしてこれは、コミュニケーションが取れているのだろうか?
その不穏な塩梅が、ますます不気味さを増幅させる。
「......アイツは、なんなんだ?」
窓越しの空の向こうに、ゆらゆらと煙が立ちこめているのが目に映る。
風向きのせいか、何処からこちらの方へ流れてきているようだ。
俺は椅子に沈みながら、なにを思うでもなくボンヤリと眺める。
「......」
しばらくすると、煙はおさまるどころかますますこちらへ流れてくる。
相変わらずボ~っとしていた俺が、なんとなくそれを気になり始めた時......。
突如、窓の外からピカッと閃光が瞬いたかと思うと、ドガァァァン!という凄まじい爆撃音とともに屋敷が大きく震える。
「!!」
俺は椅子ごとドタンと床に転げた。
なにが起こったのかさっぱりわからない俺は、咄嗟に頭を抱えてうずくまる。
「...!」
なんだ?
なにが起こったんだ?
「......」
間もなく謎の衝撃がおさまると、俺はおそるおそるゆっくりと頭を上げる。
「終わった......のか?」
窓に目をやる。
すると、今度は明らかに屋敷近辺から煙が上がっているのが確認できる。
「隕石でも落ちてきたのか......?」
茫然としていると、俺の目を一気に醒まさせる勢いで部屋のドアがバン!と開く。
「ぼっちゃま!」
あらゆる心配を詰め込んで凝縮したような形相のパトリスが、俺のもとへ駆け込んでくる。
「ご無事ですか!?」
「あ、ああ。でも、いったいなにが起きたんだ?」
「これはおそらく......」
なにかを言いかけた時、パトリスはふと窓の方を見てギョッとする。
俺は「?」となり、自らも窓へ目をやると...
「えっ??ひと??」
怪しい仮面を被った何者かが窓へへばりついていた。
そいつは片手にハンマーを持っていて、それを振り上げる。
「ぼっちゃま!窓から離れてください!」
パトリスが叫んで俺の腕を引いた瞬間、ガシャーン!と窓が叩き割られて破片が飛びちる。
俺とパトリスはギリギリでガラスの破片から逃れる。
「な、なんなんだ!?」
ダメだ。
次から次へとわけがわからない。
俺の頭は完全に混乱してしまっている。
混乱してしまっているが......これだけはわかる。
頭にはドレッドヘアーがのぞき、無機質な人顔をかたどった怪しい仮面をへばりついたように被り、白いつなぎのような服を着た得体の知れぬ者......
すなわち、目の前にいる、叩き割られた窓の格子に足をついてしゃがんだまま、じぃっとこちらを見ているそいつが、危険な存在であるということ!
「ぼっちゃま。お逃げください」
パトリスがそいつに視線を向けたまま言った。
今度は妙に落ち着いた口調で。
それが俺に、今がいかに危機的状況であるのかを瞬時に悟らせた。
「あ、ああ」
俺はすぐに立ち上がってドアまで駆けだす。
とその時。
「魔導書は、どこ?」
そいつが言った。
俺は思わずピタリと立ち止まり、肩越しにそいつを見る。
「魔導書、と言ったのか?それがここにあるかと聞いているのか?」
パトリスが問い返した。
そいつは頷きもせず首を振るもせず、
「どうも、はじめまして。ぼくたちは〔フリーダム〕です」
挨拶の言葉を発した。
はたしてこれは、コミュニケーションが取れているのだろうか?
その不穏な塩梅が、ますます不気味さを増幅させる。
「......アイツは、なんなんだ?」
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